2022年12月15日
SBIホールディングス株式会社

 SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役会長兼社長:北尾 吉孝、以下「当社」)とAmazon.com, Inc.の関連会社であるアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 (本社:東京都品川区、代表執行役員社長:長崎 忠雄、以下、その関連会社も含み総称して「AWS」)は、この度、SBIグループが今後さらに取り組みを加速させる地方創生、新規事業含むビジネス戦略におけるAWSの支援領域を拡大し、連携を一層強化することになりましたのでお知らせいたします。

 当社グループは、AWSを推奨クラウドプロバイダーとして選定し、これまでテクノロジーの実装、AWSを活用したSBI金融クラウド上での「地域金融機関向けのクラウドベースの勘定系システム」の提供などを通じた地域金融機関などのビジネスパートナーとの業務連携、デジタル人材育成、グループ全体としてコスト最適化などの支援を受けてまいりました。当社グループは「金融イノベーターたれ」を経営理念の一つと掲げ、革新的技術を導入し、より顧客利便性を高める金融サービスを提供することで、従来の金融のあり方に変革を与える取り組みを推進してきております。

<AWSを活用したSBI金融クラウドのイメージ>

 AWSは、業界でも先駆的にクラウド活用を進めてきたパイオニアとして、単にアジリティとスケーラビリティを有するクラウドサービスとしてではなく、当社の経営理念を具現化し、当社グループが抱える様々な課題に共に向き合い解決を進める企業として提携してまいりましたが、この度、当社とAWSは、当社グループのビジネス遂行の支援を一層強化するため、以下の分野において、今後5年にわたる契約を新たに締結しました。

