2011年10月28日
SBIアラプロモ株式会社

 SBIホールディングス株式会社の子会社で 5-アミノレブリン酸(ALA)(※1)を利用した化粧品、健康食品、医薬品の研究・開発等を行っているSBIアラプロモ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員CEO:北尾 吉孝、以下「当社」)は京都府立医科大学大辻教授、村山助教らのグループとの共同研究でALAを用いたがんの光動力学的診断(ALA-PDD)において、胃がん腹膜播種やリンパ節転移の検出に成功しました。このたび、本研究結果を2011年10月27日に開催された日本癌治療学会第49回学術総会にて発表いたしましたのでお知らせいたします。

ALA-PDDはALAを経口投与し、がん細胞に選択的に蓄積するプロトポルフィリンIX(PPIX)の発する蛍光によりがん細胞を検出する診断方法で、幅広いがん種に適用可能であると考えられております。現在、当社ではすでに、緊急性の高い脳腫瘍の術中診断薬としての開発を進めております。
進行胃がんにおきましては、胃壁を貫いたがん細胞が腹腔内にこぼれ広がっていく「腹膜播種」やリンパ節転移が再発原因として恐れられていますが、既存の画像検査では見つけにくく、特に微小なものや平坦なものの検出は困難です。
大辻教授らはこれまで腹膜播種へのALA-PDDの研究を進めており、その成果は一部NHKの科学教育番組「サイエンスZero」でも取り上げられております。今回の発表では胃がんの腹膜播種やリンパ節転移への有効例が示されました。
ALA-PDDは取り残しを防ぐ手術中の補助、切除範囲を最小限に抑え患者様のQOLを良好に保つことや適切な治療選択をするうえで重要な診断法となることが期待されます。

当社はALA-PDDの研究を進めることでがんと戦う多くの患者様のお役に立てるよう、一層努力してまいります。
また、ALAの研究成果と最新情報は、ALAplus研究所(URL:http://www.ala-plus.jp/)からも発信してまいります。

用語解説
※1 体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやチトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与するタンパク質の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。ALAは、焼酎粕や赤ワイン、かいわれ大根等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。

以上