2011年5月24日
株式会社サーチナ

サーチナ総合研究所(上海サーチナ) http://jp.searchina.com.cn/
森川慎一郎(同総研研究員) http://news.searchina.ne.jp/topic/morikawashinyichiro.html

 株式会社サーチナ(本社:東京都中央区)の中国現地法人である新秦商務咨詢(上海)有限公司(上海サーチナ=サーチナ総合研究所)は、中国の高速鉄道(時速200キロ以上)に関するトピックで設計した、中国消費者3,000人規模のインターネット調査を実施、その調査結果の一部を記事やコラムとして発表しました。

 中国では2007年にCRH型の高速鉄道車両が導入されて以降、中国全土で高速鉄道が急速に普及しています。CRH型はドイツや日本などの技術・原型車で、「和諧号」などの愛称でも親しまれ、現在、中国独自の開発も進められていると言われています。また、2005年に上海で商業運転を開始したリニアモーターカーも、他路線での建設が検討されています。

 2008年から世界的不況に対する内需拡大策として、中国の高速鉄道は断続的に投資され続けており、中国政府の発表によれば、2010年12月の時点で、中国の高速鉄道網は8,358キロメートルで世界一、そのうち2,197キロメートルは世界最高の営業速度である時速350キロに対応しているとされます。

 一方で、急激に膨らむ中国の高速鉄道網は、汚職の発生(2011年2月、現職鉄道相が高速鉄道建設に絡む汚職で解任されるという事件が発生)、大規模な投資が回収できるかどうか(高額チケットで不人気、との報道もあり、営業がうまくいかなければ、巨額負債が発生する可能性も)、環境アセスメントと建設中止命令、そして安全性(海外からも懸念が多く、今後、営業最高速度を時速350キロから時速300キロに減速することを決定)など、各種問題を噴出させています。

 今回の調査概要は、ここ(サーチナ総合研究所の自主調査結果レビューページ)から確認できます。また、サーチナ総合研究所研究員である森川慎一郎が、今回の調査結果と、中国消費者の高速鉄道に関する考えや行動、社会情勢などを絡めたコラムを執筆しています。

 サーチナ総合研究所では、47万人あまり(※1)の中国消費者モニターのデータベースを活用し、引き続き、テーマを絞った自主企画の調査を行ってまいります。

<調査結果分析コラム>
高速鉄道でも急騰する中国の住宅価格、観光など経済効果も(2011/05/23)
高速鉄道に関する中国人の複雑な感情、日本の技術は「高い」(2011/05/18)
中国が突如「技術国」に、日本は新たな対中戦略が必要(2011/05/16)
その他の森川慎一郎によるコラム・論説

<調査結果紹介記事>
高速鉄道の安全性、中国人の5人に1人が「不安」と回答(2011/05/23)
中国人の9割が「高速鉄道の発展」に賛成、経済効果に期待大(2011/05/20)
「300‐500km」の移動で利用者意向最多‐中国の高速鉄道(2011/05/19)
中国高速鉄道「チケット高い、でも利用価値アリ」―調査結果(2011/05/18)
中国高速鉄道「速さ」への評価、中国人の9割超す(2011/05/17)
利用頻度は収入に比例、出張での利用も―中国の高速鉄道(2011/05/16)
中国の高速鉄道、中国人の乗車傾向は沿海部と所得に比例(2011/05/13)

※1 2011年5月24日現在。最新のモニター数はこちらで毎日更新中。