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ステークホルダーのみなさまへ

創業以来構築を進めてきた証券・銀行・保険を3大コア金融事業とするインターネット金融生態系が完成し、各事業間の相乗効果と相互進化によりSBIグループの2018年3月期の連結業績は収益(売上高)、利益ともに2013年3月期のIFRS適用後における過去最高を達成しました。SBIグループはインターネットと金融サービスの融合(=FinTech)に創業時から取り組み、新技術の積極的な活用によって成長を遂げてきました。そして今、AIやブロックチェーン・分散台帳技術(DLT)、ビッグデータ、IoT、ロボティクスなど新時代の先進技術の登場とその進展を追い風に、新たな次元への飛躍に向け歩み出しています。これら技術の進化に応じて、有望ベンチャー企業への「投資」、SBIグループ内への「導入」、そして業界への横断的な技術の「拡散」という3つのプロセスを遂行し、持続的な事業拡大及び社会変革を推進します。

これまでの挑戦

インターネットと金融の融合により独自の企業生態系を構築

SBIグループは1999年の創業以来、急速に普及が進むインターネットと金融サービスの親和性の高さに着目し、ITを活用した新次元のビジネスモデルを創造してきました。当初から目指してきた金融生態系❶の構築は、オンライン証券事業に始まり、銀行事業・損害保険事業に順次参入し、2016年の生命保険事業の営業開始によって完成しました。顧客利益を最優先する「顧客中心主義」の徹底と、グループ内の各事業・各企業間のシナジーの追求により、この生態系の更なる進化・深化に取り組み、グループ顧客基盤は拡大し続けています。
 新たな技術を先んじて活用することによって成長を続けてきたSBIグループにとって、AIやブロックチェーン、ビッグデータ、IoT、ロボティクスなど次世代の技術開発が次々に進展している現在は、次なる飛躍に向けた好機だといえます。そこで「FinTech 2.0への移行❷」を標榜し、完成したインターネット金融生態系上での次世代技術の活用に力を注ぎ始めました。その一環として2015年12月に、業界初となるFinTechに特化した出資約束金総額300億円のファンド「FinTechファンド」を設立し、FinTech関連企業の発掘と育成に着手しました。SBIグループでは2018年6月末時点でFinTechベンチャー企業67社に総額400億円(FinTechファンドより約240億円、SBIホールディングス等より約160億円)の投資を決定しており、今後はこれらFinTechベンチャー企業のIPOが本格化し、当社の業績拡大に大きく寄与するものと見込んでいます。
 こうしたFinTechベンチャー企業への投資は、投資先企業のバリューアップによる評価益やIPO・M&A等を通じた売却益という直接的な業績貢献だけでなく、各社が持つ先進技術をSBIグループの金融事業に取り入れサービスの拡充や業務効率の向上に結びつけることで競争力の強化を図っていきます。またこれにより、投資先企業への収益貢献を行い、結果としてSBIグループの投資利益の増加につなげることも狙っています。既に証券・銀行・保険の各事業でこうした成果が確実に上がっています。
 FinTechファンドに続く施策も用意しており、2018年1月に「SBI AI&Blockchainファンド」を設立しました。AIやブロックチェーンは、金融分野に限らず様々な産業での活用が想定される将来性の高い技術です。当初200億円規模でスタートしましたが、最終的な出資約束金総額は500億円以上に拡大しました。SBI AI&Blockchainファンドからは既に計17社へ約78億円の投資を決定しています(SBIホールディングスからの投資も合せると約119億円、2018年6月末現在)。
 21世紀の中核的産業の一つであり、SBIグループの中長期的な成長の柱になると考えているバイオ関連事業は、SBIグループの子会社である米国のクォーク社がフェーズⅢに入っているパイプラインを3つ保有し、米国NASDAQ市場への新規公開を準備中です。また香港のSBI ALApharma及びその傘下企業はアミノ酸の一種である5-アミノレブリン酸(ALA)の医薬品や健康食品、化粧品などでの活用を軸に事業を展開しています。これまでは先行投資の側面が強かったですが、開発力や商品力、販売力を着実に高めており、2019年3月期以降は安定的な利益貢献事業になると見込んでいます。

