2022年8月9日
SBIホールディングス株式会社

 SBIグループが出資する、米国・英国・日本において店頭デリバティブ取引プラットフォームを運営するClear Markets社の米国金融法人Clear Markets North America Inc.社(以下、CM US)は、米国規制当局Commodity Futures Trading Commission(CFTC)より現物決済を前提とする暗号資産店頭デリバティブ商品の承認を取得しましたので、お知らせいたします。

 本承認は、米国の金融デリバティブ取引ライセンスであるSwap Execution Facility(SEF)※1として初めてのケースとなります。CM US社では、まずUSD/BTC Option※2の取り扱いを開始、今後提供商品を拡充していく予定です。

 米国において暗号資産の取り扱いに関する承認には非常に時間がかかる(もしくは承認を得られない)状況である一方、暗号資産市場を規制下に置く事によって透明性および監督の有効性が高まるとも考えられます。今回のCFTCによる新たな暗号資産デリバティブの承認は後者の進展に向けた大きなステップになるものと考えています。

 現状、ライセンスを持たない事業者により運営されている暗号資産デリバティブ取引市場が多くありますが、投資ファンドが負う受託者責任及びコンプライアンス上の要請から、米国SEF規制下にある取引市場での取引は今後拡大して行く事が見込まれます。また、Clear Markets社では店頭金融デリバティブ取引において業界標準となっているISDAマスターアグリーメント※3に準じた暗号資産店頭デリバティブ取引の基本契約書をカウンターパーティー間で締結することを推奨しております。これにより規制・コンプライアンスを重視する金融機関が暗号資産の店頭デリバティブ取引に参入し易くなると考えられます。

 SBIグループの暗号資産マーケットメーカーであるSBI Alphaでは既にClear Markets社のプラットフォームを用いたパイロット取引を実施済であり、今後米国市場ではCM USを通じて取引先を拡充していく予定です。

 SBIグループではデジタルスペース時代において次世代の金融プラットフォーマーを目指して、デジタルアセット関連ベンチャー企業への出資・提携を拡大しています。引き続き高い技術力を有するデジタルアセット関連ベンチャー企業への出資・提携に注力するとともに、SBIグループ内の既存のデジタルアセット関連各社とのシナジー追求を図ってまいります。

※1 Swap Execution Facility(SEF)とは: SEFは、米国CFTCの規制に基づき登録された会社が提供/運営する電子取引基盤であり、参加者は規制に準拠した透明性のある方法でスワップ取引が実行できます。 SEFは、2010年のドッド-フランク法の施行により、ウォール街の抜本的な改革の一環として、米国の法律で義務付けられました。

※2 USD/BTC Optionとは: 機関投資家向けに提供される店頭(OTC)ビットコイン・オプションであり、オプション料が米ドル(または円)の金銭で前払いされ、オプションを行使した場合には現物のビットコインを受け取るという相対取引です。

※3 ISDAマスターアグリーメントとは: 店頭(OTC)でのデリバティブ契約を締結する当事者に対して特定の法的および信用保護を提供するために、国際スワップ・デリバティブ協会(International Swaps and Derivatives Association, Inc. (ISDA))が公開し、国際的に合意された法的文書です。

【Clear Markets社の概要】

<金融商品取引法に係る表示>
代表者 Mark C Brickell, Chairman & CEO
事業内容 電子取引市場およびその技術の開発および運用。東京、ロンドン、ニューヨークに拠点を持ち、長年にわたり債券およびクレジットデリバティブの電子取引システムを提供。号
URL https://www.clear-markets.com/

以上