2010年1月27日
ゴメス・コンサルティング株式会社

 ゴメス・コンサルティング株式会社(以下、ゴメス)は本日、「2010年1月 オンライン証券ランキング」をゴメスのウェブサイト(http://www.gomez.co.jp/)上で発表いたしました。

 当ランキングは、証券会社が提供するオンラインサービスの利便性を評価することを目的として、ゴメスが設定したノミネート基準を満たす証券会社を対象に、2010年1月20日時点のサービス内容を調査・分析し、ランキングに反映しています。

 証券業界では、株式以外の金融商品の拡充、手数料競争による一段の手数料水準の低下、東証の新売買システム稼働による取引環境の変化といった様々な動きが生じており、これを受けて証券各社の提供するサービスはますます多様化・高度化してきています。特に金融商品の多様化や、取引ツールのような付随サービスの充実に伴い、証券サイトを利用するユーザーも一括りでは捉えられなくなってきています。ゴメスではこのような状況を鑑み、従来の画一的な評価形式ではなく、ユーザーのサービス利用意向・投資性向に即した約1,500の調査項目からなるランキングを「顧客タイプ別」に発表することといたしました。

 2009年の金融危機から生じた金融市場の大きな混乱も昨今では終息を迎えつつあり、証券市場に投資家が戻りつつあります。この機会に投資を再開、あるいは新たに投資を開始しようと考えているユーザーも多いなか、今回の調査によって、ユーザーの利用目的に即した最新のオンライン証券情報を提供できるものとゴメスは考えています。
主な調査結果は、以下のとおりです。

【顧客タイプ別ランキング】

(オンライン総合型 順位)※

順位

得点

会社名

1位8.07SBI証券
2位7.99マネックス証券
3位7.61カブドットコム証券

(アクティブトレード重視型 順位)※

順位

得点

会社名

1位7.79楽天証券
2位7.68SBI証券
3位7.49岡三オンライン証券

(バイ&ホールド重視型 順位)※

順位

得点

会社名

1位8.00マネックス証券
2位7.62大和証券(ダイワ・ダイレクト)
3位7.53SBI証券

(モバイルサービス 順位)※

順位

得点

会社名

1位6.89松井証券
2位6.76SBI証券
3位6.70カブドットコム証券
※各ランキングとも、4位以下の順位や詳細なレビューについてはゴメスのウェブサイトをご覧ください。

【顧客タイプ別ランキングの評価内容】

名称評価内容
オンライン総合型ユーザーによって様々想定される利用ニーズに幅広く応えられる、コスト面の優位性と、機能面の多様さを兼ね備えたサイトのランキングです。ウェブサイトの使いやすさをはじめ、幅広い利用スタイルに対応できる金融商品の品揃えや投資情報の豊富さ、それらを利用するための対価となる手数料をいかに低く抑えているかについて評価を行います。
アクティブトレード重視型積極的にリスクを取って短期的な取引を多く行うユーザーを想定し、手数料の安さや、短期的な売却益を狙うことができる金融商品の充実度、取引ツールなどを重視したランキングです。手数料の面では特に取引の回転頻度を高くした場合の手数料の安さを、金融商品の面では信用取引や各種の金融派生商品の充実度を、トレードツールの面では機能性と利用条件を中心として評価を行います。
バイ&ホールド重視型長期的な視点から投資を行うユーザーを想定し、投資情報サービスの充実度や長期投資に役立つ金融商品・サービスを重視したランキングです。経済環境や企業財務の詳細な分析を可能にするマーケット情報・分析レポートの充実度を中心に、分散投資による資産形成をサポートする資産管理機能・シミュレーション機能の提供状況、金融商品の品揃えなどを重視した評価を行います。
モバイルサービスモバイルサイトを通じて提供されるオンライントレードサービスの利便性についてのランキングです。モバイルサイトの使いやすさをはじめ、モバイルから利用できる金融商品取引や投資情報の充実度、顧客向けのサポート情報やサービス情報の充実度、取引アプリなどの取引に役立つ便利な機能サービスなど、モバイルを通じて提供されるサービスを総合的に評価します。

【オンライン証券ランキング:各顧客タイプ別ランキング 第1位企業の特長】

オンライン総合型第1位 SBI証券
国内株や投資信託以外にも、米・中・韓・露の外国株、国内外の債券、FXやCFDといった各種デリバティブ商品など、取り扱う金融商品のラインナップは業界屈指です。さらにマーケットや個別銘柄についての充実した情報提供に加え、取引状況に応じて無料で使えるトレードツール、株式の夜間取引、ポイントサービスといった、幅広いサービスを備えながら、取引手数料は業界最低水準を実現しています。ほとんどのカテゴリで上位を獲得しており、あらゆる顧客ニーズに対応したサービスの充実度と割安な手数料体系を兼ね備え、秀逸なコストパフォーマンスを実現した証券会社といえます。

アクティブトレード重視型第1位 楽天証券
株式の現物や信用取引・FX・CFDといった短期的な取引でも売買益を狙いやすい金融商品が充実していることに加え、豊富な投資情報サービス、多機能で便利な取引ツール、さらに「日計り取引片道無料」などデイトレードを行う場合にも割安に抑えられる手数料体系まで兼ね備えた証券会社です。特に取引ツール「マーケットスピード」は各種の情報の収集・分析から機動的な取引まで幅広く活用できる機能性に加え、無料で利用するための条件も達成しやすく、手軽に利用し続けられる点も魅力といえます。また東証の新売買システム稼働にあわせて、全ての板情報が見られるサービス「フル板」も開始しているなど、最新のアクティブトレード環境へも素早い対応が見られました。

