2008年12月26日
SBIベリトランス株式会社
三井住友カード株式会社

 オンライン決済ソリューションを提供するSBIベリトランス株式会社(東京都港区 代表取締役:沖田 貴史、以下「SBIベリトランス」)と三井住友カード株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:月原 紘一)は提携し、中国本土の消費者向けにインターネット通販での銀聯カード決済を2009年1月より開始いたします。インターネット通販で銀聯カード決済を取り扱うのは、日本初、世界でも中国及び香港を除けば初めての取り組みとなります。
 併せて、SBIベリトランスは銀聯ネット決済に対応したECモールを構築し、成長する中国マーケットへのビジネス展開を図る企業に対し、物流や翻訳、ユーザー対応までトータルでサポートいたします。

中国銀聯(ちゅうごくぎんれん:China UnionPay Co.,Ltd)1. 銀聯ネット決済開始の背景
三井住友カードは、2005年12月に日本で唯一のパートナーとして中国の銀行間決済ネットワーク機関である中国銀聯(ちゅうごくぎんれん:China UnionPay Co.,Ltd)と提携し、日本への中国人旅行者向けサービスとして、日本国内における銀聯カード取扱加盟店を開拓しており、中国人旅行者の増加と旺盛な購買力を背景に、加盟店数及びその業種も大きく拡大しております。

 現在中国では、海外への旅行者の増加と同様にインターネット人口も増加しており、既に2億5,300万人(2008年6月時点)と米国を抜き世界第1位となっております。またEC市場規模(BtoC)においても2006年は前年比46%増の82億人民元となるなど(※)、今後も大きな成長が見込まれております。 

 今回、三井住友カードは中国銀聯とネット決済業務においても提携を行い、実店舗(リアル店舗)だけでなくインターネット通販(ネット店舗)でも銀聯カード決済を導入いたします。これにより、インターネットを通じて日本企業の商品・サービスを、中国本土の消費者に広く提供することが出来るようになり、成長する中国マーケットへのビジネス展開を図る企業にとっても大きな効果があるものと期待しております。
(※)出所:CNNIC(中国ネットワークインフォメーションセンター)「第22回中国インターネット発展状況統計」
経済産業省「平成19年度我が国のIT利活用に関する調査研究」

2. ECモール「バイジェイドットコム」の開設
三井住友カードの銀聯ネット決済導入を受け、SBIベリトランスは三井住友カードとの業務提携により、インターネット上で銀聯カードを取り扱う決済ソリューション「VeriTrans銀聯ネット決済サービス」を構築し、銀聯ネット決済専用のECモール「バイジェイドットコム」を2009年1月より開設いたします。
「VeriTrans銀聯ネット決済サービス」は、中国銀聯の定める「CUPSecure」(※)に対応しており、銀聯カードをインターネット上でも安全にご利用いただけるサービスです。
(※)CUPSecureは、中国銀聯もしくは銀聯カード発行銀行のホームページにおいて、暗証番号等を入力することで、安全・確実に本人認証と決済処理を行う決済スキームです。

サポート項目 内容
通販システム・ 中国人消費者の嗜好に合わせた画面構成や配色などのサイトデザイン
・ 中国人消費者の買い物動向を把握し、消費者に最適な商品をおすすめするSBIベリトランスレコメンドASPサービスを搭載
・ 将来的に出店企業へのマーケティングデータのフィードバックを予定
翻訳・ プロの中国人翻訳者が「読みやすく」
・「解りやすく」翻訳(海外向けECサイトにおける商品説明等の翻訳は、一般的に機械翻訳が中心)
・ 中国人消費者の興味を惹く「売れるための翻訳」を行い、「日本の商品の良さ」をアピール
物流・ 日本郵便(郵便事業株式会社)と提携し、EMS(国際スピード郵便)により安心・安全に商品を中国の消費者までお届け
・ 出店企業は、受注後商品を倉庫に入庫するだけで配送手配は完了し、通関手続きなどの手間やコストを省くことが可能
ユーザー対応・ 日本・中国の2拠点で注文~配送完了までの全フローを管理
・ 日本国内では、注文~配送管理および出店企業をサポート
・ 中国国内では、中国人消費者からの返品によるトラブルなどに対応
プロモーション・ インターネットにおける中国の各種検索エンジン対策および広告出稿、メールマガジンの配信
・ 中国銀聯と連携し、中国国内におけるリアルのプロモーションを展開予定
・ 銀聯カードを発行する銀行の富裕顧客層へのアプローチなど、本モールならではのターゲットにマッチしたプロモーションも展開予定


