2022年5月13日
株式会社新生銀行

 新生銀行グループは、今後3年間の目指すべき方向として、2022年度から2024年度を対象期間とする中期経営計画「新生銀行グループの中期ビジョン」を策定しましたので、その概要についてお知らせいたします。

 新生銀行グループの中期ビジョン(以下、「中期ビジョン」)は、2021年12月にSBIグループ入りした新生銀行グループが、その一員として、SBIグループの事業構築の普遍的な基本観をベースとして、実現を志向する3つの「3年後に目指す姿」と、その達成のための3つの「基本戦略」で構成されております。

【新生銀行グループの中期ビジョンの全体像】
(1) 3つの「3年後に目指す姿」
① 連結純利益700億円の達成と更なる成長への基盤の確立
SBIグループ入りしたことにより、新たなステージに入った新生銀行グループの収益力向上を図り、2024年度には連結当期純利益700億円の達成を目指します。
この目標を達成するために、顧客中心主義を徹底し、グループ内外の価値共創機会の追求、新生銀行グループが持つ強みの深化・フルラインナップ化などを通じた顧客基盤の拡大を図り、それを商品・サービスの質の向上に転化することで、成長の基盤を確立してまいります。
なお、財務目標(KPI)として、収益力を測る当期純利益の他、顧客基盤を測る顧客数(新生銀行リテール口座数)、財務基盤を測る預金量(リテールおよび法人)と営業性資産(市場性運用を含む)、さらに、健全性を表す指標としてCET1比率について、それぞれ目標を定めております。
② 先駆的・先進的金融を提供するリーディングバンキンググループ
他者に先駆けるスピード感と起業家精神を持って、先進的技術を取り入れながら商品・サービス・機能を提供するリーディングバンキンググループを目指してまいります。そのために、今後3年間は、SBIグループの金融生態系が有する顧客基盤、知見・ノウハウを、新生銀行グループのビジネスに徹底的に取り込むことで、目指す姿の実現に向けた礎を構築してまいります。
③ 公的資金返済に向けた道筋を示す
公的資金の返済は、新生銀行グループにおける最重要課題の一つであり、今後3年間で返済に向けた道筋や方向性を示すことができるよう、少数株主保護を前提に、政府・その他関係者の理解を得るべく、SBIグループと連携してこれに取り組んでまいります。
公的資金返済に向けた道筋を示すには、返済原資や企業価値の源泉である収益力の向上が不可欠であると認識しております。事業戦略の観点からは、SBIグループ入りを通じて得られたSBIグループの機能や顧客基盤を活用しつつ、中期ビジョンで示す各種戦略を着実に遂行することで、顧客基盤の拡大や収益力の大幅かつ持続的な向上を実現してまいります。株主還元の観点からは、事業戦略の実践による収益力の向上を最優先するため、従前の株主還元方針は見直して、事業基盤拡充と収益力強化のための資本活用や利益の内部留保をより重視した運用としてまいります。
(2) 中期ビジョンの3つの基本戦略
基本戦略1:グループ内外の価値共創の追求
「価値共創」(オープン・アライアンス)という概念を、「SBIグループ各社との価値共創」、「新生銀行グループ内での価値共創」、「グループ外との価値共創」、更に「ノンオーガニックな出資・買収」も含めた広義の連携と再定義いたしました。その上で、これらの価値共創によりシナジーを創出し、顧客基盤拡大と収益力向上を通じて躍進的な成長を実現してまいります。
SBIグループ各社との価値共創
● SBIグループ各社との相互送客、機能補完、リソースの共有
● SBIグループの地域金融機関ネットワークを活用した商品・サービス・機能の提供
● 共通するビジネス・間接機能のSBIグループとの統合・一本化
新生銀行グループ内での価値共創
