2014年1月16日
SBIホールディングス株式会社
SBIファーマ株式会社

 SBIグループでは、SBIホールディングス株式会社の子会社であるSBIファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表:北尾 吉孝、以下「SBIファーマ」)において5-アミノレブリン酸(ALA)を利用した医薬品、健康食品及び化粧品の研究・開発等を行っております。このたびバーレーンでの研究パートナー機関の1つで、湾岸6か国(※1)によりバーレーンに設立された医学系総合大学Arabian Gulf University(以下「AGU」)の医療センターKing Abdulla Medical City(キング・アブドゥラ・メディカル・シティ、以下、「KAMC」)において、ALAを術中診断薬として用いた膀胱がんの摘出手術に成功いたしましたのでお知らせいたします。また、この手術ではSBIファーマが開発した診断用システムである医療用光源装置を使用いたしました。
 今回の膀胱がんの摘出手術は、バーレーン当局の許可を得てKAMCのZiad Al-Naieb(ジアド・アル・ナイブ)医師が行い、中東で初めて成功したケースとなります。このたび、AGUとSBIファーマが現地で実施した共同記者会見で発表いたしました。

 バーレーンを含む中東のGCC地域では、がん疾患の中で膀胱がんの患者が男性においては4番目、女性においては8番目に多いとされており、Al-Naieb医師は今回膀胱がんの摘出手術に利用した腫瘍(がん)部分の可視化を目的とした光線力学的診断(Photodynamic Diagnosis : PDD)のためのALAを用いた経口体内診断薬(※2)ならびに医療用光源装置をはじめとする診断用システムを、今後はバーレーン以外のGCC域内にも普及させていきたいと述べています。
 現地での共同記者会見には在バーレーン王国日本国大使館の角大使にもご出席いただき、私どもにとって今回のKAMCのAl-Naieb医師による膀胱がんの摘出手術の成功は、バーレーン国内での医療の発展に大きく貢献し、日本とバーレーンの医療分野における交流の一環として非常に意義のあるものと考えております。今後は湾岸諸国立大学としてのAGUのネットワークを活かして、湾岸6か国へのALAを用いた術中診断薬とSBIファーマの医療機器の普及を目指してまいります。

 なお、今回バーレーンで成功した膀胱がんの術中診断薬としての開発は、日本でもオーファンドラッグ(※3)の指定を受けて高知大学を中心とした5大学にて医師主導治験として進められております。

 SBIグループでは、今後も様々な疾患に苦しむ患者さんに一刻も早くALAを成分とする医薬品をお届けできるよう、研究・開発に尽力してまいります。

※1 : サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、オマーン、カタール、バーレーンの6か国が運営しています。
※2 : ALAを用いた術中診断薬:数時間前に患者にALAを経口投与し、手術中に患部に特殊な光を当てることで腫瘍(がん)部位を赤く光らせ、正常組織との識別を容易にして腫瘍摘出率を向上させることを目的としています。日本では、SBIファーマが脳腫瘍の一種である悪性神経膠腫の経口体内診断薬「アラグリオ®内用剤1.5g」を、厚生労働省の承認を受けて既に販売しております。
※3 : オーファンドラッグ:重篤な疾病に使用し特に医療上の必要性は高いとされる医薬品のこと

以上