3【対処すべき課題】
当企業グループは、金融業界の各業態間の垣根の崩壊と総合金融グループ形成の流れ、及び金融機能の分離とアウトソーシングの進展といった金融業界における近未来像を見据えて、各コアビジネス相互間のシナジーを一層高めつつ、成長ポテンシャルの高い事業領域へ積極的に進出することにより、将来求められる総合金融グループの具現化を推進してまいります。
アセットマネジメント事業においては、引き続きファンド募集を通じて成長性が高いと思われる企業等への投資活動を拡大する予定であります。具体的には、ブロードバンドファンド、コンテンツ・メディアファンド、企業再生ファンド、バイオファンド等を通じて、今後の成長分野であるブロードバンド関連企業、早期再生が見込まれる企業、バイオ関連のベンチャー企業等への投資を行う計画であります。このような事業展開において、当企業グループは今後もグループ内外のリソースを積極的に活用し、早期に投資先の企業価値等を高め、ファンドのパフォーマンスを向上させることにより、当事業の一層の拡大を図ってまいります。
ブローカレッジ&インベストメントバンキング事業においては、今後他社との競争が一層激化することが予想される中で持続的な成長を実現するために、引き続き商品・サービスの向上を図るとともに、既存事業の拡充と収益源の多様化が不可欠な状況となっております。さらに、当企業グループ傘下の証券子会社である、イー・トレード証券株式会社、ワールド日栄フロンティア証券株式会社、エース証券株式会社及びE*TRADE KOREA CO.,LTD.の各社が、各社業務システムの集約化と効率化を推進し、それぞれの強みを活かしながら「ネット」と「リアル」の融合を図りシナジー効果を極大化させる必要があります。
ファイナンシャル・サービス事業においては、グループ内企業との強力なシナジー効果を生みだす事業分野への進出や、非金融分野へのサービス拡大を検討しております。具体的には、証券業務との高い親和性を有する銀行業務への進出、ミドルリスクに焦点を当てた消費者および事業者ローン事業やカード事業の展開、金融商品を中心としたマーケットプレイス事業の非金融分野への拡大などです。また、革新的な金融サービスを提供する「金融イノベーター」として事業を展開する上では、信頼と信用の証としてのブランドを早期に確立することが重要であると考えております。グッド住宅ローン株式会社(平成17年5月9日にSBIモーゲージ株式会社に商号変更)では、最低金利水準の全期間固定金利型住宅ローンを提供する会社としての認知度を急速に高めつつあり、顧客獲得における強力な差別化要因として着実にローン実行残高を伸ばしております。
また、当企業グループを通じた課題として、事業の急速な拡大に伴ってますます専門化・高度化する業務に対して、外部からの優秀な人材の確保と内部の人材育成を通じて、投資判断能力や顧客へのサービス提供能力を高めるなど、人的リソースの継続的な向上を図ることが重要となってきております。したがって、さまざまな採用活動とOJT・社内教育等による社員のレベルアップを進めてまいります。採用については、当企業グループとして初めて本格的な大学新卒者採用を予定しており(平成18年4月入社見込み)、社員の能力開発については、「キャリアオープン制度」、「社内公募制度」、「自己申告制度」等を通じて社員個々によるキャリア開発を促進すると共に、人材を適材適所に配置し組織の活性化を図っております。
4【事業等のリスク】
当企業グループの事業その他に関するリスクについて、投資判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、必ずしもかかるリスク要因に該当しないと思われる事項についても、積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。当企業グループは、これらの潜在的なリスクを認識した上で、その回避ならびに顕在化した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、本項には将来に関する事項が含まれますが、当該事項は有価証券報告書提出日(平成17年6月29日)現在において判断したものであります。
<アセットマネジメント事業>
(1) ベンチャー企業及び再生企業への重点投資について
当企業グループ及び当企業グループが運営するファンドからの投資先はベンチャー企業や企業再生のためのリストラクチャリングを必要とする企業が多く含まれます。これらの企業は、その将来性において不確定要因を多く含む傾向が強く、今後発生し得る様々な要因により投資先の業績に影響を受ける可能性があります。かかる要因には以下のものを含みますが、これらに限定されるわけではありません。
