2010年8月19日
SBIホールディングス株式会社

 当社グループの運営ファンドの出資先である米国の開発段階医薬品会社、クォーク・ファーマシューティカルズ社(グループ出資比率36.02%、以下、「クォーク社」)は2010 年8月18日(現地時間)、同社が開発したsiRNA化合物『QPI-1002』の開発、販売に関する独占的ライセンスを取得するオプションを、ノバルティス社に付与したことを発表いたしましたので、以下の通りお知らせします。

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 2010年8月18日、カルフォルニア州・フレモントのクォーク社は、同社が開発したsiRNA化合物『QPI-1002』に関する開発、販売に関する独占的ライセンスを取得するオプションをノバルティス社に与えたと発表しました。

 クォーク社はまず1000万米ドルを受け取り、ノバルティスがこのオプションを行使した場合、総額6億7000万米ドルとなるオプション行使費用とマイルストーンペイメントを受け取ることになります。なお、この総額はライセンス付与対象国の拡大により増額されることになっています。加えて、クォーク社はライセンスされた製品販売に対するロイヤルティーを受領する権利も有することになります。

 クォーク社のダニエル・ズール代表取締役兼最高経営責任者は、「この度、ノバルティス社と今回の合意に達したことを非常に光栄に思っています。ノバルティス社は当社にとって優れたパートナーであると確信しております。ノバルティス社は移植および救急治療における世界トップの専門知識を有しており、大規模な心臓血管手術後の臓器機能障害(AKI)防止ならびに腎臓移植患者の臓器移植後臓器機能障害(DGF)防止の開発における『QPI-1002』の世界的開発にとって、極めて有益なサポートをしてくれることでしょう。
また『QPI-1002』は、細胞のアポトーシス死の主な要因である『p53遺伝子』から、虚血など重度のストレスによる細胞の死滅を防ぐことを可能とし、これはノバルティス社にとって追加適用症に対する新しい治療法を発見する機会を提供することとなるでしょう」とのコメントを発表しました。

『QPI-1002』について
『QPI-1002』は、クォーク社の独自特許に基づいて化学合成されたsiRNA化合物です。これは、ストレス反応の伝達において主要な役割を担う『p53遺伝子』を標的としており、細胞の損傷時に『p53遺伝子』を一時的に抑制することで脆弱な細胞が自発的に細胞死することを防ぎ、自然修復のメカニズムによる細胞組織の統合と機能を温存する効果をもたらします。なお、『QPI-1002』は、腎臓に関する臓器移植手術後の機能障害(DGF)防止のために米食品医薬局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)から希少疾病用医薬品制度の指定を受けています。

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以上