2011年10月21日
SBIアラプロモ株式会社

 SBIホールディングス株式会社の子会社で 5-アミノレブリン酸(ALA)(※1)を利用した化粧品、健康食品、医薬品の研究・開発等を行っているSBIアラプロモ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員CEO:北尾 吉孝、以下「SBIアラプロモ」)は、日本大学との共同研究でALAに炎症性サイトカイン産生抑制効果があることを発見いたしました。
 このたび、本研究結果を2011年10月20日に開催された第39回日本救急医学会学術集会にて発表いたしましたのでお知らせいたします。

 本研究では、救急医療における課題の一つ、敗血症(※2)での直接の死因となる、炎症性サイトカインの抑制を目指し、炎症性サイトカインを誘導するリポ多糖(LPS)とヒト肺動脈血管内皮細胞を培養する敗血症モデルを用いてALAの効果を検証しました。その結果、ALAと鉄剤の添加で炎症性サイトカインであるインターロイキン6(IL-6)、インターロイキン8(IL-8)のタンパク質量がそれぞれ2/3、1/4に抑制されることを見出しました。
 敗血症は血液が菌に感染することにより引き起こされ、患者の約30%が死亡する重篤な病気で救急医療における大きな未解決の課題の一つです。菌の感染に関しては抗生物質で抑えられますが、抗生物質で殺した菌から放出される、LPS(エンドトキシンとも呼ばれる)が炎症性サイトカインを誘起し、その炎症により死亡するとされています。これまで炎症性サイトカインを有効に抑制する物質は知られておらず、本成果により新たな敗血症治療剤開発への大きな道が開かれたといえます。

 人への応用は今後の課題ではありますが、多くの患者様のお役に立てるよう、ALA研究に一層努力してまいります。研究成果と最新情報は、ALAplus研究所(URL:http://www.ala-plus.jp/)からも発信してまいります。

用語解説

※1体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやチトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与するタンパク質の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。ALAは、焼酎粕や赤ワイン、かいわれ大根等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。
※2

敗血症患者は、米国では年間75万人以上、そのうち21万人が死亡するとされており、本邦でも年間の患者数は10万人にのぼるといわれております。

以上