[1] 政治・経済・産業等の状況や投資先の内部要因(開示されていないオフバランスシート負債等)のような当企業グループがコントロールできない外的要因
[2] 急激な技術革新の進行や業界標準の変化及び投資先企業における競合の発生・激化
[3] 新規公開を含む株式市場全般の動向
[4] 投資先における優秀な経営者・人材の確保
[5] 投資先の財務基盤の弱さ
(2) 業績の変動について
当企業グループにとって保有株式の売却によるキャピタルゲインが業績に与える影響は極めて大きく、経済環境や新規公開を含む株式市場全般の動向等に大きく影響を受け、これら当企業グループのコントロールの及ばない外部要因により業績が大幅に変動し、当企業グループの事業全体の展望に大きな影響を与える可能性があります。
(3) 競合について
ベンチャー投資や企業再生型の投資事業は新規参入を含めた競合が激しい分野であり、国内外の金融機関・事業会社等による多数のファンドが設定される状況下、当企業グループの競争力が将来にわたって維持できる保証はありません。競合優位を維持・向上させる施策にもかかわらず、画期的なサービスを展開する競合他社の出現や競合先同士の合併・連携その他の結果、当企業グループが企図する十分な規模のファンド募集を適当な時機に実施できない、あるいは投資実行において十分な収益を獲得できる単価・金額規模での投資が実施できない等の結果、当企業グループの収益が低下する等の影響が生じる可能性があります。
<ブローカレッジ&インベストメントバンキング事業>
(1) 競合について
株式等の委託売買業務を行う証券会社間での競争は激化しており、今後、他業種や外資系企業の新規参入など、より厳しい競争が予想されます。また、競争の激化に伴い、新たに顧客を獲得するために必要な1人当たりの限界費用が増加することなどにより、当企業グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) 株式市場の動向などの外部要因について
当企業グループの営業収益の多くを占める株式委託売買手数料は、株式市場全体の売買高等の動向に強い影響を受けます。株式市場は企業収益、為替・金利動向、国際情勢、世界主要市場の動向、ならびに投資家心理等の様々な要因の影響を受け、一般的に株価が下落すると売買代金も縮小する傾向があります。今後、株式市場が活況を続ける保証はなく、株価の下落とともに売買高が減少した場合、当企業グループの業績に悪影響を与える可能性があります。また、政府は証券市場にかかわる制度改革を推し進めており、将来における法改正等の内容によって当企業グループの業績が大きな影響を受ける可能性があります。
(3) 信用取引について
当企業グループの収益源のひとつである信用取引においては、顧客への信用供与に伴うリスクが顕在化する可能性があります。すなわち、顧客が信用取引で損失を被ったり、代用有価証券の担保価値が下落するなどした場合、証券会社に対して顧客が預託する担保価値が充分でなくなる可能性があります。当企業グループは信用取引にかかる資金調達を主に証券金融会社からの借入で行っておりますが、市況の変動によって、証券金融会社に差入れた有価証券等の担保価値が低下した場合、追加の担保の差入れを求められることがあり、そのための借入等は当企業グループが独自に行う必要があります。
(4) システムリスク
当企業グループはオンライン証券最大の顧客口座数を有するイー・トレード証券株式会社を傘下に有しております。同社において顧客中心主義に基づいた満足度の高いオンライン取引のシステムを追求した結果、平成15年7月にオンライン証券で初めて「リナックスを基本ソフトウェア(OS)とした新オンライン取引システム」を、株式会社野村総合研究所(以下、NRI)と共同開発し、リリースいたしました。しかしながら、オンライン取引システムに関しては、ハードウェア・ソフトウェアの不具合、人為的ミス、通信回線の障害、コンピュータウィルス、サイバーテロのほか、自然災害等によってもシステム障害が発生する可能性があります。当企業グループでは、かかるシステム障害リスクに備え、365日24時間体制の監視機能、基幹システムの二重化、複数拠点におけるバックアップサイト構築等の対応を実施しておりますが、これらの対策にもかかわらず何らかの理由によりシステム障害が発生し、かかる障害への対応が遅れた場合、または適切な対応ができなかった場合には、障害によって生じた損害の賠償を求められたり、当企業グループのシステム及びサポート体制に対する信頼が低下し、結果として相当数の顧客を失うなどの影響を受ける可能性があります。
(5) 顧客情報のセキュリティについて
