2020年11月10日
SBIホールディングス株式会社

 当社は、国内最大規模の診療データベースを保有するメディカル・データ・ビジョン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩崎博之、以下「MDV社」)と資本業務提携契約書を締結するとともに、同社の既存株主より議決権比率合計20.68%の株式を譲り受け、同社を当社の持分法適用会社とすることになりましたので、以下のとおりお知らせいたします。

1. 資本業務提携の目的
 MDV社は、病院や健康保険組合などからの膨大な診療データ(2020年10月末集計、実患者数3,361万人)を有し、医療ビッグデータの利活用に関する豊富な経験と深い知見を有しております。同社は医療情報の発生元の1つである病院に向けて、病院の経営を支援するシステムを提供し診療情報を集積する一方で、集めた診療情報を分析して製薬会社等に提供しています。医療ビッグデータはそのデータ内容の複雑さから、ビジネスへ活用するのに豊富な知識や技術を必要としますが、MDV社は民間企業としていち早くDPCデータ(※)の分析に着手し、ノウハウを蓄積してきました。

 当社グループでは、新型コロナウィルス感染症拡大で医療統計データ問題の精度の低さが露呈したことを受け、この問題を解決すべくメディカルインフォマティクス分野を今後の事業展開の新機軸の一つに位置づけております。
 民間企業では最大級の患者診療データベースを有しているMDV社との資本業務提携により、今後は医療ビッグデータを活用した金融及びヘルスケア分野での新商品・サービスの開発や、医療統計情報のデジタル化や医療データの集積によるビッグデータの構築と分析、感染予測・早期検知・治療法改善・研究・データ検証など医療の高度化にも貢献してまいります。

(※)DPCデータ:病院で標準的に作成するデータで、患者基本情報や病名、術式、各種のスコア・ステージ分類などを含む患者臨床情報と、診療行為、医薬品、医療材料等の実施日、回数・数量から診察料、病棟、保険種別などの診療行為情報の全国統一形式の電子データ(参照:厚生労働省HP)

2. 業務提携の内容
(1)金融及びヘルスケア分野での新商品・サービスの開発
(2)地方経済及び地域医療の活性化に寄与する事業の推進
(3)医療・ヘルスケア事業領域における当社子会社および当社グループ出資先企業等との連携強化

3. 株式取得の内容
 当社は、MDV社の筆頭株主である富士フイルム株式会社から同社が保有する全てのMDV社の普通株式7,792,800株(議決権比率19.77%)を、またMDV社の代表取締役社長である岩崎博之氏から同氏が保有するMDV社の普通株式のうちの一部である358,614株(議決権比率0.91%)をそれぞれ譲り受ける予定です。その結果、MDV社に対する当社グループの議決権比率は既に当社が保有している持分とあわせて20.69%となり、当社はMDV社を持分法適用会社とする予定です。なお、当社からMDV社への取締役ならびに監査役の派遣の予定はありません。

4. MDV社の概要(2020年10月 31 日現在)
(1)名称 メディカル・データ・ビジョン株式会社
(2)所在地 東京都千代田区神田美土代町7番地 住友不動産神田ビル10階
(3)代表者の役職・氏名 代表取締役社長 岩崎 博之
(4)事業内容 1. 医療情報統合システムの開発、製作、販売、保守業務
2. 各種医療データの分析、調査、コンサルティング業務
3. 医療機関向け経営コンサルティング業務
4. 各種医療データの運用及び提供サービス業務
5. ポータルサイトの企画、設計、開発、運営
(5)資本金 992百万円
(6)設立年月日 2003年8月
(7)主要株主※
(2020年6月末現在)
富士フイルム株式会社
株式会社メディパルホールディングス
19.77%
8.15%
(8)当該会社の最近の3年間の連結経営成績及び連結財政状態
決算期 2017年12月期 2018年12月期 2019年12月期
純資産 3,164百万円 3,278百万円 4,023百万円
総資産 3,752百万円 3,865百万円 4,948百万円
売上高 3,225百万円 3,577百万円 4,026百万円
営業利益 569百万円 351百万円 809百万円
経常利益 565百万円 351百万円 804百万円
親会社株主に帰属する
当期純利益
354百万円 69百万円 554百万円
※比率は、発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する所有株式数の割合を記載
5. 日程
(1)資本業務提携契約締結日 2020年11月10日
(2)株式譲渡実行日 2020年11月10日(予定)

6. 今後の見通し
 本株式取得による当社連結業績への影響は軽微であると考えております。

以上