2012年10月30日
SBIホールディングス株式会社
SBIファーマ株式会社

 SBIホールディングス株式会社の子会社で 5-アミノレブリン酸(ALA)(※1)を利用した医薬品、健康食品及び化粧品の研究・開発等を行っているSBIファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員CEO:北尾 吉孝、以下「SBIファーマ」)は、がん化学療法による貧血(※2)を対象とした5-アミノレブリン酸塩酸塩を含む製剤の第Ⅰ相臨床試験を英国において実施するために、英国医薬品庁(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)に治験申請(CTA:Clinical Trial Application)を提出しましたのでお知らせいたします。

 がん化学療法による貧血とは、がん化学療法剤の副作用の1つで、治療を受けているがん患者のうち、43.2%(※3)が貧血症状を有するとも言われております。現在、がん化学療法による貧血の治療においては、赤血球輸血やエリスロポエチン製剤が用いられていますが、それぞれ投与方法によっては副作用があり、処方に制限があります。このように、がん化学療法剤による貧血に対する決定的な治療法は現在確立されておらず、その開発が急務となっております。
 なお、5-アミノレブリン酸塩酸塩を含む製剤は、造血能を活性化することにより、貧血症状を改善することが期待されております。
 英国医薬品庁にて受理され次第、年内にも英国において臨床試験を開始する予定であり、本試験では健康な被験者において本剤の安全性を検討し、次相臨床試験に繋げるものです。

 SBIファーマはアンメットメディカルニーズに応える医薬品を世界中の一人でも多くの方に提供できるよう、今後もALAの様々な可能性を追求し、医薬品等の研究開発に努めてまいります。

(※1)5-アミノレブリン酸(ALA)とは:体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与するタンパク質の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。ALAは、焼酎粕や赤ワイン、かいわれ大根等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。
(※2)がん化学療法による貧血とは:化学療法を用いたがん治療に伴う骨髄抑制などを原因とし、赤血球産生能力の低下によって生じる貧血症状を指します。化学療法は、がん細胞を壊す作用もありますが、同時に正常細胞にもダメージを与えてしまいます。特に血液を造っている骨髄はその影響を受けやすく、貧血を含む様々な症状が現れます。
(※3):データ出所 Wu Y, Aravind S, Ranganathan G, Martin A, Nalysnyk L. Clin Ther. 2009;31:2416-2432.

以上