金融生態:
企業生態系とは互いに作用しあう組織や個人の基盤によって支えられた経済共同体のことを指す。SBIグループでは、インターネット時代における競争優位性を発揮するためには、このような組織形態の構築が必要と考え、証券・銀行・保険を金融サービス事業の3大コア事業とする「金融生態系」を構築。
FinTech 2.0への移行:
分散台帳技術(DLT:Distributed Ledger Technology)とブロックチェーンが進展すれば、それらをベースとするアプリケーションによる革新的な金融サービスの提供が可能となり、ブロックチェーンを中核技術とするFinTech 2.0の時代になることが予測される。SBIグループは、このFinTech 2.0時代の完全なるブロックチェーン金融生態系への移行プロセスを推進。

これからの進化

金融生態系のモバイルシフトを加速

SBIグループが、オンラインの金融サービスを提供し始めた当初、インターネットの利用手段はパソコンが主流でした。しかし現在では、外出先からもアクセスできるスマートフォンやタブレットなどでの利用がパソコンを上回っており、SBIグループの各金融サービスもモバイル利用に適したアプリケーションの開発・提供を急速に進めています。
 こうした中、以前からモバイル対応で実績のあるモーニングスターは2018年4月、仮想通貨アプリ「My仮想通貨」をリリースしました。このアプリでは、1,600以上の仮想通貨の価格情報やランキング、関連記事などの情報を提供しています。これにより、お客さまがいつでもどこでも幅広い情報を入手することができ、仮想通貨市場の健全化・信頼性向上に寄与すると考えています。

先進技術の積極的な活用で競争力を強化するとともに、グループ外企業への先進技術の拡散を推進

SBIグループが今後、新たな次元へと進化を遂げるには、従来からのスローガン「金融を核に金融を超える」が引き続き重要な考え方になります。
 金融事業における今後の進化のための施策としては、まずは金融生態系の核となる証券・銀行・保険を含む全ての金融サービス事業において、圧倒的な顧客基盤を活かして一層のシェア拡大と利益成長を進めます。
 SBIグループは、創業時から先進技術の導入を成長の推進力としてきました。AIやブロックチェーン、ロボアドバイザーなど新時代の技術についても同様に取り組み、SBIグループの提供する既存の金融サービスをお客さまのライフスタイルに一層合った、より使いやすいものにして、競合他社との差別化を図っていきます。次々に登場する新技術の中には事業の効率化に有効なものも多く、その中で私が注目している技術の一つにRPA❸があります。2016年から取り組みを始め、現在はグループを挙げてRPAの導入を加速しています。住信SBIネット銀行では、2017年1月からRPAの導入を始めて順次拡大してきました。現在では、計90業務において3種類のRPAシステムを稼働させた結果、年間約4万8,000時間相当の業務効率化に成功しました(2018年5月末現在)。今後、新たに各部署合計で200業務超にRPA導入を計画しており、5年間累計で10億円の業務コスト削減効果を見込んでいます。更にSBI損保やモーニングスター、SBIホールディングスにおいても既にRPAを導入しており、SBI証券、SBI生命、SBIインベストメントでも各種ルーティン業務の自動化を進めています。RPAやAIによる業務効率化についてはグループを超えてその導入を推進する事業会社の設立準備も始めました。
 RPAやAIをはじめとする先進技術の導入は、SBIグループに限らずあらゆる企業にとっても重要な課題だと考え、こうした先進技術の一層の拡散に向けてSBIネオファイナンシャルサービシーズ❹を設立し、FinTech関連の合弁会社などから構成される新たな生態系の構築を進めるとともに、SBIグループの出資・提携先の各種テクノロジーを活用した新商品・サービスを地域金融機関等に向けて提供していきます。例えば、地域金融機関によるFinTechの導入・支援に向けては、米Moven社❺との合弁会社を通じ、モバイル端末に特化したUI/UXを持った銀行アプリをそれぞれの地域金融機関向けに機能をカスタマイズして提供するなど、提携先金融機関における先進技術の導入を加速させていきます。

RPA(Robotic Process Automation):
ロボットによる業務自動化の取り組みを表し、AIやAIが反復によって学ぶ「機械学習」といった技術を用いて、主にバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担う。
SBIネオファイナンシャルサービシーズ
先進技術のグループ外企業への一層の拡散に向け、同社の下で、SBI FinTech Incubationのほか、モバイルバンキング送金サービス「Pay Key」を提供するイスラエルのDecentralized MobileApplications社や保険ブローカー向けに保険商品仲介アプリ「W e f o x 」を提供するスイスのFinanceApp社などのSBIグループの投資先企業との合弁会社等から構成される新たな生態系の構築を目指す。
米Moven社
SBIグループの投資先企業で、提携銀行向けにカスタマイズしたモバイル用の銀行アプリをホワイトラベル形式で提供。SBIとMoven社で出資比率7:3の合弁会社を日本で設立。

