SBIグループは、「日本のSBIから世界のSBIへ」をスローガンに、海外における事業展開を拡大してきました。現在、国内外営業の一体化を推進し、海外事業の収益力を一層高めることを目指しています。
主な重点地域としては、急速に成長を遂げるASEAN諸国が挙げられます。既に経済規模において注目すべき存在であり、将来性についても大きな期待ができる地域です。金利の低い市場から高い市場へ、成熟し経済成長率の低い国から高い国へと資金が流れるのは金融の本質であるという考えのもと、当社グループは早くから東南アジアにおける事業展開に注力してきましたが、引き続き更なる拡大を図っていきます。

グローバルに事業を拡大

今後は、東南アジア以外の地域での金融サービスの展開にも注力していきます。その一つがロンドンを軸とした海外における日本株ビジネスの強化で、SBI Shinsei Internationalがその中心的な役割を担います。同社は欧州および中東における投融資案件の情報をSBI新生銀行に提供するほか、英国投資家に対するSBI証券の日本市場に関する調査・分析情報の提供やコーポレートアクセス、アドバイザリーサービスの提供、当社グループ各社に対する欧州拠点機能の提供等、欧州における幅広い役割を果たします。
また、世界のマネーが集まる中東は、当社グループにとっても重要な地域であり、2023年12月には、世界最大級の総合エネルギー・化学企業であるAramco社と業務提携の検討に向けた基本合意書を締結したほか、2024年2月には中東地域における更なる事業拡大を目指して、サウジアラビアの首都リヤドに現地法人となるSBI Middle Eastを開設しました。そして5月には、サウジアラビア投資省や複数の有力企業と様々な分野における提携に向けて基本合意書を締結しており、着実に取り組みが進展しています。 更に、アラブ首長国連邦(UAE)においても有力企業との事業提携を広げており、英国金融大手Standard Chartered Bank社傘下のSC Ventures社との事業提携を通じ、UAEにおいてDeFiやメタバースなどの領域へ投資する1億ドル規模の合弁ファンドの運用を2024年1月から開始しています。
ラストフロンティアとして、今後の急成長が期待されるアフリカ地域にも着目しており、2023年11月にはアフリカへの投資を行う英国のベンチャーキャピタルNovastar社と戦略的資本提携契約を締結しました。当社からは同社が運用するファンドへ4,000万米ドルの投資を行うことに加え、日本の投資家による同社ファンドへの投資を支援し、Novastar社は当社グループとの共同投資機会の推進およびアフリカ市場に対する知見の提供などを行います。