2013年4月25日
SBIホールディングス株式会社

 当社グループが第2位の大株主として16.9%出資する米国の眼科疾患向け臨床開発段階バイオベンチャーであるAcucela Inc.(以下、「アキュセラ社」)は、米国ワシントン州シアトル市にて、2013年4月24日、地図状萎縮を伴うドライ型加齢黄班変性の患者を対象とするemixustat hydrochloride(ACU-4429)の臨床試験における臨床第2b/3相試験を開始したことを発表いたしましたので、内容について下記の通りお知らせいたします。

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 2013年4月24日、失明疾患の撲滅を目指し、革新的な新薬の開発に専念している眼科領域に特化したバイオ製薬企業アキュセラ社は、地図状萎縮(GA)を伴うドライ型加齢黄班変性患者を対象にemixustat hydrochlorideの臨床第2b/3相試験を開始したことを発表しました。加齢黄班変性は、先進国で患者の失明原因の第1位を占めており、そのほとんどはドライ型といわれています。現在、ドライ型加齢黄班変性の治療薬として承認を受け上市されている薬剤はまだありません。Emixustat hydrochlorideを疾患の初期段階から投与することにより、GAへの進行およびGAを伴うドライ型加齢黄班変性患者のGAの病変の進行を抑えるものと考えられています。

 臨床第2b/3相試験であるSEATTLE試験は、最近終了した臨床第2a相試験で確認されたデータおよび米国食品医薬品局(FDA)からのフィードバックに基づいてデザインされた臨床試験です。臨床第2a相試験の結果は、ワシントン州シアトル市で開催される2013年度年次総会ARVO(5月5日~9日)で発表される予定です。

 アキュセラ社の代表取締役会長・社長兼CEOである窪田良 医学博士は「当社の使命は、眼科領域に特化したアンメット・メディカル・ニーズ(有効な治療法のない医療ニーズ)領域の革新的な新薬の研究および開発に注力しており、emixustat hydrochlorideはなかでも大変有望な化合物であります。」と述べています。また、窪田博士は、「今回の発表は、当社だけでなくemixustat hydrochlorideプログラム、そして世界中の患者さんにとっても大きな意義があると考えられます。自社で開発されたemixustat hydrochlorideは、視覚サイクルモジュレーション(VCM)と呼ばれている新しい作用機序を持ち、簡便な経口投与による、視覚サイクルに選択的に作用する化合物であり、GAを伴うドライ型加齢黄班変性などの網膜疾患の革新的な治療法です。」と述べています。

 レティナル・コンサルタント・オブ・アリゾナのマネージングパートナーであるブラヴィン・U・ドゥゲル博士は、「日常、ドライ型加齢黄班変性に苦しむ患者さん、またGAに進行する恐れのある患者さんを数多く診察しています。この臨床試験の開始は、ドライ型加齢黄班変性の治療にとって一つの大きな節目であり、経口投与が可能なGA治療薬の開発は、失明の可能性を伴う様々な眼科疾患治療にとって重要な一歩となるでしょう。」と述べています。

SEATTLE試験について
 臨床第2b/3相試験であるSEATTLE試験(The Safety and Efficacy Assessment Treatment Trails of Emixustat Hydrochloride study)は、GAを伴うドライ型加齢黄班変性患者を対象とし、emixustat hydrochlorideの有効性と安全性をプラセボと比較する、無作為化二重盲検用量範囲探索試験です。本試験は米国を中心とする56施設で実施され、約440名の被験者を登録する予定です。

ドライ型加齢黄斑変性について
 加齢黄斑変性の患者数は全世界で約1億2000万人、米国で約1000万人と推定されています(※1)。加齢黄班変性は失明疾患の主要原因であり、ドライ型加齢黄班変性は、加齢黄班変性の中で最も多く見られ、全体の約90%を占めています(※1)。ドライ型加齢黄班変性は、黄斑にある光を感知する細胞が徐々に劣化するのに伴い、中心視力が低下していく眼疾患です。ドライ型加齢黄班変性が悪化すると、視界の中央部分はぼやけて見えるようになります。そして、黄斑の機能と中心視力が、時間の経過とともに少しずつ失われていきます。
(※1)出所:米国の調査レポート“The Retinal Pharmaceuticals Market Report, Market Scope 2012”

アキュセラ社について
 アキュセラ社(www.acucela.jp)は、世界中で数千万人の患者が苦しんでいる失明疾患の新しい治療法の開発、および進行を遅らせ失明を防ぐ研究開発を行っている臨床開発ステージのバイオ製薬企業です。アキュセラ社は大塚製薬と共同で、加齢黄班変性治療薬emixustat hydrochloride、ドライアイ治療薬レバミピド点眼液、及び緑内障治療薬OPA-6566の3つ新薬候補化合物の臨床開発を進めています。当社のコア技術である視覚サイクルモジュレーション(Visual Cycle Modulation, VCM)をターゲットとするemixustat hydrochlorideは、現在GAを伴うドライ型加齢黄班変性の治療薬として臨床試験を実施中です。また、当社のVCM化合物は、糖尿病性網膜症/糖尿病性黄斑浮腫、スターガート病、未熟児網膜症等、その他の網膜疾患に対しても治療効果が期待されています。ドライアイ治療薬レバミピド点眼液は、現在米国で臨床試験を実施中で、日本では「ムコスタ®点眼液UD2%」として2012年1月から販売されています。OPA-6566は、アデノシンA2a受容体アゴニストという、従来の緑内障治療薬にはない新しい作用メカニズムを持つ化合物で、現在大塚製薬との共同開発契約に基づき、開放隅角緑内障または高眼圧症の患者さんの眼圧低下を対象に点眼剤として開発中です。

担当者:
フランチェスカ T. ノーラン
コーポレート コミュニケーション ディレクター
Acucela Inc.
電話: 206-805-8308
メールアドレス: francesca.nolan@acucela.com

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以上