当企業グループの事業にとって、第三者による顧客データの不正取得や改変等による被害の防止は極めて重要であります。当企業グループにおいては、厳格な顧客情報管理のルールに基づいて、十分なセキュリティ対策を講じており、過去に不正な証券取引注文、重要な顧客データの漏洩または破壊等が起こった事実は認識しておらず、これらに伴う損害賠償を請求されたことはありません。しかし、今後顧客情報管理における問題が生じた場合、当企業グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(6) 法的規制について
[1] 証券業登録について
当企業グループは証券業を営むにあたり、証券取引法第28条に基づく「証券業」登録を受けております。また、当企業グループは東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所及び福岡証券取引所の総合取引参加者等であります。今後とも内部管理・リスク管理の面において法令その他証券取引所規則等の遵守に万全を図る必要があります。
[2] 自己資本規制比率について
証券会社には、証券取引法及び証券会社の自己資本規制に関する内閣府令に基づき、自己資本規制比率の制度が設けられています。自己資本規制比率とは、固定化されていない自己資本の額の、保有する証券価格変動、その他の理由により発生し得るリスク相当額の合計に対する比率をいいます(証券取引法第52条1項)。証券会社は自己資本規制比率が120%を下回ることのないようにしなければならず(同法第52条2項)、金融庁長官は証券会社に対しその自己資本規制比率が120%を下回るときは、業務方法の変更等を命ずること、また100%を下回るときは3ヶ月以内の期間、業務の停止を命ずることができ、さらに業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ回復の見込みがないときは証券業の登録を取り消すことができるとされています(同法第56条の2、第194条の6第1項)。また、証券会社は四半期ごとにこの自己資本規制比率を記載した書面を作成し、3ヶ月間すべての営業所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならず(同法第52条3項)、これに違反した場合には罰則が科されます(同法第198条の5第3号)。
[3] 顧客資産の分別保管・投資者保護基金について
証券会社は、顧客資産が適切かつ円滑に返還されるよう顧客から預託を受けた有価証券及び金銭につき、自己の固有財産と分別して保管することを義務付けられています。ただし、信用取引により買い付けた株券等及び信用取引によって株券等を売りつけた場合の代金については、このような分別保管の対象とはなっておりません。また、証券会社は投資者保護のために証券取引法に基づき政府が承認した投資者保護基金に加入することが義務付けられており、当企業グループは日本投資者保護基金に加入しております。投資者保護基金の原資は基金の会員である証券会社から徴収される負担金であり、日本投資者保護基金は、基金の会員証券会社が破綻した場合には投資家が破綻証券会社に預託した証券その他顧客の一定の債権について上限を1,000万円として保護することとなっております。
<ファイナンシャル・サービス事業>
(1) 新規参入及び競合について
インターネットを使った保険・ローンなどの比較・検索市場を運営するにあたっては、初期の設備投資が比較的少額ですむこと及び少人数運営が可能であること等から、新規参入者の登場は否定できず、競争の激化が当企業グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
また、グッド住宅ローン株式会社(平成17年5月9日にSBIモーゲージ株式会社に商号変更)が運営する住宅ローン事業においては、民間金融機関が多様な商品を開発し始めているほか、平成15年6月に公布・施行された改正住宅金融公庫法により、住宅金融公庫は民間の金融機関の住宅ローン債権を買い取って投資家に住宅ローン債権として販売する証券化支援業務を開始しており、民間銀行、ノンバンク、新規参入企業等が当該手法を活用して長期固定金利の住宅ローン商品の提供を開始しております。これらの住宅ローン市場の競争の激化や住宅金融公庫の証券化支援プログラムの出現はグッド住宅ローン株式会社の優位性を損なわせ、当企業グループの連結業績に影響を与える可能性があります。 
(2) 事業環境の変化による影響について
 [1] 金利情勢の変動による影響について
ウェブリース株式会社(平成17年6月1日にSBIリース株式会社に商号変更)はリース資産の購入資金の多くを借入金により調達しております。金利情勢の変動により借入金の金利が高騰した場合は、ウェブリース株式会社の業績、ひいては当企業グループの連結業績に影響を与える可能性があります。また、グッド住宅ローン株式会社におきましても、金利情勢の変動により住宅ローン市場全体の金利が急激に高騰した場合、新規の住宅購入予定者が減少するほか、住宅ローンの借換え検討者がメリットを享受できなくなることにより借換えの実施を見送る可能性があり、その場合グッド住宅ローン株式会社の業績、ひいては当企業グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
