2016年3月15日
SBIバイオテック株式会社

SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:北尾吉孝)の子会社で、癌、自己免疫疾患に対する創薬研究開発等を手掛けるSBIバイオテック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:入江健、以下「SBIバイオテック」)は、子会社のQuark Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国カリフォルニア、Chairman & CEO:Daniel Zurr、以下「クォーク社」)が2016年3月14日(現地時間)、開発中のsiRNA化合物「QPI-1002」(スイス・ノバルティスファーマにライセンス契約独占交渉権を付与)について、腎移植後臓器機能障害(DGF)予防薬のフェーズIII臨床試験で患者に対する最初の投薬を行い、主要な心臓血管手術に伴う急性腎不全(AKI)予防薬のフェーズII臨床試験でも患者への投薬を開始したことを発表しました。
また、同「QPI-1007」(主な導出先:印・バイオコン)についても、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)のフェーズIII臨床試験において患者への最初の投薬を開始したことを発表しましたので、以下の通りお知らせいたします。

クォーク社発表のプレスリリース:http://quarkpharma.com/?p=12305

以下は、クォーク社の英文リリースの原文を抄訳したものです。

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2016年3月14日、米カリフォルニア州・フレモントのクォーク社は、2本のフェーズⅢ段階の臨床試験で、それぞれ最初の患者への投与を開始したと発表しました。1つ目は腎移植後臓器機能障害(DGF)予防薬のフェーズIII臨床試験(Clinical trials.gov(※1)臨床試験番号:NCT02610296)で、もう1つは非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)治療薬フェーズIII臨床試験(Clinical trials.gov臨床試験番号:NCT02341560)です。さらに、心臓手術後に伴う急性腎不全(AKI)予防薬のフェーズII臨床試験(Clinical trials.gov臨床試験番号:NCT02610283)でも患者への投与を開始したことを発表しました。

クォーク社のダニエル・ズール代表取締役兼最高経営責任者は「これらの重要な研究開発の進捗により、クォーク社はsiRNA医薬開発企業の先頭に躍進し、2018年~2019年頃に上市を見込む、最初のsiRNA医薬品承認の可能性が高まった。」とのコメントを発表しました。

【腎移植後臓器機能障害(DGF)の臨床試験について(QPI-1002)】
大規模なフェーズII臨床試験(患者326名)がクォーク社によって実施され、FDA(米国食品医薬品局)及び EMA(欧州医薬品庁)とはフェーズIII臨床試験に代表する検証的臨床試験の研究デザインとエンドポイント(※2)について合意に達しました。この臨床試験は、北米、ラテンアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ等の約75の病院で進行しています。 クォーク社は、この適応症に対してFDAおよびEMAからオーファンドラッグの指定を受けています。

【非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の臨床試験について(QPI-1007)】
フェーズII/III臨床試験が、米国、ヨーロッパ、イスラエル、インド及び中国等の約66病院で進行しています。siRNA分子のヒトに対する臨床試験の認可をインド(DCGI:インド医薬品規制当局)及び中国(CFDA:中国医薬品規制当局)の各当局より取得したのは今回が初のケースであり、重要なマイルストーンです。クォーク社は、この適応症に対してFDAからオーファンドラッグの指定を受けており、siRNA医薬品分子はクォーク社が独自に開発したユニークな新しい構造に基づいています。

【急性腎不全(AKI)の臨床試験について(QPI-1002)】
フェーズII臨床試験が北米の約40の病院で進行しています。QPI-1002はFDAの新薬臨床試験開始届(IND:Investigational New Drug Application)に基づく臨床試験で初めて全身性に投与されたsiRNA分子です。

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※1:Clinical trials.govとは:米国の臨床試験登録公開サイト
※2:エンドポイントとは:臨床試験における治験薬の有効性や安全性をはかるための評価項目

以上