● 徹底的に顧客の立場に立った商品・サービス・機能の提供、顧客利便性を向上する為のグループ内の連携強化
● 顧客接点の刷新やチャネルの拡大等、顧客基盤を拡大する為のグループ内の連携強化
グループ外との価値共創、ノンオーガニックな出資・買収
● 非金融領域を含めたパートナーとの機能連携による顧客利便性の向上、顧客基盤の拡大およびノウハウと経験の蓄積
● 既存のグループ外との連携案件の本格化・収益化による成長ドライバーへの進化
● 国内にとどまらず成長著しいアジア・パシフィック地域でのノンバンク領域を中心とした出資・買収
基本戦略2:強みの深化とフルラインナップ化
小口ファイナンス、機関投資家向けビジネス、海外ビジネスといった、これまで培ってきた強みを深化すると同時に、フルラインナップの商品・サービス・機能の提供により、顧客中心主義を徹底してまいります。
そのために、テクノロジーの活用を徹底し、人材、ガバナンス、財務に関する組織的能力を強化してまいります。なお、フルラインナップ化に際しては、自前主義にとらわれず、SBIグループ内外のリソースやノウハウを活用してまいります。
小口ファイナンス、機関投資家向けビジネス、海外ビジネスの強化
● 多様な小口ファイナンスを一気通貫で提供できる強みを更に磨くと共に、外部パートナーに最適な形で提供
● 再生可能エネルギー等、環境・社会課題の解決に資する分野において、機関投資家に共感される、先駆的なプレイヤー
● 海外ノンバンクビジネスについて、アジア・パシフィック地域に強固な経営・競争基盤を確立
顧客中心主義徹底のためのフルラインナップ化と体制整備
● SBIグループや外部パートナーの商品・サービス・機能を新生銀行グループのプラットフォームに取り込み、フルラインナップ化を図ることで顧客の選択肢を拡充
● 顧客中心主義の徹底の観点から組織体制および業務プロセスを最適化
最新テクノロジーの徹底的な活用
● デジタル技術やAI・ビッグデータの活用による顧客利便性の高いサービスの提供(例:スーパーアプリ・BANKIT)
● 人的資源を高付加価値業務に集中させるための業務プロセスのデジタル化
● SBIグループのフィンテック分野の知見を最大限活用
成長と変革のための組織的能力(人材・ガバナンス・財務)の強化
● 働き方改革を通じた多様な人材確保、高度な人材の育成を通じた高付加価値の創出、SBIグループとの人材交流
● 価値共創の拡大に対応するガバナンスの強化・高度化(コーポレート・ガバナンス、リスクガバナンス)
● 新たな挑戦を可能にする健全かつ適切な自己資本の確保と、聖域なきコスト削減を含む戦略的な経営資源の投入
基本戦略3:事業を通じたサステナビリティの実現
グループ内外の力を徹底活用し、顧客や新生銀行グループのみならず、環境や社会全体の持続可能な発展を実現することを目指してまいります。
具体的には、地方創生への取り組み、環境・社会課題解決へ向けた金融機能提供を行うと同時に、顧客に信頼されるサービスを提供することにより金融機関としての社会的責任を果たしてまいります。
地域金融機関や企業、住民、自治体の支援を通じた地方創生への取り組み
● 地域金融機関支援プラットフォーマーとなり、地域金融機関の課題解決を支援
● 地域金融機関と連携して地域の企業・住民・自治体等に金融機能を提供し、地域経済を活性化
環境・社会課題解決へ向けた金融機能提供
● 顧客やパートナーが取り組む、環境・社会課題の解決を支援(サステナブルファイナンスなど)
● グループ内外の価値共創により商品・サービス・機能を提供し、顧客や社会が抱える課題を解決
顧客に信頼される金融サービスの提供
● 顧客中心主義に根差した商品・サービス・機能を提供し、顧客と持続的な信頼関係を構築
● 高度化・多様化する脅威からお客さまを防衛し、堅牢で安定的な金融インフラを提供

以上