 [2] 住宅建設の動向による影響について
グッド住宅ローン株式会社は、消費者が住宅を新規に建設又は購入する際の住宅ローン融資を主な事業としているため、新規の住宅建設の動向(新設住宅着工件数)などの外部要因によって住宅ローンの取扱高が変動し、グッド住宅ローン株式会社の業績、ひいては当企業グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
(3) システムダウン、災害等について 
コンピューターシステムについてバックアップシステムの構築などの対策を講じておりますが、地震や水害等の大規模広域災害、火災等の地域災害、コンピューターウイルス、電力供給の停止、通信障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止など現段階では予測不可能な事由により、コンピューターシステムがダウンした場合、当企業グループの事業に重大な影響を与える可能性があります。 
(4) 顧客情報の保護について 
顧客情報の流出や不正アクセス行為による被害の防止は当企業グループの事業にとって重要であります。当企業グループにおいては、これらの動向に注意し、顧客の利益が侵害されないようセキュリティ対策を講じて顧客情報保護に細心の注意を払っております。また、過去に顧客情報の漏洩や破壊等が起こった事実は認識しておらず、また情報漏洩等により損害賠償を請求されたこともありません。しかし、今後顧客情報の漏洩などがあった場合、法的責任を問われる可能性があるほか、当企業グループの信用が低下する可能性があり、結果として当企業グループの業績に影響を与える可能性があります。 
<その他>
(1) 事業再編等
当企業グループは、金融業界に革命を起こす「金融イノベーター」として、常に自己進化(「セルフエボリューション」)を続けていくことを基本方針の一つとしております。今後も当企業グループが展開する金融事業分野とのシナジー効果が期待できる事業へのM&A(企業の合併・買収)を含む積極的な業容拡大を進めて参りますが、事前の十分な投資分析・精査等の実施にもかかわらず、これらの事業再編・業容拡大等がもたらす影響について、必ずしも当企業グループが予め想定しなかった結果を生じる可能性も否定できず、結果として当企業グループの業績にマイナスの影響を与える可能性があります。
(2) ソフトバンクグループとの連携
当社は、平成17年2月まではソフトバンク株式会社の100%子会社であるソフトバンク・ファイナンス株式会社(平成17年6月28日にソフトバンク・エーエム株式会社に商号変更)が40%以上の議決権を所有する連結子会社でありましたが、平成17年3月の公募増資及び第三者割当増資により、ソフトバンク・ファイナンス株式会社における当社株式の所有比率が低下した結果、当連結会計年度末ではソフトバンク株式会社及びソフトバンク・ファイナンス株式会社の持分法適用関連会社となりました。しかしながら、ソフトバンク株式会社及びソフトバンク・ファイナンス株式会社の業績や評価が当企業グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) キーパーソンへの依存
当企業グループの経営は、当社代表取締役CEOである北尾吉孝をはじめとする強力なリーダーシップを持ったマネジメントに依存しており、現在の経営陣が継続して当企業グループの事業を運営できない場合、当企業グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 従業員
当企業グループは強力なリーダーシップを持ったマネジメントのもとで、優秀な人材を採用して参りましたが、今後継続的に優秀な人材の採用ができない場合には、当企業グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
1. E*TRADE KOREA CO.,LTD.の株式取得(子会社化)
 大韓民国(以下、韓国)に本社をおくE*TRADE KOREA CO.,LTD.(本社:韓国ソウル特別市)を同社の主要株主であるLG証券株式会社(本社:韓国ソウル特別市)他から買収し、同社を子会社化(持ち株比率87.0%)いたしました。
 なお、当社が保有するE*TRADE KOREA CO.,LTD.の全株式を、同じく当社の連結子会社であるイー・トレード証券株式会社へ平成17年3月に譲渡いたしました。
(1)株式の取得等の理由
