2020年4月16日
SBIホールディングス株式会社
SBIリクイディティ・マーケット株式会社

 SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:北尾 吉孝)とその子会社のSBIリクイディティ・マーケット株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:尾崎 文紀)は、2020年4月よりブロックチェーン/分散型台帳技術を用いた外国為替取引データのコンファメーションシステム「BCPostTrade」を提供することになりましたので、お知らせいたします。

 「BCPostTrade」は、ブロックチェーン/分散型台帳技術のソリューションである米R3の「Corda」を実装した外国為替取引のコンファメーションシステムです。
 従来のコンファメーション業務では電話やメールでの手作業に頼ったオペレーションであったため、情報の確認漏れやメールの誤送信といったオペレーショナルリスクが顕在化していました。本システムの活用によりSBIリクイディティ・マーケットでは、コンファメーション業務におけるオペレーショナルリスクを低減するとともに、ブロックチェーンソリューションのひとつである「Corda」を用いて、高いプライバシー保護と改竄耐性の確保を図ります。また、ブロックチェーンにより当事者間での取引データの同一性が保証され照合作業の信頼性が向上し、さらに情報伝達のリアルタイム化によりバックオフィス作業へのシームレスなデータ連携も可能になります。


イメージ概要

 本システムは外国為替取引事業会社であるSBIリクイディティ・マーケットが主体となり、システム開発はCordaパートナーである株式会社シーエーシー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:西森 良太)の協力のもと、SBIセキュリティ・ソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:バスケス カオ フェルナンド ルイス)が統括して実用化に向けたフェーズへと進めてまいりました。参加者各々の業務仕様に関してはSBIグループのフィンテック企業である株式会社SBIプロセス・イノベーター(本社:東京都港区、代表取締役社長:岩吉 直樹)も参画し、取り纏めを行っております。
 今後は、SBIグループ内での本ソリューションの実運用を行いながら、現行のスマートコントラクトをより拡張させたコンファメーションのマッチング自動化、資金決済を含めた一貫した契約の自動執行等、更なる機能追加を行っていく予定です。また将来的には、広くグループ外からも参加企業を募り、複数企業間でのプロトコルの統一化を推し進めることで、バックオフィス用ソリューションの次世代スタンダードへと成長させていくことを目指してまいります。

- 米R3社の「Corda」について -
 「Corda」は従来のブロックチェーンプラットフォームが抱える問題点を克服しエンタープライズでの使用を想定して開発されたプライベート/コンソーシアム型のブロックチェーンソリューションです。
 企業間取引ではパブリック型ブロックチェーンのようにビジネスネットワーク内の全ての参加者へ情報を伝搬することが相応しくないケースが多く見受けられますが、Cordaを採用することで情報を共有する範囲を限定(プライバシー)した取引が複数実現可能となり、取引範囲間における価値の移動(インターオペラビリティ)も行うことができます。さらにブロックチェーン技術の1つの特徴であるUTXO(Unspent Transaction Output)モデルを採用しつつもコンセンサスアルゴリズムを情報の共有相手とノータリーと呼ばれる2重支払防止用ノードのみでファイナリティを与える仕組みとなっておりますので、パフォーマンスを維持しながらの参加者の追加が容易な構造となっており(スケーラビリティ)、本リリースではCorda Network Foundationが提供するthe Corda Networkサービスの利用により既存の参加者ノードからの利用も可能となっております。また、Cordaはkotlinで開発されており、アプリケーション開発もJavaまたはkotlinを使用できますので、開発はもとより保守運用に関しても生産性が高いと言えます(プロダクティビティ)。
※日本国内ではSBI R3 Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:藤本 守)が販売・サポートを行っております。