2022年9月29日
株式会社新生銀行

 当行は、First Real Estate Investment Trust(シンガポール、以下「First REIT」)が日本の高齢者向けヘルスケア施設2物件を取得するにあたり、この取得費用等計16.6億円を、「新生ソーシャルローン」※1として実行し、またその一部を本日付で株式会社東和銀行(群馬県前橋市、代表取締役頭取 江原 洋)に譲渡しました。本件は、新生信託銀行株式会社を受託者とする特定金銭外信託スキームを用いた信託勘定向け融資です。

 First REITは、First REIT Management Limited(Tan Kok Mian Victor、Executive Director and Chief Executive Officer)をマネージャーとする不動産投資信託であり、シンガポールのヘルスケアREITとしては初めて、2006年12月11日にシンガポール証券取引所に上場しました。First REITは、主にアジアの収益性の高いヘルスケア関連施設への投資を担い、病院や老人ホームを中心に、インドネシアに15物件、シンガポールに3物件、日本に14物件からなる多様なポートフォリオを構築しています。
 新生銀行グループは、中期経営計画「新生銀行グループの中期ビジョン」の実現に向けて「環境・社会課題解決へ向けた金融機能提供」を掲げております。持続可能性や ESG/SDGs の観点に、環境・社会・経済など社会全般に対して正のインパクトをもたらすことを目的とする社会的インパクトの概念を融合させた「サステナブルインパクト」のコンセプトのもと、社会課題に対して正のインパクトをもたらす企業や事業に対し、お客さまとの継続的な対話を通じた投融資を推進しております。本件には以下の通りの意義が認められることから、かかる取り組みの一環として「新生ソーシャルローン」を実行するものです。

<新生銀行サステナブルインパクト評価室によるソーシャルローン評価の概要>
資金調達者 First REIT Japan 2合同会社
資金使途 稼働開始済みの住宅型有料老人ホーム「メディカル・リハビリホーム・ボンセジュール小牧(愛知県)」及びサービス付高齢者向け住宅「ロイヤルレジデンス綾瀬(神奈川県)」計2物件(以下、「対象施設」)の受益権取得費用等
本件の社会的意義 「高齢者」を対象とした「必要不可欠なサービスへのアクセス(ヘルスケア)」の提供
・ 施設利用者の観点:「高齢者が安心して日々の生活を送る住まいの確保」
・ 施設利用者の家族の観点:「介護離職の減少」「女性の社会参加の促進」
本件がもたらす社会的インパクトと社会的課題との整合性 SDGsでは主に「目標 3:すべての人に健康と福祉を」、「目標 5:ジェンダー平等を実現しよう」、「目標 8:働きがいも経済成長も」に貢献すると評価した。
また、日本政府の進めてきた介護基盤の整備、介護人材の確保、女性活躍推進等の各施策に加え、対象施設の属する自治体の高齢者保健福祉計画等とも整合すると評価した。
本ローンに関するその他評価のポイント
・ First REITグループは、成長戦略の中でESGや人口高齢化などのメガトレンドに合わせた軸を置くことを掲げ、引き続きヘルスケア目的の施設に焦点を当てて社会に貢献することを企図している。そのため、本プロジェクトはこうしたサステナビリティ戦略や目標と整合的であること、またそのための組織体制が概ね適切に構築されていると評価した。
・ First REITグループでは、対象施設の取得後、定期的に現地実査及びオペレーターとの面談を実施し、能動的にマネジメントしていく方針としている。また、サステナビリティの取り組みを重視しており、ヘルスケア施設の提供による社会面でのインパクトだけでなく、施設を保有・管理するオペレーターに対して、環境負荷の低い設備の導入やIT技術の活用を働きかけることで環境面でも省エネや資源の節約といったインパクトの創出を図っている。
※1「新生ソーシャルローン」とは、「新生ソーシャルファイナンス・フレームワーク」に適合するファイナンスです。新生ソーシャルファイナンス・フレームワークを含む、「新生グリーン/ソーシャル/サステナビリティファイナンス・フレームワーク」の概要については、別添の参考資料をご参照ください。

以上