2021年1月15日
SBIホールディングス株式会社
photonamic GmbH & Co. KG

 SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:北尾 吉孝)の子会社で、5-アミノレブリン酸(5-ALA)(※)を利用した医薬品開発事業を手掛けるphotonamic GmbH & Co. KG(本社:Pinneberg, Germany、代表: Ulrich Kosciessa, Ph.D.、以下「フォトナミック社」)の子会社である米国のNX Development Corp.(本社:米国ケンタッキー州レキシントン市、共同創業者兼CEO:Alan Ezrin, Ph.D. 以下「NXDC社」)が悪性神経膠腫の術中診断薬として米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得している“Gleolan®”(以下「本剤」)について、髄膜腫への適応拡大に向けた臨床試験を進めており、このたびFDAより髄膜腫に対するオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を取得しましたのでお知らせいたします。

 なお、本資料は1月12日にNXDC社が発表したプレスリリースを日本語に抄訳したもので、参考資料として提供するものです。その内容および解釈については英文プレスリリースが優先されますのでご参照ください。

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フォトナミック社の完全子会社であるNXDC社は、髄膜腫の外科的切除を受けている患者の腫瘍組織を可視化するための光学イメージング剤として開発中のGleolan®がFDAよりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受けたことを発表しました。Gleolan®は現在、米国で神経膠腫の(術前画像で世界保健機関(WHO)のグレードIIIまたはIVが疑われる)患者に対して、手術中の悪性組織の可視化の補助を適応として承認されています。オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)は、希少疾患または病態の治療、予防、または診断を目的とした医薬品が指定を受けます。

髄膜腫は、脳と脊髄を取り巻く膜に発生する腫瘍であり、すべての原発性脳腫瘍の約36%を占めます。腫瘍塊の外科的減量は、この希少疾患の治療において重要な役割を担います。

NXDC社の共同創業者兼CEOであるAlan Ezrin博士は「髄膜腫患者集団における蛍光ガイド下手術(FGS)の潜在的な有用性を評価する取り組みを支援するために、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けたことに興奮しています。これまで、高悪性度神経膠腫が疑われる患者へのGleolan®の使用は、世界中で80,000人を超える患者で行われており、髄膜腫への拡大は、さまざまな腫瘍での外科的応用の開発に努めている当社の世界戦略における重要なイニシアチブです」と述べています。

先月、NXDC社は、新たに診断された髄膜腫または再発性髄膜腫の患者の脳腫瘍の可視化を強化するGleolan®の第III相多施設共同研究に最初の患者を登録することを発表しました。この国際的な研究は100人の患者を登録し、約15ヶ月で完了する見込みです。最初の患者は、Walter Stummer博士によって、ドイツのミュンスター大学病院で登録され、米国、ドイツ、オーストリアの9つの主要な脳腫瘍センターの外科医も試験に参加します。
治験の詳細は以下の米国立衛生研究所(NIH)のサイトをご覧ください。
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04305470

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(※)5-アミノレブリン酸(5-ALA)とは:体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与する機能分子の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。5-ALAは、焼酎粕や赤ワイン、高麗人参等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。

以上