E*TRADE KOREA CO.,LTDは、1999年12月に韓国における初のインターネット専業証券会社として設立され、韓国国内で業界最低水準となる安価な取引手数料を提供し、着実にその業容を拡大してまいりました。特に、先物・オプション取引といった派生商品の取引が非常に活発に行われている韓国において、先物・オプション専用の新システムの提供を行うなど、株式の現物取引のみならず、先物・オプション取引にも積極的にサービス提供を展開し、同取引においても非常に高い評価を得ております。
 また、2002年3月期より直近決算期を含め3期連続で黒字化を達成するなど、既に確固たる収益基盤を確立しており、前期の営業収益は前年対比で約28%の増収と高成長を維持しております。
 当社は、今般、LG証券他株主よりE*TRADE KOREA CO.,LTD.を買収し、同社に対して当社子会社のイー・トレード証券株式会社が日本の株式市場において培ってきた経営ノウハウを提供することで、さらなる事業拡大とそのスピードを加速させてまいります。今後は、同社をオンライン証券から総合証券会社へと成長させてまいります。その上でイー・トレード証券との連携による日韓クロスボーダーのブローカレッジ業務、アンダーライティング業務の展開、およびシステム統合を進めながらE*TRADE KOREA CO.,LTD.の速やかな株式公開を支援してまいります。
(2)異動する子会社の概要
[1]商号      E*TRADE KOREA CO.,LTD.
[2]代表者     代表取締役 イ・ソクヨン
[3]本店所在地   ソウル特別市永登浦区汝矣島洞27-1 韓国投資信託ビル15階
[4]設立年月日   1999年12月15日
[5]事業内容    インターネットを通じたオンライン証券業
(3)株式取得の概要
[1]取得株式数     5,220,000株
[2]取得日       平成16年6月10日及び平成16年6月17日
[3]株式の取得先    LG証券株式会社他2,820,000株、ソフトバンク株式会社2,400,000株   
[4]取得価額総額    22,185百万韓国ウォン(1株当たり4,250韓国ウォン)
2. モーニングスター株式会社の株式取得(子会社化)
   モーニングスター株式会社(東京都港区、大証ヘラクレス市場上場:コード4765)の株式について、平成16年7月29日付で同社の大株主であるソフトバンク・ファイナンス株式会社から保有株式(32,968株、発行済株式の50.41%)の全部を譲り受け、同社を子会社化いたしました。
(1)株式の取得等の理由
ソフトバンク・ファイナンスグループ企業の企業価値を当企業グループに集約し、グループの総合金融サービスをより強固な企業集団内で展開することが、当企業グループ全体の企業価値の増大に資するものと考え、モーニングスター株式のソフトバンク・ファイナンス株式会社からの譲受を行うものであります。
 当社がモーニングスター株式会社を傘下に置くことにより、金融分野においてより広範な事業基盤を構築し、収益の安定化を促進させるとともに、モーニングスターグループが持つ各種金融商品やインターネットサイトに関する比較・評価情報サービス、個人や法人に対する資産運用・従業員教育に関する助言・コンサルティングサービスを引続き推進し、当企業グループが目指す総合金融サービスを一層拡充することができるものと考えております。
(2)異動する子会社の概要
[1]商号      モーニングスター株式会社
[2]代表者     代表取締役社長 朝倉 智也
[3]本店所在地   東京都港区六本木一丁目6番1号
[4]設立年月日   平成10年3月27日
[5]主な事業内容  国内・海外の投資信託を中心とした投資情報サービスの提供
(3)株式取得の概要
[1]取得株式数     32,968株
[2]取得日       平成16年7月29日
[3]株式の取得先    ソフトバンク・ファイナンス株式会社   
[4]取得価額総額    7,084百万円(1株当たり214,895円)
3. エース証券株式会社株式の公開買付けおよび同社の子会社化
    当社は、エース証券株式会社の普通株式に対する公開買付けを平成16年7月15日から平成16年8月5日にかけて実施し、公開買付けの結果、エース証券株式会社は平成16年8月11日付で当社の子会社(持ち株比率55.9%)となりました。
(1)株式の取得等の理由
エース証券株式会社の有する関西圏を中心とした営業ネットワークを最大限に活用することで、当企業グループの証券関連事業における対面営業の事業基盤を飛躍的に拡充し、さらには当企業グループの中核事業であるインベストメントバンキング、アセットマネジメント、ブローカレッジの各事業における積極的な事業展開を推進していくことを企図するものであります。
