2018年8月14日
モーニングスター株式会社

 中立的な第三者としての立場からEコマースや各種ウェブサイトの客観的な評価・比較を行うモーニングスター株式会社(以下、当社)は、「Gomez売買不動産情報アプリランキング」をGomezのウェブサイト(http://www.gomez.co.jp/)で発表しました。

「Gomez売買不動産情報アプリランキング」は、売買不動産情報を提供するスマートフォンアプリの使い勝手やクオリティを、ユーザーの視点から評価することを目的としています。

 総務省の通信利用動向調査によりますと、インターネットの利用端末は、パソコンが58.6%と最も高く、次いでスマートフォンが57.9%(同3.6ポイント増)、タブレット型端末が23.6%(同5.3ポイント増)となり、なおスマートフォンやタブレット端末の利用者が年々増加傾向にあります。それに伴いスマートフォンアプリも活用されています。
アプリ特有の機能や使い勝手、多くの情報を整理して表現する重要性はますます高まることから、本年度はアプリを対象に調査を行いました。なおアプリでは、物件検索や相場価格などの情報は個別にアプリを用意していることが多く見受けられます。本調査では、売買不動産情報を総合的に提供しているアプリを対象に評価をしています。

 当ランキングでは、「アプリの使いやすさ」「情報量とコンテンツ」「安定性と信頼感」「便利な機能・サービス」の4つの視点(カテゴリ)から構成される126の調査項目により当社アナリストが評価を行い、総合的に優れた売買不動産情報アプリのランキングを決定します。

 「Gomez売買不動産情報アプリランキング」の結果は、以下のとおりです。

■総合得点

順位 得点 アプリ名(運営会社)
1位 7.59 SUUMO(リクルート住まいカンパニー)
2位 7.49 LIFULL HOME'S(LIFULL)
3位 6.86 アットホーム(アットホーム)
4位 6.47 Yahoo!不動産(ヤフー)
5位 5.39 ホームアドパーク(アドパークコミュニケーションズ)

【上位アプリの特徴】

総合第1位は、SUUMO(運営会社:リクルート住まいカンパニー)となりました。カテゴリ別では、「アプリの使いやすさ」と「安定性と信頼感」、「便利な機能・サービス」の3カテゴリで1位を獲得しています。
物件詳細画面では、支払い例を掲載しているほか、物件購入時の頭金や返済期間を自由に設定できる支払額シミュレーションを用意しています。シミュレーション画面遷移時には、物件価格、管理費、修繕積立金などの既情報は自動セットされており、利用者の使いやすさに配慮しています。
物件取扱店舗の情報は、基本的な会社情報に加えて、利用者からの接客評価を掲載しています。取扱店舗の情報は、所在地情報だけではなく利用者にとって安心感につながる重要なポイントといえます。
また、物件地図情報では、複数の最寄り駅からの道順検索機能があるなど、随所にきめ細やかな工夫を施している優れたアプリです。

総合第2位は、LIFULL HOME'S(運営会社:LIFULL)となりました。カテゴリ別では、「情報量とコンテンツ」カテゴリで1位を獲得しています。
LIFULL HOME'Sでは、検索画面は、物件種別に限らず1つに集約しています。そのため、売買や賃貸に限らず、同じ画面で一度にまとめて検索が実行でき、結果は種別を問わずに同時に確認ができます。
新着物件をお知らせする機能では、賃貸、売買ともに指定した検索条件を保存することができ、個別にお知らせの可否を変更することができます。

総合第3位は、アットホーム(運営会社:アットホーム)となりました。
アットホームでは、トップ画面から不動産会社を探すことができるほか、不動産会社を20件までお気に入りに登録することができます。提供されている不動産会社の情報量は非常に多く、担当者別に担当物件を検索できるなど独自の機能を備えています。 またお気に入り登録物件は、お気に入り度合いを自由に設定できるほか、利用者が自由に書き込めるメモを表示できるなど利用者の使いやすさに配慮しています。

【全体的な傾向】
不動産情報アプリ全体的な傾向として、他社との差別化を図り独自のサービスを盛り込んでいるアプリが多く見られます。最新技術AR(拡張現実)を利用した新たなサービスを展開する取り組みのほか、基本検索機能では、指定した駅のみ検索対象から外すことや、近隣の都道府県を含んだ検索結果を表示させることなど、利用者の使いやすさに配慮した機能を用意しています。一方で画面内には、ウェブサイトが表示される箇所やブラウザに遷移してしまう場合が散見されます。アプリ専用に画面を用意し、ユーザーが混乱しないような設計をすることが重要です。
今後、ますます人工知能などによる機能の充実が見込まれる中、多様化したユーザーニーズや潜在ニーズをとらえた検索軸の用意をし、提案型のサービスを展開するとともに、常にユーザーの視点に立ったアプリづくりが望まれます。

【調査概要】

調査期間 ・ 2018年7月17日~7月31日
・ ランキング結果は7月31日までのアプリに基づいています。
調査対象 Gomez売買不動産情報アプリランキングでは、iOSを対象とし、売買不動産物件情報の閲覧および、問い合わせが可能な日本国内の不動産情報アプリをノミネートしています。
具体的には、下記のノミネート基準を満たすアプリを調査対象としています。
・ 個人向け売買住宅の情報を提供していること
・ 広い地域にわたる不動産物件情報を提供していること
・ 不動産会社から物件情報の提供を受けていること(但し不動産情報サイトから受けている場合も、一定の基準を満たす場合は含む)
・ その他、当社調査において一定以上の水準を満たすこと

【評価方法】

本調査では、アプリの利便性をさまざまな角度から分析・評価するために、以下の4つのカテゴリからなる126項目のランキング・スコアカードを用います。各カテゴリの主な評価内容は以下のとおりです。
カテゴリ名称 評価内容
アプリの使いやすさ アプリ全体の使いやすさを評価するカテゴリです。ページ構成、ナビゲーション構造など基本構成を中核とし、物件検索機能などを総合的に評価しています。
情報量とコンテンツ アプリに掲載されている各種コンテンツの情報量やページ構成を評価するカテゴリです。
物件検索ページや物件ページの構成、特集コンテンツなどが調査の対象となります。
安定性と信頼感 ユーザーが安心してアプリを利用するための取り組みを評価するカテゴリです。
表示速度の状況、問い合わせのわかりやすさ、各種方針開示などが調査の対象となります。
便利な機能・サービス その他、さまざまな付帯サービスの充実度を評価するカテゴリです。検索条件項目の多様性や会員向けサービス、レコメンド対応など、さまざまな施策が調査の対象となります。

以上