2011年11月11日
SBIリサーチ株式会社

 中国国内におけるインターネット調査情報をもとに、日本の事業者に向けた情報・サービスを提供するSBIリサーチ株式会社(東京都港区 代表取締役:沖田 貴史、以下「SBIリサーチ」)は、「中国のオンラインショッピング業界に関する報告書(2)」(2010~2011年:企業編)の日本語版を発行いたしました。

※本報告書は、「上海艾瑞市场咨询有限公司」(上海アイリサーチコンサルティング有限公司 中国上海市 代表取締役:楊偉慶、以下「中国アイリサーチ社」)協力のもと、同社が中国国内で定期的に発表している中国のインターネット事情に関する報告書を日本語に翻訳したものとなります
中国のC2Cショッピングサイト上位3社における取引規模(2005~2010年)
中国のC2Cショッピングサイト上位3社における取引規模(2005~2010年)
・「淘宝網(taobao.com)」が他社を大きくリードし、2005年以降、毎年前年比2倍前後の成長を続けている。一方で、業界2位の「拍拍網(paipai.com)」は緩やかな成長を続け、「易趣網(eachnet.com)」は成長スピードが比較的遅い。
中国の総合百貨を取扱う、B2Cショッピングサイト上位4社における取引規模(2004~2010年)
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・2010年で比較すると、「京東商城(360buy.com)」が他サイトに圧倒的な差をつけ、中国のB2Cショッピング市場を大きくリードした。
「京東商城(360buy.com)」は、目下の増資計画も考慮し、今後の1~2年間は前年を大きく上回る成長を保ち続けるものと予測される。「卓越亜馬遜(amazon.cn)」、「当当網(dangdang.com)」は全体的に緩やかな成長を続けている。「一号店(yihaodian.com)」は2010年に大きく売上を伸ばしているが、これは金融ビジネスを行う平安グループによる投資と、新事業の開拓が起因しているものと考えられる。
(※)本データは、書籍、電化製品、日用品、食品など「総合百貨」を主に取扱う、中国B2Cショッピングサイトにおける、取引規模データとなります。
中国のアパレル製品を取扱う、B2Cショッピングサイト上位4社における取引規模
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・2010年におけるアパレル系B2Cサイト上位4社の取引規模成長率はいずれも、中国アイリサーチ社が分析する、中国のオンラインショッピング業界全体の平均を超える上昇を見せており、中国B2Cサイトにおける「アパレル製品」人気を物語っている。
「凡客誠品(vancl.com)」の成長スピードが最も著しい要因は、圧倒的なユーザの多さ、大規模なプロモーション、ユーザへの行き届いたサービスによるものと分析する。 一方、2010年10月に上場した「麦考林(m18.com)」については、成長スピードはやや緩やかではあるが、安定した業績を残していると言える。 「唯品会(VIPshop.com)」は、ブランド商品をディスカウントして販売する専門サイトであり、中国では同業界における代表的な存在だと言える。「梦芭莎(Moonbasa.com)」は、商品を下着類に限定していることから、他社よりは低い成長となっているが、ブランド力と商品ラインアップの充実に伴い、今後、高い成長が期待できる。

中国のオンラインショッピング業界における展望
・今後の中国オンラインショッピング業界は、「取引の国際化」、「産業のバリューチェーン化」、
「市場の細分化」といった傾向が現れると考えられる。

取引の国際化:
2010年における中国のオンラインショッピング市場では、クロスボーダー取引が頻繁に行われた。「淘宝網(taobao.com)」の「淘日本」や「Yahoo!Japan」の「ヤフーチャイナモール」などのクロスボーダーECサイトや、「李寧」、「eBay」による海外オンラインショップの設立、海外商品購入代行の増加など、インターネットが国際貿易のプラットフォームになりつつある。取引における国際化は、中国のオンラインショッピングの発展において今後も重要であると考えられる。

