2020年12月24日
SBIホールディングス株式会社
SBI Ripple Asia株式会社
SBI VCトレード株式会社

 SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:北尾 吉孝)、SBI Ripple Asia株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:Adam Traidman)およびSBI VCトレード株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:北尾 吉孝)は、このたびパートナーであるブロックチェーン技術を活用した次世代決済基盤を開発、提供しているRipple Labs Inc.(本社:米国サンフランシスコ、CEO:ブラッド・ガーリングハウス、以下「Ripple」)より、米証券取引委員会(SEC)からRippleが訴訟を提起されている件に関して見解が発表されましたので、お知らせいたします。

以下は、RippleCEOが発表したコメントを抄訳したものです。
Ripple発表のコメント:https://ripple.com/insights/the-secs-attack-on-crypto-in-the-united-states/

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SECによる米国暗号資産業界への攻撃について
ブラッド・ガーリングハウス 2020年12月22日

これは昨日、私がRippleの従業員宛に送ったメモです。今日のSECによる訴状を検討した結果、我々は法的にも歴史的にも正しい立場に有ると確信しています。

下記は弊社の弁護士によるコメントとなります。

“SECは事実と法律に関して完全に間違っており、私たちは中立的な事実認定者の前で最終的に勝訴すると確信しています。XRPは、毎日数十億ドルの取引が行われている時価総額第3位の暗号資産であって、SECがすでに通貨とみなしているBTCやETHと同様に投資契約(“Investment contract”)ではありません。XRPは、SECがこれまでに提起してきた他のICOのケースとは似ても似つかないものであり、本件は「Howeyテスト」による判断基準を拡大解釈しています。”
アンドリュー・セレスニー(Debevoise & Plimpton)

“この訴状は法律の問題として間違っています。司法省や財務省傘下の金融犯罪取締ネットワーク部局を含む米国政府の他の主要な部門は、すでにXRPが通貨であると判断しています。したがって、XRPによる取引は連邦証券法の適応範囲外となります。SECがその法定権限を超えようとしたのは今回が初めてではありません。裁判所は以前にもそれを正していますが、今回も正すことになるでしょう。”
マイケル・ケロッグ(Kellogg, Hansen, Todd, Figel & Frederick)

リップル社の従業員の皆様へ

Rippleにおいて5年以上在籍した中で、私は信じられないほどの進歩、革新、成長を目の当たりにしてきました。今年だけでも、私たちはLine of Credit(LOC:信用供与)の手段としてXRPを活用した新製品や機能を市場に投入し、私たち自身の顧客だけでなくその顧客に対しても、より良い送金体験を提供してきました。興味深いことに、何年にもわたって、私の根底にあって変わらないことが2つあります。① 私たちのビジョンである「価値のインターネット」、および② XRPが通貨であり、証券ではないという事実です。XRPは間違いなく送金のための最も優れた暗号資産です。本稿を読み進めていくうちに、私が今日これまで以上に断固とした確信を抱いていることをご理解頂けるでしょう。

私たちは常に、米国において暗号資産に対する規制に不透明な部分があると声を上げ続けてきましたが、米国のSECは何年にもわたって何もアクションを取ってきませんでした。実際に、なぜXRPが(証券ではなく)通貨なのかについて、私たちは3年近くにわたってSECと議論を続けていましたが、まだ明確にされたことはありませんでした。しかし、私たちはいかなる視点からとらえたとしても、XRPは証券ではないと説明してきました。

1. XRP は「投資契約(“Investment contract”)」ではありません。XRP保有者は、Rippleの利益を共有したり、配当金を受け取ったりすることはなく、議決権やその他の企業の権利も持ちません。購入者は、XRPを購入しても、そのもの以外には何も得られません。実際にXRP保有者の大多数は、Rippleといかなる関係性も保有しておりません。
2. Rippleには株主がいます。Rippleに投資するのであれば、XRPを購入するのではなく、Rippleの株式を買えばよいのです。
3. 有価証券とは異なり、XRPの価格とRippleの活動に相関関係はありません。その一方で、XRPの価格は他の暗号通貨の動きに連動しています。

皆さんもご存知のように、私たちは常に求められる以上にコミュニケーションを取り、可能な限り透明性を保ち、XRPの長期的な価値についてどのように考えているかを説明しようとしてきました。私たちは常に規制当局との連携を図ってきました。私たちは、世界中で(もちろん米国でも)積極的かつ誠意を持ってSECに対して協力し、行動してきました。XRPが有価証券かという議論が為されている間でさえ、私たちには対話する準備がありましたし、対話の継続を望んでいました。残念なことに、「レームダック」であるジェイ・クレイトン氏が会長職を辞する直前、SECはRipple、クリス・ラーセン、そして私に対して、証券法を違反している疑いがあると公表することを決定しました。私は、SECが数日中にこれに関する文書を公開すると予想していますので、皆さんも注意していて欲しいのです(※既開示)。SECはRippleとクリス、そして私を悪者である様に描くために、意図と異なる言葉の引用を行ったり、個人に関する情報を用いたりするなど、出来る限りのことをするだろうということを、事前にご承知おき頂きたいのです。