地域金融機関とのアライアンスを一層強化しSBIグループの金融分野との相乗効果を追求

新たな技術の活用によってお客さまにより便益性の高い金融サービスを提供し、社会に貢献することはSBIグループの創業以来の使命の一つです。我々は近年、地域金融機関にSBIグループが有するFinTechの技術・ノウハウ・エクスパティーズを提供することで、同金融機関の活性化を促し、ひいては地方創生の一助になるべく尽力しています。
 足元で続くマイナス金利政策や、FinTechによる金融イノベーションの進展、高齢化・人口減社会の到来など、地域金融機関は今、短期・中期・長期的な観点全てにおいて厳しい状況に置かれています。しかし、地方の衰退が進めば日本経済全体の地盤沈下につながるのは間違いありません。そこで我々は、地域金融機関の活性化に寄与し、地域住民の着実な資産形成を助け、地域の産業にも活気を与えるという、金融・住民・産業間に好循環を生むことに貢献したいと考えています。地域金融機関の商品力や資産運用力、業務効率が高まれば、そこからサービスを受ける地域住民の方たちが資産形成に向ける資金が増え消費も拡大し、地域産業の収益力が高まることで雇用や資金需要も上向くといったビッグピクチャーを思い描いています。
 既に進めている施策の一つに、SBI証券による金融商品仲介業サービスでの提携があります。2018年6月末現在で地方金融機関約30行との提携が決まりました。近年、地域金融機関でも顧客サービスの幅を広げるため証券事業への参入が相次いでいますが、商品力の不足等が大きな足かせとなっており、SBI証券との連携はこの問題を大幅に解消します。またSBI証券は、金融法人部を通じて地域金融機関の運用パフォーマンス向上に資する商品の提供にも力を注いでいます。
 こうした取り組みからは更に、SBIマネープラザ❻の共同店舗運営という新たな流れも生まれています。第1弾となったのは静岡県の(株)清水銀行で、2017年10月に浜松東支店内にSBIマネープラザとの共同店舗を併設し、地方のお客さまに証券関連商品や保険など幅広い金融商品の提案・提供を始めました。この共同店舗において同年11月から2018年3月までの5ヵ月間で、預り資産を4.3倍、収益を9.2倍に伸ばすという大きな実績を上げたことで、他の地域金融機関からの打診も増え、2018年6月には福岡県の(株)筑邦銀行との共同店舗が開設されました。加えて、SBIマネープラザでは地域金融機関の取引先企業や個人富裕層顧客向けの商品提供も強化しています。
 この他、地域金融機関とSBIグループの共同出資による資産運用会社「SBI地方創生アセットマネジメント」も新設しました。2018年6月末現在で16行が参画しています。同社には、SBIグループの資産運用ノウハウやグローバルなネットワークから得られるファンド情報、投資教育・販売サポートツールなどの資源を投入し、顧客預り資産の運用と自己資金運用の両面から地域金融機関をサポートするとともに、人材育成などにも寄与していく所存です。

SBIマネープラザ
金融サービス事業における共通インフラであり、SBIグループの対面販売部門として証券、保険、銀行預金、住宅ローンを取り扱う、対面店舗 「SBIマネープラザ」の全国展開を推進。2018年6月末現在415拠点。

運用資産の急拡大に注力

SBIグループには証券・銀行・保険を営む各社があり、これらグループ各社の運用パフォーマンスの向上が、更なる顧客満足度の向上ひいては顧客基盤の拡大をもたらすものと考えています。運用総額が増加するグループ各社に加えて提携先の地域金融機関に対しても、国内外株式や債券に限らず多様な運用商品を提供するべく、新たな運用機関の設立を推進し、資産運用サービス事業の体制強化を進めています。SBIグループの運用資産規模は、グループ内で投資運用業を営むSBIアセットマネジメント、世界最大級の債券運用会社である米PIMCO(ピムコ)社との合弁で設立したSBIボンド・インベストメント・マネジメントともに急拡大していることに加え、プライベート・エクイティについても、CVCファンドをはじめとした各種新ファンドの設立を活発化しており、2018年3月末現在で前年比1.7倍の約8,400億円に達しています。今後、M&Aや合弁会社の設立などにより1年以内に1兆円、3年以内に5兆円規模にまで広げていきたいと考えています。

