もともとSBIグループ内で損害保険商品のマーケティングに携わっていましたが、グループ各社によって広告の出稿規模が様々な中で、取扱商品が多く、グループ内でも有数の顧客基盤[現在(2019年6月)の口座数は360万超]を有する住信SBIネット銀行でマーケティング業務の幅を広げたいと思い異動しました。
同じマーケティング部門ですので仕事のベースはそれまでの経験が活かせる部分もありましたが、会社の規模などが違うので当社に異動してきたことで新しいことにもチャレンジができるようになりました。施策の選択肢は大きく広がったと思います。
異動後はカードローンや目的ローンといったローン商品のマーケティングを担当していたのですが、組織変更があり、そうした個別商品のプロモーションは所管部署がそれぞれ担当することになったので、現在は顧客基盤の拡大につなげる口座開設のマーケティングを手掛けています。例えば、当社はインターネット専業銀行でもあり、また当社の潜在顧客と広告との接触機会もインターネットが主流になっていますから、基本的なことですがリスティング広告やディスプレイ広告、アフィリエイト広告を中心にマーケティングを担当しています。
マーケティングの仕事は限られた予算内で最大限の件数を獲得していくことが大前提ですので、お客様の属性を踏まえた上でどういう媒体に広告を出していくか、知恵を絞ってどういう工夫ができるかを常に意識して調整しています。ランディングページや、入力フォームの改善がどのように口座開設の申込率向上につながるのかという点も検証します。
また、当社の場合はサービスの顧客便益性が高いこともお客様に当社を知って頂くきっかけになっており、例えば、ATMや振込手数料が最大月15回無料になるという点は口座開設時の大きなフックになっていますし、4月にはMastercardブランドで日本初となるコンタクトレス機能搭載のデビット付キャッシュカード「ミライノ デビット(Mastercard)」の取り扱いも開始し、そうした本邦初の商品も当社の認知拡大に寄与しています。
技術の進歩で新しい広告メニューが次々と出てきますので、マーケティングに携わっていると常に新しいものに触れることができるのが今の仕事の面白い点です。また、実は就職活動をしているときから興味があったのがマーケティングの仕事でした。スマートフォンなどでWebサイトを閲覧していると大体“広告”が表示されます。そういうときの広告はつい邪魔だなと思ってしまうのですが、常に私たちの身の回りにあり、世の中を動かしているのが不思議だなと思ったのがきっかけでもっと深く知りたいと感じていたのです。結局、広告業界は就職先として選びませんでしたが、結果的にそうした仕事が今できているということも、今の仕事が面白いと思える一因になっています。
印象に残っている仕事は、方針変更によって短期間で多額の広告出稿を準備しなければならなかったことです。ただ申込数を増やすだけではなく質も重視される商品で、出稿先の選定から一人でプランを作成するのが大変だったのでとても印象に残っています。日ごろお世話になっている複数の広告代理店にこちらの現状と要望を伝えた上で何ができるかということを一斉に相談しました。結果的に複数の広告代理店と調整しながら、無事に進めることができました。
マーケティング部では一人一人の担当者に裁量を与えて頂けることが多いので、このように通常のプロモーションであればそれぞれの担当者でどういったことをやっていくかを決定し実行まで一貫して担当できることが多いです。私自身スケジュールをしっかり立てて自分自身の仕事を管理することを心掛けています。また、日常的にレスポンスを速くすることも意識しています。自分のレスポンスが速ければ、社外の方でもそのペースに合わせて速く対応してくださる場合が多いので、仕事を進めていく上でレスポンスの速さを心掛けることは良いことなんだなと実感しています。
現在マーケティング部では会社全体のマーケティングをサポートするのと同時に、ブランディングにも力を入れていくという役割があり、例えば今年の4月にWebサイトを全面リニューアルしました。新しいスローガンは「つくる、かわる、ミライ」です。数千ある全てのページを新しくしたので、かなり大がかりなプロジェクトでした。
Webサイトがリリースされるまでの半年間は私自身もページの所管部と制作側の間に入りディレクションの業務をしていました。また、広告の計測環境がどんどん変化しているので、その変化に合わせた対応もしています。単純に口座開設の広告出稿だけをやるというよりは、他商品のマーケティングサポートや、時期によってはキャンペーンも並行的に複数担当しますし、Webサイトの改善作業もありますので、マーケティングの仕事に対して華やかなイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はとても細かい仕事も多いんです。
今後は、これまで積み上げてきたマーケティングのスキルを活かして、色々な商品に携わりたいと考えています。商品が変わればマーケティングのやり方も違ってきますし、常に新しいマーケティング手法も出てくるので、そうした点を学び続けていきたいと思います。