 また、同社と当社の証券子会社が展開する証券関連事業との相乗効果を極大化するとともに、相互の業務システム等の積極的な効率化を推進することにより、より付加価値の高い金融サービスを提供してまいります。
(2)異動する子会社の概要
[1]商号      エース証券株式会社
[2]代表者     取締役社長  乾 裕
[3]本店所在地   大阪市中央区本町二丁目6番11号
[4]設立年月日   昭和6年2月21日
[5]主な事業内容  証券業
(3)公開買付けの概要
[1]買付けを行った株券等の種類 普通株式
[2]公開買付け期間       平成16年7月15日から平成16年8月5日まで(22日間)
[3]買付け価格         1株につき金215円   
[4]買付け株式の総数      20,603,700株
[5]買付けに要する資金     4,429百万円
6【研究開発活動】
 該当事項はありません。
7【財政状態及び経営成績の分析】
1.重要な会計方針及び見積り
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当企業グループの経営者は、連結財務諸表の作成に関し、決算日における資産・負債の報告数値および報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価および収入・費用の報告数値についての判断の基礎となりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。当企業グループは、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。以下を含む重要な会計方針については連結財務諸表作成の基本となる重要な事項の「4.会計処理基準に関する事項」を参照ください。
 (1) 営業投資有価証券、トレーディング商品及び投資有価証券の評価
 当企業グループにおいて投資は重要な位置を占めており、投資の評価にあたっては重要な判断と見積りがなされております。
 アセットマネジメント事業において、投資育成目的の営業投資有価証券を保有しております。これらは主に未公開企業であり期末現在に有する営業投資有価証券の損失に備えるため、投資先会社の実情を勘案の上その損失見積額を計上しております。特に業績が著しく悪化した投資先においては、将来の回復可能性を考慮しマネジメントの判断により公正価額まで減損を計上することとしています。
 ブローカレッジ&インベストメントバンキング事業において、市場性のあるトレーディング商品を保有しております。これらは市場価額で公正に評価し評価差額を当期の損益に計上しております。
 また、当企業グループでは投資有価証券も保有しており、市場性のあるものは市場価額で、未公開のものは投資先会社の実情を勘案の上その損失見積額を計上しております。市場性のあるものでその市場価額が取得価額の50%未満となった場合、将来の回復可能性を考慮し公正価額まで減損を計上することとしています。
(2) 繰延税金資産
 財務諸表と税務上の資産負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。
 評価性引当額は、将来税務上減算される一時差異及び繰越欠損金などについて計上した繰延税金資産のうち、実現が不確実であると考えられる部分に対して設定しています。繰越欠損金については、将来5年間に回収可能な金額を限度として繰延税金資産を計上することが認められており、当企業グループにおける繰延税金資産も当該期間内での回収可能性を前提に計上しております。
 将来の税金の回収予想額は、当企業グループ各社の将来の課税所得の見込み額に基づき各社で算出されます。評価性引当額差引後の繰延税金資産の実現については、十分な可能性があると考えておりますが、将来の課税所得の見込額の変化により、評価性引当額が変動する場合があります。
2.当連結会計年度の経営成績の分析
アセットマネジメント事業では、産業クリエーターとしてIT(情報技術)分野を軸とした21世紀の中核的産業の創造及び育成を担うリーディング・カンパニーになるといった経営理念のもと、主に当企業グループが運営するファンド(以下、「当社ファンド」)を通じて投資先企業へのリスクキャピタルの供給、税務・財務管理の支援サービスや株式公開等に関するコンサルティングサービスの提供及び役職員の派遣を含む総合的な支援を継続しております。また、投資先企業間の業務・資本提携等のアライアンスを推進し、当企業グループのネットワーク及び株式公開支援ノウハウを活用し、投資先企業のさらなる企業価値増大の促進により、ファンドの投資成果向上を図っております。
