2021年5月11日
SBIホールディングス株式会社
photonamic GmbH & Co. KG

 SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:北尾 吉孝)の子会社で、5-アミノレブリン酸(5-ALA)(※)を利用した医薬品開発事業を手掛けるドイツのphotonamic GmbH & Co. KG(本社:ドイツ・ピンネベルク、代表: Ulrich Kosciessa, Ph.D. 以下「フォトナミック社」)およびカナダのSBI ALApharma Canada Inc.(本社:カナダ・トロント、CEO兼CTO: Ralph DaCosta, Ph.D. 以下「SBI ALApharma Canada」)は、米国およびカナダにおいて、乳がん患者の乳房温存手術中の断端評価における5-ALAを用いた乳がん可視化の第3相臨床試験を開始し、最初の患者登録が完了したことを発表いたしましたので、お知らせします。

 なお、本資料は5月7日にフォトナミック社およびSBI ALApharma Canadaが発表したプレスリリースを日本語に抄訳したもので、参考資料として提供するものです。その内容および解釈については英文プレスリリース(First Patient Enrolled in Pivotal Phase 3 Trial for Breast Conserving Surgery)が優先されますのでご参照ください。

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 SBIホールディングスの子会社で、5-ALAの医薬品開発、世界的な商業化のリーダーであるフォトナミック社は、カナダの子会社SBI ALApharma Canadaが、治験薬「PD G 506 A」(5-ALA塩酸塩)の乳がん患者の乳房温存手術中の断端評価における安全性と有効性を評価するピボタル第3相ランダム化比較試験の最初の患者登録を完了したことを発表いたします。この重要なマイルストーンに先立ち、2021年4月23日に米国食品医薬品局(FDA)より治験開始認可を取得しています。本多施設共同試験には米国とカナダの20の病院が参画し、SBI ALApharma Canadaが開発する医療機器Eagle Fluorescence Imaging SystemTM(以下、「イーグル」)を使用して「PD G 506 A」の投与によって蓄積するプロトポルフィリンIX(PpIX)の蛍光を可視化します。

SBI ALApharma Canadaは、フォトナミック社によるMolecuLight Inc.(本社:カナダ、トロント)のがん関連事業の戦略的買収の一環として2019年に設立されました。プリンセスマーガレットがんセンターで実施された第2相臨床試験では、「PD G 506 A」の投与によってがん組織に選択的に蓄積するPpIXの蛍光が、イーグル(のコンパクトで完全ハンドヘルド型のカメラ)を使用することで手術標本内および手術腔内でリアルタイムに視覚化できることが示されました。

「乳がん手術プログラムのこのマイルストーンを達成できたことを嬉しく思います」と、フォトナミック社CEOのUlrich Kosciessa博士は説明します。 「PpIXの前駆体としての5-ALAの機能と腫瘍選択性を革新的な技術と組み合わせて、世界中のがん患者の生活を改善することは、われわれのビジョン達成にとって重要です。 SBI ALApharma Canadaが開発したイーグルを用いた第3相試験を通じて、外科医は、乳がんの手術中に従来の乳腺腫瘤摘出術後の手術腔における残存病変を特定することが可能になるでしょう。これにより、すでに乳がん患者に利益をもたらす技術を、脳神経外科領域でFDAが承認している製品と同様にさらに発展させることができます。この製品は、世界中の神経外科医が行う蛍光ガイド下での悪性神経膠腫手術時に使用されています。」

「第3相試験のFDAによる治験認可と最初の患者登録をこの数日以内に実現したことを嬉しく思います」と、SBI ALApharma Canada CEO兼CTOのRalph DaCosta博士は述べています。「この成果は、5-ALAとイーグルによる蛍光ガイド下手術による術中断端評価の改善を確認するプログラムにとって重要なステップです。現在の開発対象は乳がんですが、手術中にがんをリアルタイムで可視化することが臨床上の優先事項となっている他のがん領域への拡大の基礎となります。世界中のコロナウイルス感染症の大流行下においても、私たちの卓越したチームは、SBIグループの企業からの支援を受けながら、乳がん手術における臨床応用の重要な段階に導くことができました。」

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 SBIグループではアンメットメディカルニーズに応える医薬品・医療機器を世界中の一人でも多くの方に提供できるよう、今後も5-ALAの様々な可能性を追求し、研究開発に努めてまいります。

(※)5-アミノレブリン酸(5-ALA)とは:体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与する機能分子の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。5-ALAは、焼酎粕や赤ワイン、高麗人参等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。

以上