産業のバリューチェーン化:
物流から決済までをトータルサポートする、「淘宝網(taobao.com)」が掲げる「大淘宝計画」の実施、EC企業と物流業者との緊密な戦略的提携、ならびに第三者サービス事業者による電子商取引への参入等により、EC業界の最終的な産業バリューチェーンが形成されつつある。電子商取引のさらなる発展に伴い、EC企業、物流業者、金融機関、人材、システムメンテナンス業者、リサーチ会社、広告会社など、各産業間の連携がより緊密になっている。この新たな産業バリューチェーンが、電子商取引の発展における次世代のトレンドとなりつつある。

市場の細分化:
「淘宝商城(tmall.com)」の「名靴館(xie.tmall.com)」、「家装館(jia.tmall.com)」といった、靴やインテリアなど、取扱商品を特定の分野に特化して販売する新コンテンツの立ち上げや、靴専用サイト「好楽買(okbuy.com)」、鞄専用サイト「麦包包(mbaobao.com)」といった垂直型ショッピングサイトなど、一つのカテゴリに特化したサイトが現れている。企業として、商品のバリエーションを豊富にし、経営範囲を拡大すると同時に、商品カテゴリ別に特化したサイト運用が、発展の一大トレンドとなりつつある。

◆その他の主なトピックス
-中国インターネットショッピングC2C市場
・上位企業の基本情報
・月間アクセス数
・コンバージョン率
-中国インターネットショッピングB2C市場
・上位企業の基本情報
・月間アクセス数
・コンバージョン率

-中国インターネットショッピング(アパレル)市場
・上位企業の基本情報

・月間アクセス数
・コンバージョン率

 なお、次回は「中国の微博(マイクロブログ)の発展とユーザに関する報告書(1)(2010年)」を発行する予定です。

 今後もSBIリサーチは、日本の事業者を対象に、中国でのEC展開において有益な、最新で正確な現地のインターネット事情を取りまとめた報告書を毎月発行してまいります。

 

◆研究方法について
  本報告書は、主として中国アイリサーチ社が行った業界へのインタビューやオンライン調査を総合的に分析した上、まとめたものです。
  業界へのインタビューでは業界のスペシャリストおよび関連企業担当者、エージェントに詳細なインタビューを行うことで関連業界の主要情況を把握し、販売や市場等に関するデータを取得しています。
  オンライン調査では、中国アイリサーチ社のインターネットユーザに対する観測・研究システム「iUser Tracker」と、電子商取引領域を総合的に観測・研究するデータプロダクト「Ecommerce Plus」を使用したユーザへの調査データと一部の公開情報(※)を比較し、最終的に業界規模のデータを構築しています。
(※)政府が公布するデータ・業界の公開情報・企業年報や季報・業界専門家の見解
 

その他のデータ、グラフ、情報などをご希望の方は、お気軽に以下にお問い合わせください。
【SBIリサーチ報告書 お問い合わせ・購入お申込みフォーム】
https://www.veritrans.co.jp/contact/sbiresearch_form.html

 

◆中国インターネット事情に関する報告書について
  本報告書は、中国アイリサーチ社協力のもと、同社が中国国内で定期的に発表している中国のインターネット事情に関する報告書を日本語に翻訳したものとなります
  中国アイリサーチ社は、中国全域に様々なリサーチ網を有し、最新かつ正確なデータ分析のもと、報告書を作成しております。SBI リサーチが日本語版を発行することにより、日本の事業者は日本で得ることが難しい現地のインターネット事情をいち早く入手することが可能となります。

 

【SBI リサーチ株式会社について】

社名 SBI リサーチ株式会社
設立年月日 2009年11月5日
代表者 代表者: 代表取締役 執行役員Co-CEO 沖田 貴史
取締役 執行役員Co-CEO 楊 偉慶
事業内容 ・中国アイリサーチ社が中国国内で発表している各種インターネット白書の翻訳販売
・各企業向けにカスタマイズした個別調査などの中国市場調査事業
・中国へ向けたプロモーション展開を行う事業者の広告業務
・中国での商標権に関するコンサルティング業務
URL http://www.sbi-research.jp/

以上