平成12年3月に当初出資金1,505億円で設立した当社の旗艦ファンドであるソフトバンク・インターネットテクノロジー・ファンド(以下、「ITファンド」)の本格的収穫期が到来し、平成19年6月迄の2年間の運用期限延長を決定いたしました。平成17年3月末時点での同ファンドが保有する時価を有する株式の含み益は713億円となり、投資残高、累計配当金を含む現預金等及び含み益の合計額は1,833億円となりました。また、当連結会計年度にブロードバンドファンド、コンテンツ・メディアファンド等を設立し、今後の成長分野であるブロードバンド関連企業等への投資を行う計画であります。当期中の当社ファンドからの投資実績額は168億円、新規公開またはM&Aにより公開株式となった投資先企業は19社となりました。
ブローカレッジ&インベストメントバンキング事業は、主にイー・トレード証券株式会社、ワールド日栄フロンティア証券株式会社、及びエース証券株式会社から構成されております。当連結会計年度においては、韓国において初のインターネット専業証券会社として設立されたE*TRADE KOREA CO.,LTD.、関西圏を中心とした営業ネットワークを有するエース証券株式会社を新たに傘下に加え、グループ全体で「ネット」と「リアル」のそれぞれのリソースを最大限に活用することで、当企業グループの中核事業であるインベストメントバンキング、アセットマネジメント、ブローカレッジの各事業基盤を飛躍的に拡充し、さらにはプライベートバンキング業務における積極的な事業展開を推進しております。
証券市場の活況に伴い、各証券子会社の業績は好調に推移いたしました。イー・トレード証券株式会社においては、過去最高の業績を達成いたしました。当企業グループの証券ビジネスは、預り資産3兆1,366億円、証券口座数781,107口座、1日当たり平均売買代金1,942億円と大手証券会社と肩を並べる程の規模になっております。
ファイナンシャル・サービス事業は、インターネットを介し様々な金融商品の比較・検索市場を提供するマーケットプレイス事業、住宅ローンやリース等の金融商品を提供するファイナンシャル・プロダクト事業、顧客に利便性の高いツールを提供するファイナンシャル・ソリューション事業に加え、ミドルリスクの消費者金融、各種金融商品やインターネットサイトに関する比較・情報サービス等の提供を行うその他の事業より構成されております。当連結会計年度のファイナンシャル・プロダクト事業では、最低金利水準の全期間固定金利型住宅ローンを提供するグッド住宅ローン株式会社(平成17年5月9日にSBIモーゲージ株式会社に商号変更)の融資実行残高が681億円となり、着実にローン実行残高を伸ばしております。
3.経営成績に重要な影響を与える要因について
当連結会計年度において引き続き当企業グループは企業買収を含む戦略的組織再編を実施いたしました。
 平成16年7月に各種金融商品やインターネットサイトに関する比較・評価情報サービス、個人や法人に対する資産運用・従業員教育に関する助言・コンサルティングサービス等をグループの中心的収益源とするモーニングスター株式会社を子会社化いたしました。
 また、平成16年8月にグループ全体で「ネット」と「リアル」の営業チャネルを融合させながら、大手証券とも互角に競争していける体制を構築するために関西圏を中心とした営業ネットワークを有するエース証券株式会社を子会社化いたしました。
 更に平成17年3月に当社は公募増資及び第三者割当増資により、ソフトバンク・ファイナンス株式会社(平成17年6月28日にソフトバンク・エーエム株式会社に商号変更)の当社株式の議決権所有比率が38.3%まで低下し、ソフトバンク株式会社及びソフトバンク・ファイナンス株式会社の持分法適用関連会社となりました。 
4.戦略的事業展開について
アセットマネジメント事業においては、引き続きファンド募集を通じて成長性が高いと思われる企業への投資活動を拡大する予定であり、「ブロードバンド」「コンテンツ・メディア」「企業再生」「バイオ」の各分野において新たにファンドを募集する予定であります。ブロードバンド分野については、ITファンドの運用により培った投資経験を生かし、ブロードバンド関連の成長市場への投資を行ってまいります。平成17年5月には、中国経済の今後の高い成長を見込み、その経済成長力を投資収益として取り込んでいくためにシンガポールの投資会社TEMASEK Holdings (Private) Limited(テマセク・ホールディングス)の100%子会社であるMacRitchie Investments Pte Ltd と有望な中国企業を投資対象とする当初出資額1億米ドルの投資ファンド「New Horizon Fund」を共同設立することを合意いたしました。
