2016年12月22日
モーニングスター株式会社

中立的な第三者としての立場からEコマースや各種ウェブサイトの客観的な評価・比較を行うモーニングスター株式会社(以下、当社)は、「Gomez地方銀行サイトランキング2016」をGomezのウェブサイト(http://www.gomez.co.jp/)で発表しました。

地方でのインターネット利用が広がり、顧客とのコミュニケーションチャネルとして地域金融機関のウェブサイトが持つ重要性は日々増大しています。各種金融商品やサービス、店舗やATMの案内などが掲載されたウェブサイトは、インターネットバンキングを利用しない窓口利用中心の顧客層にとっても、重要な情報収集媒体としての役割を持ちます。

当社は、地域金融の中核を担う地方銀行・第二地方銀行のウェブサイト、とりわけ顧客とのコミュニケーションの起点となるプロモーションサイト(ログイン前の一般ユーザー向けサイト)のユーザビリティやコンテンツを評価したランキング調査を毎年実施しており、今回で6回目の発表となります。当ランキングでは、「機能性・使いやすさ」と「商品・サービス情報の充実度」の2つの視点から構成される172の調査項目により当社のアナリストが評価を行い、総合的に優れた地方銀行サイトのランキングを決定します。

「Gomez地方銀行サイトランキング2016」総合得点上位10サイトは、以下のようになりました。

順位 得点 銀行名 前回※
1位 8.50 横浜銀行 1位
2位 8.47 千葉銀行 2位
3位 8.28 北洋銀行 5位
4位 7.83 北陸銀行 12位
5位 7.80 京葉銀行 3位
6位 7.76 第四銀行 6位
7位 7.73 伊予銀行 13位
8位 7.63 広島銀行 4位
9位 7.60 群馬銀行 7位
10位 7.58 常陽銀行 8位

※前回は2015年10月15日発表

【カテゴリ別ランキング】

■ 機能性・使いやすさ
順位 得点 銀行名
1位 8.33 千葉銀行
2位 8.25 横浜銀行
3位 8.13 北洋銀行
4位 7.76 千葉興業銀行
5位 7.74 伊予銀行
  ■ 商品・サービス情報の充実度
順位 得点 銀行名
1位 8.74 横浜銀行
2位 8.61 千葉銀行
3位 8.49 北陸銀行
4位 8.43 北洋銀行
5位 8.26 群馬銀行

【上位サイトの特徴】

「Gomez地方銀行サイトランキング2016」の総合1位は、4年連続で「横浜銀行」となりました。総合スコアは8.50点を獲得し、カテゴリ別では、「商品・サービス情報の充実度」で1位、「機能性・使いやすさ」で2位となりました。ユーザーが各種金融商品選択の際に手助けとなるツールを多く用意しています。例えば住宅ローンシミュレーションは、借入希望額から返済額を算出するシミュレーションのほか、年収から借入可能額がわかるシミュレーション、返済希望額から借入可能額がわかるシミュレーションなど複数用意しており、ユーザーニーズを考慮した充実したウェブサイトです。

総合第2位は「千葉銀行」となりました。カテゴリ別では、「機能性・使いやすさ」で1位、「商品・サービス情報の充実度」で2位となりました。トップページのリニューアルに伴いボタンサイズは、より大きく変更され、タブレット端末でもタップしやすいデザイン構成になっています。画面上に大きく設置されているバナー領域は、次々とキャンペーン情報などを自動で切り替えて商品訴求をしていますが、閲覧者が動きを止められるように停止ボタンを設置しており、ウェブ・アクセシビリティへの配慮がなされています。

総合第3位は「北洋銀行」となりました。カテゴリ別では、「機能性・使いやすさ」で3位、「商品・サービス情報の充実度」で4位となりました。ウェブサイト全体を通して、文字サイズやアイコンサイズが大きく適切なものを採用しています。また、テキストリンク箇所には下線を引き、訪問済みのリンク箇所には色彩変化をつけるなど可読性・視認性向上のための工夫が随所に施されている良いウェブサイトです。

【全体的な傾向】

地方銀行におけるウェブサイト改善の動きは引き続き活発です。ウェブサイト閲覧環境とデバイスの多様化に伴い、スマートフォンおよびタブレット端末に対応したサイト構築の重要性はますます高まっています。
今回ノミネートした63行すべてのサイトが、トップページをスマートフォンに最適化しているほか、全体の63%の地方銀行で口座開設やインターネットバンキング用などのスマートフォン向けアプリを提供しています。一方で、画面幅に応じて表示が自動的に切り替わるレスポンシブデザインやリキッドデザインを採用しているサイトは6サイトで、タブレット端末にも最適化しているサイトは3サイトのみでした。利用者が増加傾向にあるタブレット端末への対応も今後は考慮にいれるべきでしょう。

2016年3月にウェブ・アクセシビリティに関連するJIS規格が改定され「JIS X 8341-3:2016」が公示されたこと、また2016年4月から障害者差別解消法が施行されたことを受け、ウェブサイトの運営において、アクセシビリティ対応は注目されています。地方銀行におけるウェブサイトにおいても、高齢者や障害をお持ちの方に配慮したウェブサイト設計が求められています。文字の大きさや色のコントラスト、可読性の確保など、あらゆる閲覧状況に配慮した取り組みがますます重要になっています。 

【調査概要】

調査期間 ・ 2016年11月25日~12月15日
・ ランキング結果は12月15日までの各社サイトに基づいています。
調査対象
・ 地域金融の中核を担う地方銀行と第二地銀(協会会員行)を予選調査の対象とします。
・ 上記を対象として予選調査を行い、そのうち一定水準以上のクオリティを持つ63サイトをランキングにノミネートし、スコアリングの対象とします。
調査範囲
・ ログイン前の一般ユーザー向けプロモーションサイトを評価対象とします。
・ ログイン後のインターネットバンキングサービスは評価対象外となっています。

【評価方法】

本調査では、「機能性・使いやすさ」「商品・サービス情報の充実度」の2つの切り口から設定された172の調査項目に基づいて当社のアナリストが調査を行います。主な評価内容は以下のとおりです。
カテゴリ名称 評価内容
機能性・使いやすさ ウェブサイトの使いやすさを評価するカテゴリです。(1)メニューとナビゲーション、(2)コンテンツの使いやすさ、(3)デザインとアクセシビリティ、(4)安定性と信頼感、(5)情報検索とユーティリティ機能などが評価のポイントとなります。
商品・サービス情報の充実度 ウェブサイトの情報量を評価するカテゴリです。(1)インターネットサービス情報、(2)貯蓄性商品に関する情報、(3)投資性商品に関する情報、(4)ローン商品に関する情報、(5)会社・店舗・ATM情報などが評価のポイントとなります。

以上