2021年4月19日
SBIホールディングス株式会社
photonamic GmbH & Co. KG

 SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:北尾 吉孝)の子会社で、5-アミノレブリン酸(5-ALA)(※)を利用した医薬品開発事業を手掛けるドイツのphotonamic GmbH & Co. KG(本社:ドイツ・ピンネベルク、代表: Ulrich Kosciessa, Ph.D.)は、FerroSens GmbH.(本社:ドイツ・ミュンヘン、CEO兼創業者: Christian Homann, Ph.D. 以下「FS社」)の株式を86%取得し子会社化する株式売買契約を締結しましたのでお知らせいたします。

 FS社はミュンヘン大学医学部レーザー研究所のスピンオフ・ベンチャーで、簡便で非侵襲的な鉄欠乏症検査装置「FIDscreen」の開発に成功しました。 FIDscreenは、光学的方法、蛍光分光法および精巧なデータ評価の技術を組み合わせて、鉄欠乏の確立されたマーカーである亜鉛プロトポルフィリン(ZnPP)の定量的測定を行います。従来の検査方法では医療専門家による採血が必要なのに対し、FIDscreenでは下唇にセンサーを当てるだけで約1分で測定できます。
 鉄欠乏症は世界で最も一般的な栄養欠乏症で、世界中の5億人の小児が鉄欠乏症に苦しんでいます。小児期の鉄欠乏症は、認知発達を損ない、IQを低下させ、免疫系を弱めます。鉄欠乏症は簡単に治療できますが、多くの人は鉄摂取が必要であることに気づいていません。これは、これまでのすべての鉄欠乏症の診断方法で採血と実験室での処理が必要なため、適切なスクリーニングが実施できていないためで、FS社の技術はこの問題の解決の一助となりえます。
 さらに、蛍光分光法を含む測定技術プラットフォームは、5-ALAを使用した蛍光イメージング技術を有するSBIグループの5-ALA事業に大きな価値を追加します。 FS社の技術をプロトポルフィリンの前駆体としての5-ALAの機能と組み合わせることで、特にがん分野の患者と医療専門家へ革新的なソリューションを提供できるようになります。
 SBIグループではアンメットメディカルニーズに応える医薬品・医療機器を世界中の一人でも多くの方に提供できるよう、今後も5-ALAの様々な可能性を追求し、研究開発に努めてまいります。

(※)5-アミノレブリン酸(5-ALA)とは:体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与する機能分子の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。5-ALAは、焼酎粕や赤ワイン、高麗人参等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。

以上