第2【事業の状況】

 

1【業績等の概要】

(1) 業績

[1] 業績の概要

 当連結会計年度における国内経済は、構造改革による経済再生に向け期待が高まりはしたものの、企業設備投資の鈍化、個人消費の冷え込み、結果としての雇用環境の深刻化と、非常に厳しい状況で推移し、企業業績及び株式市場も低迷状態が続きました。とりわけ新規公開市場をはじめとした株式市況の低迷は、当社を取り巻く事業を一層厳しいものといたしました。

 かかる状況下、当社は事業基盤の一層の強化と管理体制の整備を図り、平成14年2月15日に東京証券取引所市場第一部に、平成14年11月27日に大阪証券取引所市場第一部に上場いたしました。

 当連結会計年度の事業活動としては、ソフトバンク・インターネットテクノロジー・ファンドを中心に、投資コストを低下させつつ、より公開可能性の高い企業への集中投資を行い、当社及び当社連結子会社が運用するファンドからの投資実績は48社に対し25,479百万円となりました。

 一方で、投資先会社の株式市場価格の著しい下落等により、営業投資有価証券について評価損564百万円、投資損失引当金繰入額919百万円を計上しております。また、特別損失には当社の連結子会社であるソフトバンクベンチャーズ(株)が運用するファンド(当初出資金21,450百万円、累計配当金額39,884百万円、同成功報酬額15,933百万円(同社直近決算期(平成13年12月)末現在の為替レートによる換算)、IRR=32.16%(同直近決算期末現在))の成功報酬払戻見積額2,416百万円を計上しております。

 

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高が12,842百万円(前連結会計年度20,891百万円)と前連結会計年度に比べ8,048百万円(前年同期比38.5%減)の減収となりました。また、営業利益は3,349百万円(前連結会計年度14,415百万円)と前連結会計年度に比べ11,065百万円(同76.8%減)、経常利益は3,257百万円(前連結会計年度14,887百万円)と前連結会計年度に比べ11,629百万円(同78.1%減)減少し、当期純損失は1,840百万円(前連結会計年度は当期純利益8,164百万円)となりました。

 

[2] 業務別収益の状況

<業務別収益の状況>

 

前連結会計年度

自 平成12年10月1日

至 平成13年9月30日

当連結会計年度

自 平成13年10月1日

至 平成14年9月30日

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

産業インキュベーション事業

19,822

94.9

9,913

77.2

 

内訳

 

 

 

 

 

投資事業組合等管理収入

19,389

 

5,706

 

 

 

内訳:管理報酬

6,015

 

5,461

 

 

 

成功報酬

13,269

 

 

 

 

設立報酬

105

 

245

 

 

営業投資有価証券売上高

433

 

4,206

 

不動産ファンド事業

2,092

16.3

コンサルティング業務等

895

4.3

373

2.9

投資顧問業務

172

0.8

463

3.6

合計

20,891

100.0

12,842

100.0

 (注) 記載金額の百万円未満を切り捨てて表示しております。

 当企業グループは、産業インキュベーション事業を主事業としております。

 当連結会計年度では、全セグメントの売上高の合計、営業利益及び全セグメントの資産の金額の合計額に占める他の事業の割合が10%を超えたため、事業の種類別セグメント情報の記載を行いました。

 なお、各セグメントの状況を含めた、業績内容は以下のとおりであります。

 

<売上高>

(投資事業組合等管理収入)

 投資事業組合等管理収入はファンドの設立時におけるファンド募集基金に一定の割合を乗じて算定される設立報酬、ファンドの当初出資金又は純資産価額等に一定の割合を乗じて算定される管理報酬及びファンドの運用成績により収受される成功報酬より構成されております。

 当連結会計年度におきましては、管理報酬が5,461百万円(前年同期比9.2%減少)となっております。

 当該減少の主な要因は、ソフトバンク・インターネットテクノロジー・ファンド(1号、2号及び3号:当初出資金総額150,500百万円)等の純資産価額等が減少したためであります。なお、前連結会計年度の成功報酬は、平成12年12月を決算期とする当社ファンドの一つであるソフトバンクベンチャーズ匿名組合において高い運用成績を残したことによるものであります。また、当連結会計年度の設立報酬245百万円(前年同期比133.4%増加)には、企業再生ファンド一号投資事業有限責任組合等による設立報酬が計上されております。

 

(営業投資有価証券売上高)

 キャピタルゲインを目的とした保有株式等(営業投資有価証券)を売却した場合、売却価額は営業投資有価証券売上高として計上されております。また、当企業グループが運営するファンドへ当社又は連結子会社が出資(営業出資金)した場合、ファンドの決算に基づき、ファンドで計上された売上高の出資割合相当額が当社の営業投資有価証券売上高として計上されております。

 当連結会計年度におきましては、営業投資有価証券売上高が4,206百万円(前年同期比871.1%増加)となっております。

 

(不動産ファンド事業売上高)

 当連結会計年度において不動産ファンド事業売上高が2,092百万円計上されております。このうち、販売用不動産売上高が2,061百万円(前連結会計年度は計上なし)計上されておりますが、当該売上高は、株式会社エスビーアイ不動産での不動産売却によっております。

