2011年3月22日
SBIホールディングス株式会社

当社グループの運営ファンドの出資先である米国の開発段階医薬品会社、「クォーク・ファーマシューティカルズ社(グループ出資比率35.82%、以下クォーク社)」が、現地時間2011年3月18日、同社のsiRNA医薬品候補『PF-04523655 (RTP801I-14)』のフェーズⅡa臨床試験が順調に終了した旨について下記のプレスリリースを発表しておりますので、お知らせいたします。

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フェーズⅡ臨床試験においてPF-04523655 (RTP801I-14) は
糖尿病性黄斑浮腫(DME)患者に対し既存療法よりも高い視力改善値を見せる

クォーク社はフェーズⅡb臨床試験を実施へ

2011年3月18日(現地時間)、米カリフォルニア州・フレモントの開発段階医薬品会社クォーク社は、同社が開発した独自のsiRNA医薬品候補『PF-04523655 (RTP801I-14)』について、糖尿病性黄斑浮腫(DME)に対する効果と安全性の確認を目的とした無作為化フェーズⅡ臨床試験(試験名DEGAS)の結果を発表しました。この試験は、主に投与24ヶ月後の視力の平均改善値が最終的に基準値を上回るものかどうかを判断することを目的として、184名の患者を投与量別(0.4mg, 1mg, 3mg)に分けた3グループとレーザー治療を行う1グループの4つのグループに無作為に分類した上で実施されました。

12ヶ月経過した時点で、PF-04523655 (RTP801I-14)には重大な副作用はないという結果が示されています。またPF-04523655 (RTP801I-14)には用量依存的な改善効果が確認されており、3mgの投与量のグループで一番良い結果が得られています。レーザー治療(光凝固法)における改善値が平均2.4文字なのに対し、3mgの投与グループにおける平均的な改善値は5.8文字となりました(p=0.08)。さらに別の試験では、12ヶ月後の再診を受けた3mgを投与されたグループの111名に関しては、レーザー治療の改善効果が平均3.2文字だったのに対して、平均9.1文字の改善効果が確認されています。

従来の治療方法よりも高い治療効果をもたらす新たな治療法として患者に貢献するためにはより高い投与量が必要となる、という分析結果が出されたことをもって、今回の試験は12ヶ月で終了しております。この試験結果に基づき、クォーク社とファイザー社は、フェーズⅡb臨床試験をクォーク社のみによって実施することに合意しました。

クォーク社は、今後、PF-04523655 (RTP801I-14)の投与量を増やして試験を実施するとともに、ピボタル試験であるフェーズⅢ臨床試験における投与量を決定します。これは無作為抽出で投与量別のグループに分け、Lucentis®と比較しその安全性と効果を検証するものです。

また、クォーク社とファイザー社はこれまでの契約を修正することに合意しました。
この契約の修正により、ファイザー社はPF-04523655 (RTP801I-14)の眼用の初回使用に関する開発・製造のマイルストーンペイメントを増額し、またロイヤリティレートを高めることとなりました。ファイザー社がフェーズⅡbの試験結果をもってPF-04523655 (RTP801I-14)の開発を進めると判断した場合、クォーク社は製造・販売マイルストーンペイメントとして、フェーズⅡb臨床試験の成功に関するものを含め、最大で総額7億ドルを受け取ることになります。

 クォーク社のダニエル・ズール代表取締役兼最高経営責任者は、「今回の試験結果は、我々にとって非常に励みになるものです。我々はピボタル試験における投与量を決定するためのフェーズⅡb試験を始めることを待ち望んでおります。」とコメントをしています。

フェーズⅡb臨床試験について
 複数の医療機関にまたがり、前向き、無作為、投与量別の比較試験であるフェーズⅡb臨床試験は、PF-04523655 (RTP801I-14)の糖尿病性黄斑浮腫(DME)患者に対する効果と安全性を評価するための試験です。フェーズⅡb試験では、約225名の被験者は、前回の試験より多量のPF-04523655 (RTP801I-14)を投与される投与量別のグループと、Lucentisを投与されるグループに分かれます。

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以上