 

 SBIベリトランスでは、当初1年間で消費財メーカーや大手小売企業を中心に100社出店を目指してまいります。
さらに、「バイジェイドットコム」だけではなく、自社サイトでの銀聯ネット決済を希望する個別企業に対しても、今後「VeriTrans銀聯ネット決済サービス」の決済ソリューションの展開を図ってまいります。

3. 銀聯カード加盟店紹介サイト「杰街同歩(ジェイジェストリート)」の開設
また、SBIベリトランスは、中国人旅行者を対象に、銀聯カード加盟店の紹介サイト「杰街同歩(ジェイジェストリート:http://www.jj-street.com)」を開設いたしました。これにより、中国人旅行者は事前に買い物の計画が立てやすくなり、出店企業への旅行者の訪問増加が見込まれます。
「杰街同歩(ジェイジェストリート)」においても出店企業は、自社のPR情報を準備するだけで、翻訳・顧客サポートに関わる一切のサービスを受けることができるため、容易に、他店との差別化が図ることができます。
現在、大手家電量販店や大手小売企業等が参加しており、当初1年間で300社の出店を目指してまいります。

【主な参加企業】

かに道楽、西武百貨店、そごう、多慶屋、東急ハンズ、ぱぱす、プリンスホテル、マツモトキヨシ、ヨドバシカメラ(50音順)


 

 今後、「バイジェイドットコム」と「杰街同歩(ジェイジェストリート)」とを連動させることで、ネット店舗とリアル店舗の双方向での顧客誘導や、中国への進出企業の認知度向上に繋がるプロモーションなどを展開してまいります。
また、フリーペーパーなどとも連動し、更なるサービス拡充を図ることで、中国人購入者の利便性向上と銀聯カード加盟店の取扱拡大に貢献してまいります。 

【中国銀聯について】
中国銀聯は2002年に中国の中央銀行である中国人民銀行が中心となり政府主導で設立された、中国での銀行間決済ネットワーク運営会社です。中国国内でカードを発行している銀行は全て中国銀聯に加盟しており、国内・海外合わせて200以上の金融機関が銀聯ネットワークに参加しております。

【銀聯カードについて】
銀聯カードは中国の銀行が発行するキャッシュカードに付与されたブランドで、既に中国国内では約18億枚発行されており、来日するほとんどの中国人が所持しているカードです。ATMネットワークでの利用だけではなく、小売店や飲食店等で主にデビットカードとしても利用されております。
 さらに、中国銀聯は中国でのカード社会の基盤構築を図る一方、VISA・MasterCard等と同様の国際ブランドとしての展開を目指し、海外の銀行・カード会社とも積極的な提携を行い、中国国外での銀聯カードの利用拡大を図っております。2004年5月の香港での利用開始を皮切りに、マカオ、韓国、シンガポール、タイに続き、2005年12月には三井住友カードとの提携により日本での銀聯カード利用が開始されました。さらに米国・欧州各国中心に拡大し、現在利用可能国は48カ国に及んでおります。

 三井住友カードは、日本国内での銀聯カード取扱加盟店の拡大を図っており、既に空港免税店や大手家電量販店、百貨店、ホテル・旅館、ブランドショップ、ショッピングセンター等12,300店舗(2008年11月現在)にまで広がっております。

【参考:銀聯ネット決済スキーム図】
銀聯ネット決済スキーム図