 

(コンサルティング業務等収入)

 当連結会計年度におきましては、コンサルティング業務等収入は373百万円(前年同期比55.6%減少)となりました。当該減少の主な原因はコンサルティング会員数の減少及び価格体系の変更によるものであります。

 なお、当連結会計年度末の契約先企業数は52社(前連結会計年度末79社)となっております。

 

(投資顧問業務収入)

 当連結会計年度において投資顧問料収入が463百万円(前年同期比168.2%増加)計上されております。当該収入は平成13年4月に買収したソフトバンク・アセット・マネジメント株式会社及び平成13年6月に買収したあおぞらアセットマネジメント株式会社(両社は平成14年5月に合併しエスビーアイ・アセット・マネジメント株式会社へ商号変更)で計上されたものであります。

 

<売上原価>

(営業投資有価証券売上原価)

 キャピタルゲインを目的とした保有株式等(営業投資有価証券)を売却した場合、売却コストは営業投資有価証券売上原価(評価損が計上される場合にはこれを含む)として計上されております。また、当企業グループが運営するファンドへ当社又は連結子会社が出資(営業出資金)した場合、ファンドの決算に基づき、ファンドで計上された売上原価(評価損が計上される場合にはこれを含む)の出資割合相当額が当社の営業投資有価証券売上原価として計上されております。

 当連結会計年度におきましては、営業投資有価証券売上原価が2,720百万円(前年同期比71.2%増加)となっております。当該増加の主な原因は、当連結会計年度において営業投資有価証券を売却したことによっております。

 

(投資損失引当金繰入額)

 投資損失引当金は期末現在に有する営業投資有価証券の将来の損失に備えるため、投資先会社の実情を勘案の上、その損失見積額を計上しております。

 当連結会計年度におきましては、919百万円(前年同期比8.2%減少)となっております。この主なものはファンドの決算に基づき計上された損失見積額であります。

 

(不動産ファンド事業売上原価)

 当連結会計年度において販売用不動産売上原価が1,468百万円(前連結会計年度は計上なし)計上されております。当該売上原価は、株式会社エスビーアイ不動産での不動産売却によっております。

 

(その他売上原価)

 その他売上原価には主にベンチャーキャピタル投資業務及びコンサルティング業務に関するコストが計上されております。

 当連結会計年度におきましては2,684百万円(前年同期比18.9%増加)となっております。当該増加の主な原因は、平成13年4月以降に連結対象となった関係会社の諸経費が合算されていることによるものであります。

 その他売上原価の主なものは人件費であり、当連結会計年度計上額の41.7%を占めております。当連結会計年度におきましては、1,120百万円(前年同期比7.7%増加)となっております。

 

<販売費及び一般管理費>

 当連結会計年度におきましては1,699百万円(前年同期比4.4%増加)となっております。販売費及び一般管理費の主なものは人件費であり、当連結会計年度計上額の65.0%を占めております。当連結会計年度におきましては、期中人員の増加に伴う人件費の増加等により1,104百万円(前年同期比34.0%増加)となっております。

 

<営業外損益>

 営業外損益は純額で当連結会計年度92百万円の損失(前連結会計年度は472百万円の利益)となっております。

 

<特別損益>

 特別損益は純額で当連結会計年度2,454百万円の損失(前連結会計年度は17百万円の利益)となっております。

 なお、当連結会計年度の特別損失には、連結子会社であるソフトバンクベンチャーズ(株)における成功報酬払戻見積額2,416百万円を計上しております。当該見積はソフトバンクベンチャーズ(株)が運用するファンドの契約満了を控え、投資先の再評価を実施したところ、昨今の世界的な市場環境の悪化を受けてファンド契約に基づく成功報酬の一部払戻しの可能性が認められたことから計上いたしました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度の現金流入額が1,891百万円、前連結会計年度の現金流入額が1,403百万円であり、488百万円の増加となりました。主な原因は、前連結会計年度において、税金等調整前当期純利益では14,905百万円を計上したものの、営業投資有価証券及び営業出資金の増加が6,379百万円、法人税等の支払が10,308百万円であったのに対し、当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益は803百万円であったものの、営業投資有価証券及び営業出資金の増加は1,565百万円にとどまり、また法人税等の還付額が374百万円あったこと等によっております。

 

 投資活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度の現金流出額が1,401百万円、前連結会計年度の現金流出額が590百万円であり、811百万円の減少となりました。主な原因は、前連結会計年度においては、投資有価証券の売却による収入が517百万円であったのに対し、当連結会計年度は30百万円にとどまり、また連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出も、前連結会計年度は206百万円であったのに対し、当連結会計年度は844百万円に達したこと等によっております。

 

 財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度の現金流出額が3,128百万円、前連結会計年度の現金流出額が1,400百万円であり、1,727百万円の減少となっております。主な原因は、前連結会計年度において短期借入金の純減少額が10,500百万円であった一方、新株発行による収入が11,065百万円となっているのに対し、当連結会計年度においては、前連結会計年度ではなかった自己株式取得による支出が634百万円、配当金支払額が1,868百万円となっていること等によっております。

 

 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は前連結会計年度末に比べて2,675百万円減少し、10,246百万円となっております。