着実に進む、仮想通貨などデジタルアセットへの対応

昨今、社会的にも大きな注目を集める仮想通貨などのデジタルアセットについても、SBIグループは早くから対応してきました。2016年に、仮想通貨においてビットコイン、イーサリアムに次ぐ時価総額を誇るXRPの開発を主導する米Ripple社に10%程度の出資を行うとともに、共同でSBI Ripple Asiaを設立し、デジタルアセット技術の活用に取り組んできました。具体的には国内総預金残高の約8割を占めるメガバンクや地域金融機関が参加する「内外為替一元化コンソーシアム」を創設し、ブロックチェーン・分散台帳技術(DLT)などの新技術を活用し、内国為替と外国為替を一元化し、24時間リアルタイムでの送金が可能となるインフラの構築を進めています。
 現在はSBIデジタルアセットホールディングスの傘下に、仮想通貨のマイニングを行うSBICryptoや、仮想通貨交換業のSBIバーチャル・カレンシーズ、投資業のSBIクリプトインベストメントなど、デジタルアセットに関わる生態系を構築するとともに、SBIホールディングス、SBIインベストメントやSBIクリプトインベストメントが高度な技術力を有するベンチャー企業に出資することで、この生態系の更なる強化を進めています。また同時に、デジタルアセットを基盤とするこの生態系と、既存の金融生態系とのシナジーを徹底的に追求し、顧客利益を最優先する「顧客中心主義」の徹底と顧客基盤の一層の拡大を推進していきます。
 2017年9月に仮想通貨交換業の登録を受けたSBIバーチャル・カレンシーズは、2018年6月より2万名超の口座開設の先行予約者を対象とした仮想通貨の現物取引サービス(VCTRADE)を開始し、更に2018年7月には一般の新規口座開設の受付を開始しました。業界最狭水準のスプレッドに加え、SBIジャパンネクスト証券のPTSにおいて運用実績のある、、米国の大手証券取引所NASDAQの取引システム(マッチングエンジン)を利用した世界最高水準の取引環境を提供していきます。SBI証券、住信SBIネット銀行、SBIリクイディティ・マーケット(SBI FXトレード分を含む)などからの送客を推進し、短期間での収益化を目指します。既存の圧倒的な顧客基盤から、SBIグループが仮想通貨交換業を本格的に開始すれば短期間で業界トップに躍り出ると考えています。デジタルアセット事業においても手数料を最低限に抑えるなど「顧客中心主義」を貫きます。また、仮想通貨取引で最も重要なのはウォレット等のセキュリティの確保だとの考えから、外部ベンチャー企業が手がける先進的な技術の発掘と採用に加え、セコムトラストシステムズ(株)等との提携に力を注いできました。そうした中で出資・提携した台湾のCoolBitX社やデンマークのSepior社、韓国のEverspin社などの有する有望なセキュリティ技術を取り入れ、セキュリティの面でも「顧客中心主義」を貫き、仮想通貨取引におけるセキュリティの高度化を一層推進していきます。

利益貢献事業への転換が進むバイオ関連事業

21世紀の中核的な産業の一つとして投資を続けてきたバイオ関連事業ですが、着実に成長を続け、いよいよグループへの利益貢献を果たす段階に入ろうとしています。
 自己免疫疾患などの難病に対する治療法や革新的な新薬の開発に取り組んでいるSBIバイオテックは、2019年3月期以降は赤字を脱却し、導出済みパイプラインの進展や新たなライセンスアウトにより通期業績の黒字維持を目指します。
 SBIグループ子会社で、低分子干渉RNA分野(siRNA)で優れた技術を有している米国のバイオベンチャー企業のクォーク社は、フェーズⅢの臨床試験を既に進めている創薬パイプラインが2本あり、新たにもう1本においてフェーズⅢの臨床試験を開始するなど、創薬パイプラインの臨床試験が順調に進んでいます。フェーズⅢの創薬パイプラインが3本になったことで米国NASDAQ市場への公開要件を十分に満たすため、同市場への株式公開に向けた準備に入りました。当社では2019年3月期中での上場を目指しています。
 SBIファーマやSBIアラプロモなどが手がける5-アミノレブリン酸(ALA)を用いた医薬品や健康食品、化粧品などの開発・製造・販売を行うALA関連事業も順調に伸び、2018年3月期に初の通期黒字化を達成しました。香港に拠点を置くALA関連事業の中間持株会社SBI ALApharmaの完全子会社であるフォトナミック社が開発した「Gliolan®❼」が2019年3月期下半期中に米国での販売を予定しています。また、UAEのネオファーマ社との合弁会社であるSBI Neopharmaでは世界20ヵ国以上でALA関連の健康食品の販売準備を進めるなど、世界的な展開も広がってきました。この勢いに乗り、今後も商品力や販売力の強化を通じてバイオ関連事業の収益性を高めていきます。