簡潔にいうと、これはすべて、XRPは何らかの形で株式の機能的な等価物であるという彼らの非論理的な主張に基づいています。さらに言うと、かなり前より米国財務省と米国司法省がXRPは通貨であると結論づけたにも拘らず、彼らがXRPは前から証券であること、そしてRippleとクリスと私が前からそれを知っていたはずだという主張は全くもって理解することができません。私たちのAML/BSA(Anti-Money Laundering/Bank Secrecy Act)コンプライアンス・プログラムはXRPが通貨であるという前提に構成されています。これに加え、多くのG20加盟国政府がXRPを通貨として位置付けていることも考慮すると、SECがこのような手段を踏むことに対して困惑しています。

クリスと私はこの問題を個別に示談する選択肢もありましたが、それをするとすべてがうやむやってしまうので、それはあり得ないと判断しました。それほど私とクリスは自分たちが正しいことに自信を持っています。私たちは果敢に戦います―そして私たちが正しいことを証明してみせます―この一件を通して私たちはアメリカにおけるこの業界のルールを明確にします。私たちは法律だけではなく、歴史的にも正しい位置に立っています。

明確に申し上げると、この訴状にはRippleとクリス、そして私の名前が載っているかもしれませんが、これは暗号資産全体に対しての挑戦です。この一件に限れば、XRPはこの業界の全ての他のアルトコインの代弁者です。一連の動きはCoinbase等の取引所などのマーケットメイカーにとって良いことではないでしょう。これは、デジタル資産を使って仕事をしている企業にとって、業界全体で恐ろしい前例となります。この主張と、ETHとBTCだけに与えられたSECの「公式に与えられた承認」(主に中国に直接利益をもたらす)が相まって、米国の企業に不公平な優位性を生み出し、BTCとETHに劇的な利益をもたらしているのです。米国の規制当局であるSECが、この業界(あるいは他の業界)で勝者を選び、米国の企業に不利益を与えようとしていることは信じられません。

興味深いことに、ジェイ・クレイトン氏は、SECの委員長としてイノベーションを積極的に支援したという自らのレガシーを残すことに、驚くほど力を注いできました。彼が自分について公にどう思わせたいかに反して、SECがデジタル資産分野でのイノベーションの促進に全く注力していないのは明らかです。このような態度をもってSECは暗号資産業界に対して全面攻撃を仕掛けてきています。そしてそれは、ジェイ・クレイトン氏の真のレガシーになるでしょう。

これはとてつもなく苛立たしいことです。世界のリーダーとなり、この新しい技術と経済の冷戦に勝利するための巨大なチャンスがあるにも関わらず、SECは他国の政府がやっていることとはかけ離れていて、非常にポジティブな社会的な流れと信じられないほどの可能性(と既に存在する実用性)を無視しています。暗号資産業界は繁栄する可能性があり、今後も発展していくでしょうが、このような動きはイノベーションを米国から追い出すことになります。「レームダック」のトランプ政権が、結果的に消費者保護と透明性に力を入れるバイデン政権を結果的に停滞させるような決定をしていることは驚くべきことではありません。このタイミングは本当に注目に値します。

私が述べたように、(訴状における)主張は見当違いであり、基本的な論理に反しています。とにかく、私は明らかに今までこのような主張を受けたことが無く、この事態を真剣に受け止めています。皆さんにもその重大さを理解していただきたいと思います。

私は皆さんに心配して欲しくはありません。私たちはこの問題を乗り越え、裁判において私たちが正しいことを証明します。私達には素晴らしい法務チームがついており、先程も述べたように、私たちは法律的にも正しい場所に立っています。しかしながら、法による手続きは遅く、これは長い民事訴訟の手続きの始まりであることを覚えておいてください。

この先、どんなことがあっても、私たちは社員、株主、お客様の側に立ちます。これからの事業は予定通り行います―私たちは、世界中の何百もの顧客がRippleに期待している価値の提供に注力し続けなければなりません。今回のSECの決定によって、Rippleの本社を米国外に移転するかどうかの議題をより早く結論づける必要性を感じていますが、バイデン新政権と協力して、合理的な道筋を見出せるかどうかを確認したいと考えています。

Rippleの成長軌道を根本的に変えるものは何もありません。私たちは、このような状況に立ち向かい、会社、チーム、製品、そして根源的には業界全体をも積極的に守ることができる立場にあることを非常に幸運に思っています。

ありがとうございました。
ブラッド

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以上