2017年12月18日
中外製薬株式会社
SBIファーマ株式会社

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:永山 治)は、SBIホールディングス株式会社の子会社でALA(5-アミノレブリン酸)を利用した医薬品の研究・開発を行っているSBIファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役執行役員社長:北尾 吉孝)が開発を行い「経尿道的膀胱腫瘍切除術時における筋層非浸潤性膀胱癌の可視化」を効能・効果として2017年9月27日に製造販売承認を取得し、11月22日に薬価基準に収載された光線力学診断用剤「アラグリオ®顆粒剤分包1.5g」(以下、「アラグリオ」)について、12月19日より販売を開始することをお知らせいたします。

 アラグリオは、その代謝物であるプロトポルフィリンIXが青色励起光の照射により腫瘍病変が赤色蛍光を発することを利用した光線力学診断(PDD:photodynamic diagnosis)用剤で、上記効能・効果としては世界で初めて承認された希少疾病用医薬品です。経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT:transurethral resection of the bladder tumor)にアラグリオを用いたPDDを組み合わせることで筋層非浸潤性膀胱癌の識別性が向上し、TURBT後の再発および進展抑制に対する臨床的有用性が期待されます。

 中外製薬およびSBIファーマは、医療従事者に「アラグリオ®顆粒剤分包1.5g」を適切にご使用いただき、膀胱癌患者さんの治療により一層貢献できるよう、情報提供活動に努めてまいります。

ALA(5-アミノレブリン酸)
体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与する機能分子の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。ALAは、焼酎や赤ワイン、高麗人参等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。

経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)
開腹せずに尿道から手術用内視鏡(膀胱鏡)を挿入し、膀胱を温存しながら腫瘍を切除する術式です。

筋層非浸潤性膀胱癌
膀胱筋層への浸潤を有さない比較的早期の膀胱癌で、膀胱癌全体の約70%を占めます*。基本的に初期治療としてTURBTによる膀胱温存を目指した治療が行われますが、従来の白色光源のみによるTURBT施行では、術後5年以内にその31~78%が再発するとされています**。

* 日本泌尿器科学会 編 膀胱癌診療ガイドライン2015年版(医学図書出版); 25
** Sylvester RJ, et al. (2006) Eur Urol; 49: 466-77

薬剤情報
販 売 名アラグリオ®顆粒剤分包1.5g
一 般 名アミノレブリン酸塩酸塩
効能・効果経尿道的膀胱腫瘍切除術時における筋層非浸潤性膀胱癌の可視化
用法・用量通常、成人には、アミノレブリン酸塩酸塩として20mg/kgを、膀胱鏡挿入3時間前(範囲:2~4時間前)に、水に溶解して経口投与する。
貯 法遮光、室温保存
承 認 日2017年9月27日
薬価基準収載日2017年11月22日
販売開始日2017年12月19日
薬 価74,873.70円/1.5g 1包

上記本文中に記載された製品名はすべて、商標権により保護されています。

以上