Gliolan®
ALAを活用した術中診断薬でフォトナミック社の販売パートナーを通じて世界40ヶ国以上での販売実績があり、日本ではSBIファーマが「アラグリオ®内用剤1.5g」として販売。米国では「Gleolan」として販売予定。

顧客価値・株主価値・人材価値の好循環を生み出して企業価値を高める

中長期的な企業価値の向上と株主還元の拡充

SBIグループでは、企業価値は顧客価値の創出を土台に、株主価値及び人材価値を加えた3つの価値が相互に連関する好循環を生むことによって増大していくと認識しています。顧客価値の増大は業績の向上につながり、株主価値が高まり、より優秀な人材が集まるようになって人材価値の向上にも結びつくという考えです。この好循環を持続させ、中長期的な企業価値の向上を目指します。
 SBIグループは、配当金総額と自己株式取得の合計額によって算出される総還元性向について、40%を下限とした株主還元を基本方針にしています。これに基づいて2018年3月期の年間配当総額は年間85円で、総還元性向は40.1%となりました。
 なお、株主還元に関する2019年3月期以降の新たな方針としては、配当金総額と自己株式取得の合計額により算出される総還元額は、親会社所有者に帰属する当期利益の40%を下限としますが、キャッシュ・フローを伴わない営業投資有価証券の公正価値評価損益の総額が連結税引前利益に占める水準によっては、連結税引前利益から公正価値評価損益の総額を控除する等の調整を行ったうえで還元額を決定することとしました。これは事業環境が変わる中、新たな領域への挑戦と、株主の皆さまへの利益還元を両立しながら企業価値を向上させるためのものとご理解いただければ幸いです。

中長期的ビジョンの進捗と見直し

SBIグループは2017年7月に中長期的なビジョンを発表しましたが、2018年3月期の好業績を踏まえ一部を見直しました。変更の1点目は連結税引前利益の部門別構成比です。当初、金融サービス事業とアセットマネジメント事業、バイオ関連事業の連結税引前利益の構成比を「3年後に6:3:1、5年後に6:2:2」となるよう各事業の育成を図るとしていましたが、金融サービス事業の事業成長もさることながら、アセットマネジメント事業におけるSBI貯蓄銀行の増益基調やFinTech分野に先行投資を行ってきたベンチャーキャピタル事業が高い利益水準を期待できることに加え、バイオ関連事業の通期黒字化が見え始めたことなどから「3年後に5:4:1に、5年後に5:3:2」に変更し、事業の多角化を更に進めていきます。
 変更の2点目は、2017年から2~3年後に1,000億円超の達成としていた連結税引前利益ですが、2018年3月期の連結税引前利益が718億円まで積み上がったことを受け、1~2年後での達成を見据えています。
 変更の3点目は時価総額の水準です。発表当時の時価総額である約3,300億円からの倍増を目標としていましたが、2018年3月末における時価総額は6,000億円に迫っていたことから、今後の更なる事業拡大を踏まえ、時価総額1兆円を目指し更なる飛躍に向けて取り組んでいきます。併せて、従前より取り組んでいる当社の潜在的な企業価値の顕在化❽も加速化させていきます。
 SBIグループは今後も更なる高みを目指してまいります。株主、投資家の皆さまにおかれましては一層のご指導、ご支援を賜りますよう深くお願い申し上げます。

潜在的な企業価値の顕在化
グループ会社の上場を通じた潜在的企業価値の顕在化に注力しており、既述したクォーク社に加え、保険持株会社のSBIインシュアランスグループ、中間持株会社(SBIキャピタルマネジメント、SBI ALApharma)の上場を推進している。更にはグループの資産運用部門を切り離して、資産運用会社を設立するとともに、M&Aを積極的に進めることで早期に規模を拡大し、将来の株式公開を目指す。また、持分法適用関連会社についても今後、上場を推進していく。

SBIホールディングス株式会社
代表取締役社長
北尾 吉孝

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