ブローカレッジ&インベストメントバンキング事業においては、今後他社との競争が一層激化することが予想される中で持続的な成長を実現するために、引き続き商品・サービスの向上を図るとともに、既存事業の拡充と収益源の多様化が不可欠な状況となっております。更に、当企業グループ傘下の証券子会社である、イー・トレード証券株式会社、ワールド日栄フロンティア証券株式会社、エース証券株式会社及びE*TRADE KOREA CO.,LTD.の各社が、各社業務システムの集約化と効率化を推進し、それぞれの強みを活かしながら「ネット」と「リアル」の融合を図りシナジー効果を極大化させる必要があります。また、ネット証券業と最もシナジーがあると考えられる銀行分野への進出については、証券と銀行間の資金移動における手数料無料化の拡大やネット&リアルのプライベートバンキングの提供等の早期実現の必要性を強く認識しております。
ファイナンシャル・サービス事業につきましては、グループ内企業との強力なシナジー効果を生みだす事業分野への進出や、非金融分野へのサービス拡大を検討しております。具体的には、証券業務との高い親和性を有する銀行業務への進出、ミドルリスクに焦点を当てた消費者および事業者ローン事業やカード事業の展開、金融商品を中心としたマーケットプレイス事業の非金融分野への拡大などです。また、消費者および事業者ローンやカード事業等と密接な関係があり、また日本において非常に大きな参入・成長余地がある特定金銭債権の管理回収や不良債権(事業再生)ビジネス等の総合サービサー事業における事業基盤を早期に確立する必要性を認識しております。
上記に加え、当企業グループの3つのコアビジネス(アセットマネジメント、ブローカレッジ&インベストメントバンキング、ファイナンシャル・サービス)を中心とした独自の金融サービスの急成長に伴う大幅な業容拡大と軌を一にして、銀行や証券等の業態の垣根を越えた金融のコングロマリット(複合企業)化に備えた法整備が本格化するなど、当企業グループを取り巻く経営環境も大きく変化し、従来に増してグループ各社への権限委譲を含む意思決定の迅速化を図ると共に、グループ全体にわたってより強力かつ戦略的な経営判断を下すガバナンス機能の充実が必要であるという背景のもと、当企業グループ固有のより強力な統一ブランドを確立する必要性を強く認識しております。
5.資本の財源及び資金の流動性についての分析
 当連結会計年度において、平成17年3月に公募増資及び第三者割当増資により合わせて51,550百万円の資金調達を行いました。この増資を含め、当企業グループの自己資本は129,419百万円(前連結会計年度末は47,464百万円であり、81,954百万円の増加)となり、自己資本比率は17.1%(前連結会計年度末は12.0%であり、5.1%の増加)となりました。また、この増資により、ソフトバンク・ファイナンス株式会社の当社株式の議決権所有比率が38.3%まで低下し、ソフトバンク株式会社及びソフトバンク・ファイナンス株式会社の持分法適用関連会社となりました。
 当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は106,460百万円となり、前連結会計年度末の34,360百万円より72,099百万円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益が40,026百万円あったものの、法人税等の支払が9,266百万円あったことに加え、顧客分別金の増加が81,640百万円あったこと等により25,530百万円の支出(前年同期1,479百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
貸付による支出が8,437百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が2,514百万円、敷金保証金の差入による支出が2,284百万円あったものの、投資有価証券の売却収入が10,731百万円及び子会社株式の売却による収入が5,303百万円あったこと等により3,352百万円の収入(前年同期12,170百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
公募増資及び第三者割当増資等による新株発行による収入が52,480百万円あったこと、連結子会社のイー・トレード証券株式会社がジャスダック市場に上場したこと等による少数株主に対する株式の発行による収入が28,351百万円あったこと及び社債発行による収入が21,362百万円あったこと等により94,304百万円の収入(前年同期16,452百万円の収入)となりました。
 
   なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成17年6月29日)現在において当社が判断したものであります。