1. AWSのSBIグループのビジネス戦略における支援内容

(1)SBIグループおよび新生銀行グループの事業シナジーを最大化
SBIグループ傘下の新生銀行および新生銀行グループ各社では、これまでもAWSを活用した   オンラインバンキング、顧客データ基盤の構築、オープンAPIなどでのクラウド活用を進めてきました。今後さらにAWSは、SBIグループの先進的な技術を土台とする金融生態系・機能を新生銀行グループが利活用するための、連携基盤の構築、維持運用を徹底的に支援します。またSBIグループおよび新生銀行グループ各社が保有するクラウドの知見、集合知を最大化すべく、AWSプロフェッショナルサービスがCCoE※1の構築から運用に至るまで支援します。加えて、SBIグループ全体のテクノロジーを介した業務課題の解決を促すために、AWSの教育プログラムである「AWS Skills Guild」を利用してデジタル人材育成の支援なども行っていきます。
※1 CCoE(Cloud Center of Excellence): クラウドの利用価値を最大化するために組成する組織横断のクラウド推進組織。
(2)SBIグループが推進する「地方創生」の実現に向けた支援強化
SBIグループはこれまで、地域金融機関の収益力強化とそれに伴う企業価値向上を図る取り組みを進め、既にTrust IdiomⓇなどのFintech関連サービスや、個人向けインターネットバンキングなどをAWS上で構築し、島根銀行などの地域金融機関向けに提供してきました。他方、依然として従来の重厚長大な勘定系システムは、その高額な維持更改コストと、先進的な技術やサービスの導入と改修に多大なコストと時間がかかってしまうなど、その拡張性が地域金融機関における喫緊課題となっています。SBIグループは、APIを通じてあらゆるシステムにシームレスに接続が可能であり、新規機能・追加開発が低コスト・短期間で実現可能な勘定系システムをAWS上で開発しており、福島銀行などにおいて2024年度の稼働を目指しています。
(3)SBIグループが推進する「国際金融センター構想」の実現に向けた支援強化
SBIグループは、大阪における次世代の「国際金融センター構想」の実現に向け、先端技術を用いるフィンテック企業の誘致や、さまざまな分野のAPI提供者が多様なAPIを掲載し、これらを活用したい個人や法人などが集うプラットフォーム事業などを推進しています。こうした取り組みの実現を後押しするためにAWSは、スタートアップを支援する各種プログラムの提供と技術支援を行っていきます。
(4)証券およびデジタルアセットビジネスの推進
SBI証券は、新生銀行などとの連携および将来の取引手数料無料化によってトランザクションボリュームが拡大し、低コスト化が求められるため、柔軟性とスケーラビリティを有するAWSクラウドを活用したトレーディングプラットフォームの構築を進めます。また、新しいアセットクラスであるSTO(セキュリティ トークン オファーリング)などのデジタルアセットに関してSBIグループは、AWSを活用した大阪デジタルエクスチェンジのクラウドネイティブなアーキテクチャ構築を進める予定です。さらに、SBIグループが運営する非代替性トークン(NFT)マーケットプレイスにおいても、今後AWSの活用が進められる予定です。
(5)SBIグループの「ネオバンク戦略」への支援を強化
SBIグループ傘下でインターネット専業銀行である住信SBIネット銀行(以下、「住信SBI」)は、銀行機能をさまざまな業種のパートナー企業に提供するネオバンク戦略を実現するため、インターネットバンキングシステムのデータベースをオンプレミスから拡張性が高く可用性も確保でき、さらに、MySQLとPostgreSQLと完全な互換性がありクラウド向けに構築されたグローバル規模のリレーショナル データベース サービスであるAmazon Aurora PostgreSQLに移行しました。また、コールセンターも優れたカスタマーサービスを低コストで提供するオムニチャネルのクラウドコンタクトセンター、Amazon Connectによりクラウド型に移行しています。今後も住信SBIは、AWSクラウドの持つスケーラビリティや接続性を生かして多くのパートナーである事業会社らとの連携も強化し、金融サービスのプラットフォーマーとして、これらの提携パートナーのデータを活用した広告ビジネスなども展開を進める予定です。
(6)新規事業
SBIグループは、メタバースを含むWeb3.0における制度やインフラ構築に貢献するため、2019年10月にグループが主導してセキュリティトークン分野の健全な発展を目指す自主規制機関(一社)日本STO協会に加え、デジタルスペース発展に寄与する業界横断の総合経済団体として(一社)日本デジタル空間経済連盟を2022年4月に設立しています。今後は、メタバースと暗号資産を融合した生活空間の提供に向け、AWSの活用や連携強化を進めていきます。また、SBIグループは、スポーツ分野におけるデジタル世代の若年層との接点強化に向けeスポーツ分野に参入しており、AWSの活用を推進しています。
(7)SBIグループ&AWSによるスタートアップ企業支援プログラム
スタートアップ企業にとって、インフラコストの変動費化、サービス市場投入の迅速化、ITに関連するワークロード極小化を実現できるクラウドの最適利用はビジネス戦略上不可欠です。SBIグループではこれまで、投資先企業の企業価値向上を促進すべく、SBIグループの経営資源を最大限に活用した事業提携や一貫した支援を行ってきました。SBIグループの投資先スタートアップ企業に対し、AWSのエンタープライズのディスカウントレートが享受できるスキームについてSBIグループとAWSで検討していきます。

 SBIホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長、北尾 吉孝氏は、次のように述べています。
 「SBIグループはこれまで、顧客中心主義の徹底と革新的な新技術によって金融業界での変革を実現してきました。社会のあり方が大きく変わり、急激に変化する今、当社グループは金融を核に金融を超える事業展開を推進しています。ブロックチェーン、人工知能、機械学習などの領域において、クラウド技術を駆使した圧倒的な先進性を有するアマゾンウェブサービスとの今回の提携が、デジタル生態系において相互補完的なシナジーを発揮し、次世代の社会変革をもたらすことができると確信しています」

 AWSグローバル金融事業統括責任者であるScott Mullinsは、次のように述べています。
 「世界の金融業界では、クラウド技術を活用してより良い顧客体験を提供するため、急速にデジタル化が進んでいます。SBIグループがAWSを推奨クラウドプロバイダーに選定したことで、同社が今後さらに安全かつ拡張性の高いクラウドの環境で、日本をはじめグローバルでの事業展開を加速させることを確信しています。また、AWSとSBIホールディングスが締結した今回の契約により、日本の金融業界における新たなコラボレーションの促進に加え、顧客体験の改善、そして、SBIグループの成功に寄与する効率性の向上に期待しています」

◆SBIグループについて
 1999年創業のSBIグループは、日本におけるインターネット金融サービスのパイオニアとして、証券、銀行、保険分野を中心にインターネットを通じてより低価格で利便性の高い商品やサービスを提供する金融サービス事業を運営しているほか、投資事業、資産運用事業、暗号資産事業、非金融事業をグローバルに展開するインターネット総合金融グループです。

以上