2021年12月29日
SBIホールディングス株式会社
SBI地域事業承継投資株式会社

 SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:北尾 吉孝、以下「当社」)の子会社であるSBI地域事業承継投資株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川島 克哉、以下「SBI地域事業承継投資」)は、同社が運営する事業承継ファンド(正式名称:SBI地域事業承継投資1号投資事業有限責任組合、以下「本ファンド」)の投資先、米穀卸売業を営む浜松米穀株式会社(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:川村眞一、以下「浜松米穀」)について、事業承継問題の解決と業績改善に目途がついたため、株式会社神明(所在地:兵庫県神戸市、代表取締役社長:藤尾益雄、以下「神明」)に売却したことをお知らせいたします。

 SBI地域事業承継投資は2019年10月に発表*1しているとおり、後継者問題を抱える日本国内の中小企業への投資を目的として本ファンドを設立しております。中小企業が経営者の後継者難で経営が行き詰まるケースが相次いでおり、中小企業庁によると、2025年に70歳を超える中小企業の経営者は245万人、そのうち約半数の127万人が後継者未定であり、廃業することで失われる経済的損失はGDP(国内総生産)で22兆円と言われています。*2
 米穀卸売業界は日本国民の食生活の基礎である米の流通を担う歴史の長い業態であり、オーナーが高齢化し後継者問題を抱える会社が多いと言われております。また食生活の変化、少子高齢化等の影響により米の需要減のトレンドが止まらず、業況が厳しい会社が多いと言われております。
 こうした背景のもと、本ファンドはこれまで自ら米卸売業を経営、成長させてきたノウハウを有する神明と業務提携し、浜松米穀の50名を超える株主全員と友好的な交渉の末、2020年12月に浜松米穀に神明と協調投資を行いました。投資実行後においては、浜松米穀の人員に加えSBI地域事業承継投資及び神明による人材面でのサポート、競争力のある調達及び新規顧客の開拓といった事業面のサポートを通じて、投資後黒字転換する等業績向上を実現いたしました。
 また、本件は、当社の資本業務提携行である清水銀行から、同行の取引先である浜松米穀の事業継続と業容拡大を支援すべく紹介を受けたのがきっかけであり、その後の資金面の支援も含め、清水銀行のサポートによる地域活性化への貢献ならびに当社グループの地方創生に向けた取り組みにおける協業の成果であると考えております。

 本ファンドの投資対象は後継者問題を抱える中堅・中小企業で、これまで一般的な事業承継ファンドが投資対象としてこなかった小規模な企業にも投資を行っております。特に小規模な企業は後継者問題を抱えている割合が高く、本ファンドに出資いただく地域金融機関等をはじめとした様々なネットワークを活用し、支援してまいります。
 本ファンドは日本全国を対象とすることで地域を超えた業界再編やバリューチェーン上の垂直統合等による一層の成長をサポートし、さらに当社グループの投資先・取引先企業の先端技術やノウハウ等を活用していくことで、「①地域に必要な中堅・中小企業の存続」を通じて、「②地域の雇用や取引先を守り」、「③地域活性化への貢献と融資機会提供等による地域金融機関の経営環境改善への貢献」という「三方良し」を目指します。

*1 2019年10月4日の当社プレスリリースをご参照ください。
*2 出典:中小企業庁「中小企業・小規模事業者政策について」

以上