2022年8月24日
SBIホールディングス株式会社
SBI R3 Japan株式会社
このたび、金融市場における主要なポストトレードインフラである米国The Depository Trust & Clearing Corporation(以下「DTCC」)が、新たな株式決済基盤となるProject Ionプラットフォームの並行運用を開始し、その基盤技術としてSBIグループが外部筆頭株主として出資している米R3社(以下「R3」)の提供するCorda DLTを採用したことが公表されましたので、お知らせいたします。
DTCCは世界最大級の証券決済・保管機関として45年以上の歴史を持ち、米国をはじめ世界21 ヶ国の拠点を通じて、数多くの金融機関や運用会社に対し金融取引処理業務を効率化するサービスを提供しています。Project Ionは複数年にわたるDTCCの決済分野における分散型台帳技術(DLT)活用の研究を踏まえて2020年に開始されたプロジェクトで、上場株式の決済に掛かる期間を現在標準となっているT+2決済から、T+1、T+0へと短縮することを目指すものです。決済期間の短縮に伴い、取引を行う金融機関は未決済リスクが低減され、必要となる預託金も大幅に削減できるものと見込まれます。
今回並行運用が開始された、Corda DLTを基盤技術とする新たな株式決済基盤Project Ionプラットフォームは、既存の決済基盤の代替サービスとして提供され、すでに1日平均で10万件、ピーク時には16万件の決済が処理されています。上場株の決済を対象とした金融業界で最大級の革新的なDLT活用案件であり、今後は中央精算機関(Central Counter Party)との連携も含めた機能拡張を予定しています。
SBIホールディングスとR3の合弁企業として設立されたSBI R3 Japanが日本において普及を推進するCorda DLTは企業間取引での利用に特化し、プライバシー・セキュリティ・スケーラビリティ・既存システムとの統合のしやすさをコアデザインとして備えており、規制下で活動する金融機関にとって信頼出来る基盤技術であることがProject Ionにおいて採用された理由と考えています。
SBIグループではデジタルスペース時代において次世代の金融プラットフォーマーを目指して、引き続き高い技術力を有する関連ベンチャー企業への出資・提携に注力していきます。
以上