バイ&ホールド重視型第1位 マネックス証券
幅広い金融商品の品揃えと、投資情報の充実度について強みを持つ証券会社です。特に、金融商品の面では、投信や債券といった長期的な視野での投資向きの金融商品について、品揃えやそれらに対する付帯サービスの充実度が高いといえます。さらに投資情報については、国内市況はもちろん、海外市況や金利・債券市況までも網羅するなど投資情報のカバー範囲が幅広く、各国の経済動向がグローバルに影響し合う昨今の状況に対応した情報サービスとなっています。そのほかにも、貸株サービスや、保有資産の資産クラス別パイチャート表示機能など、長期的な視野で投資を行うユーザーに役立つ機能やサービスの充実度は他社より一歩進んでいるといえます。

モバイルサービス第1位 松井証券
モバイルチャネルで提供される、投資情報の充実度、サービスの使いやすさともに優れたモバイルサービスとなっています。快適な操作インターフェースを実現している便利な取引アプリに加え、モバイルサイト上でも簡単操作での取引サイトへのログインを実現しているなど、モバイルの特性を活かした機動的な取引が可能です。また、モバイルサイト上でも顧客向けサポート情報を充実させているなど、パソコンからの利用を補完するだけにとどまらず、モバイルを主要な取引チャネルとして考えるユーザーにも配慮した優れたモバイルサービスとなっています。

【総評】
ユーザーの利用スタイルや投資性向に合わせて設定した顧客タイプ別のランキングでは、各ランキングで異なる証券会社が第1位を獲得しており、各社の手数料や商品・サービス戦略による「色」が明確に出た結果となっています。しかし、各ランキングで首位は異なるものの、上位の顔ぶれは同じサイトのランクインが多くなっており、オンラインで提供されるサービスについて改善の進むサイトとそうでないサイトとの差がより大きくなってきている傾向が見られます。
また、昨今の証券業界で生じた、株式以外の金融商品及びそれに関連するサービスの拡充競争、手数料の値下げ競争などに対する各社の対応の違いが、ランキング結果にも表れていました。「金融商品の幅広さ」では上位と下位の差が大きく開く結果となっており、「総費用」カテゴリについては、手数料競争の起こった上位企業のスコアが拮抗する状況となっています。また、東証の新売買システム「アローヘッド」稼働に対する対応も各社分かれており、対応が進むサイトでは板情報の拡充をはじめとしたサービス改善の動きが見られました。
そのほか、モバイルサービスについては全体的に点数が低めとなっており、オンライン証券全体としてあまり改善が進んでいない傾向が見られます。パケット定額サービスの普及や通信速度の高速化によってモバイルインターネットの重要度はますます高まってきており、この分野においては今後の改善が期待されます。

【カテゴリ別ランキング】

■ウェブサイトの使いやすさ■ウェブサイトの安定性と信頼感
1位8.48マネックス証券1位8.54マネックス証券
2位8.36クリック証券2位8.36大和証券(ダイワ・ダイレクト)
3位8.33日興コーディアル証券(ダイレクトコース)3位8.28SBI証券

■投資情報の充実度

■金融商品の幅広さ

1位8.45カブドットコム証券1位8.43SBI証券
2位8.27マネックス証券2位7.70楽天証券
3位8.12大和証券(ダイワ・ダイレクト)3位7.22マネックス証券

■便利な機能・サービス

■総費用

1位7.46マネックス証券1位9.70岡三オンライン証券
2位6.33カブドットコム証券2位9.67クリック証券
3位6.31SBI証券3位9.62SBI証券

【カテゴリ別ランキングの評価内容】

名称評価内容
ウェブサイトの使いやすさユーザーがWebサイト上で行う一連の操作(情報を集める、銘柄を探す、資料を請求する、取引をする、など)に関するユーザビリティを評価するカテゴリです。
ウェブサイトの安定性と信頼感ユーザーが安心してインターネットサービスを使うために必要となる各種施策(セキュリティ施策やユーザーサポート情報の提供)や情報公開状況(各種ディスクロージャやコンプライアンス事項への対応)を評価するカテゴリです。また、ウェブサイトの表示速度とその安定性についても調査します。
投資情報の充実度投資の意思決定に際して必要となるマーケット情報や銘柄情報などの各種投資情報の充実度を評価するカテゴリです。
金融商品の幅広さウェブサイト上で投資ができる金融商品の幅広さを評価するカテゴリです。
便利な機能・サービストレードツールや電子メール、特殊注文のような機能や顧客満足度を向上させるためのサービスなど、インターネットサービスの利用や取引を一層促進するための各種施策を評価するカテゴリです。
総費用さまざまな売買ケースにおける、株式売買手数料等のコスト面を評価するカテゴリです。

【調査手法について】
ユーザーの視点を基に、(1)「ウェブサイトの使いやすさ」、(2)「ウェブサイトの安定性と信頼感」、(3)「投資情報の充実度」、(4)「金融商品の幅広さ」、(5)「便利な機能・サービス」、(6)「総費用」の6つの切り口から設定した合計約1,500の調査項目により当社アナリストが評価を行います。顧客の利用タイプに応じた加重集計処理を行い、各ランキングの最終得点と順位を決定いたします。