2003年8月8日
松井証券株式会社
イー・トレード証券株式会社
DLJディレクトSFG証券株式会社
カブドットコム証券株式会社

インターネット証券大手4社、松井証券株式会社(代表取締役社長:松井道夫)、イー・トレード証券株式会社(代表取締役社長:井土太良)、DLJディレクトSFG証券株式会社(代表取締役社長:國重惇史)、カブドットコム証券株式会社(代表取締役COO:齋藤正勝)は、本日、4社による懇話会を発足させました。

これまで4社は、共同で新規上場企業に対し、4社合計の手口情報提供サービスを開始する他、不正取引の防止を目的に、顧客管理マニュアルや基準の作成など、コンプライアンス体制の強化について、実務レベルで協議を開始してまいりましたが、今回正式に懇話会を発足いたしました。インターネット証券4社懇話会では、今後も株式市場の活性化や、インターネット取引の透明度の向上に努めてまいります。

なお、本日、4社は株式会社東京証券取引所に対して、夜間取引市場の開設に関する要望書を提出いたしました。内容は以下の通りです。

夜間取引市場の開設に関する要望書

平成12年の7月~10月にかけて開催された夜間取引市場に関するワーキング・グループ(東京証券取引所主催)において、「時期尚早」という答申により延期された夜間取引市場につきまして、再度開設をご検討いただきますよう要望いたします。

【証券業界の変化】

「時期尚早」との答申が出されてから、3年が経過しようとしています。ドッグイヤーといわれるほど変化の激しい時代において、3年という月日はあまりにも長いというのが実感です。事実、この3年で証券業界にも大きな変化がありました。世界的な証券取引所の再編の動き、証券取引所の株式会社化、市場間競争、インターネット取引の拡大など、数えあげれば切りがありません。

【個人投資家の動向】

この三年間では個人投資家の動向にも非常に大きな変化が起こりました。平成12年度上期には19%であった個人売買に占めるオンライン比率も、平成14年度下期には55%と過半数を超えるまで増加(日本証券業協会資料)しております。この流れは継続しており、平成15年になっても、月によっては8割近いという、当時では考えられないようなオンライン比率となっております。また、昨年11月に東証取引参加者協会証券経営委員会第二部会が個人投資家(4,369名)に対して行ったアンケート調査においても、81%に及ぶ個人投資家が夜間取引の取引意向(是非、取引を行いたい・・・42.7%、取引を行う可能性がある・・・37.9%)があるとの回答をしています。まさに、昼間働いている個人投資家(サラリーマン層)にとって夜間取引のニーズが高いことを物語っているといえます。

また、情報のグローバル化も更に進んでおり、個人投資家は海外市場に関する様々な情報ですら瞬時に取得できる環境が整ってきております。日本市場が終了した後のヨーロッパ市場、さらにはアメリカ市場の相場動向が翌日の日本の相場動向に与える影響がさらに高まってきているといえます。こうした環境変化も個人投資家の夜間取引を行いたいとの意向に大きく影響を与えていると考えられます。

つまり、個人投資家の目線に立った議論が、新しい時代には必要ではないかということです。そしてそのような世論が醸成されつつある事を真摯に受け止める時機が到来したものと考えます。

【注文件数の増大】

インターネット取引の拡大は、その利便性とともに、取引単位の小口化などを伴って注文件数を増大させる傾向があります。今後、相場が回復するにしたがって、この傾向がより顕著に表れてくることは容易に想像できます。先日、大量の注文が集中したため貴社のシステムに予想以上の負荷が掛かったことは、記憶に新しいところです。

夜間取引市場を開設することによって、注文を分散させることができれば、取引所システムへの負荷を大幅に軽減することができます。システムダウンやシステムトラブルの懸念を払拭することは、公正な株価形成にとって何よりも重要であると考えますし、貴社に対する投資家の信頼にも直結します。

【日本の株式市場活性化に向けて】

こうして考えてみると、夜間取引市場の開設も、既に機が熟したといえるのではないでしょうか。3年の猶予期間中にコンプライアンス体制の強化など、夜間取引市場への参加によって発生する問題は、各証券会社において十分に検討されていると思われます。

この間、政策的にも市場活性化に向けては様々な取り組みがなされています。例えば、単元株制度の導入による取引額の小口化、譲渡益課税の引下げ、売買損の繰越期間の延長、配当課税の引下げ等々です。いずれも幅広い個人投資家の株式市場への参加を促すものといえます。これら施策の効果を一層確かなものとし、株式市場を活性化するためにも、夜間取引市場の開設を再度要望いたします。

以上