2023年7月4日
SBIアルファ・トレーディング株式会社
SBIデジタルアセットホールディングス株式会社
QCP Capital Pte. Ltd.
Clear Markets Holdings, Inc.
Zodia Custody Limited.

~ 規制に基づくClear Marketsのプラットフォーム上での非清算型暗号資産
デリバティブ取引で、倒産隔離された安全なマルチカストディアンの
担保ネットワークを活用しカウンターパーティリスクを軽減 ~

 SBIアルファ・トレーディング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:久場 健太郎、以下「SBIアルファ」)とQCP Capital Pte. Ltd.(以下「QCP Capital」)は、機関投資家向け暗号通貨市場における主要な相手方として、Zodia Custody Limited.(以下「Zodia Custody」)を暗号資産のカストディアンとして、Clear Markets Holdings, Inc.(以下「Clear Markets」)の提供するプラットフォーム上で、画期的な暗号通貨デリバティブのリスク管理手法を用いて、初の非清算型暗号資産オプション取引を6月10日に実行しましたのでお知らせいたします。

 本取引における各取引主体は、倒産隔離されたマルチカストディアンの担保ネットワークを活用して、以下の条件を満たした取引を行いました。

・取引時に担保となる暗号資産が適切に保管される
・DLT(分散型台帳技術)上でリアルタイムに定期的な支払が行われる
・取引相手が倒産した場合の損失から保護される
・3社間の口座管理契約に基づき、担保は独立したカストディアンの口座にロックされ、不履行ではない取引当事者が必要に応じて担保を差し押さえることができる

 このように担保を適切に保管して取引相手の信用エクスポージャーを管理する方法は、伝統的な金融市場での実践から生まれたもので、FTXの事例等において顕在化した暗号資産の対面取引における重大なカウンターパーティリスクを排除できます。国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)の後援のもと、数兆ドル規模の法定通貨スワップでは普遍的に活用されてきましたが、このアプローチが暗号資産スワップに適用され、DLT上で自動化されるのは初めてのことです。

 デリバティブ取引のグローバルな性質を反映し、このような取引を円滑に行うには複数の管轄区域に跨った多社間での協力体制の構築が鍵でした。今回の取引は、日本とシンガポールの取引当事者が、イギリスと香港のカストディアンにビットコイン(BTC)を担保として預託し、Clear Marketsの規制されたプラットフォーム上で実行しました。ニューヨークに本社を置くR3社が開発したCordaネットワークも部分的に採用され、リスク管理の実現に貢献しています。

 ロンドンに本社を置くZodia Custodyは、担保となるBTCのカストディアンとして、信用リスクの軽減で中心的な役割を果たしました。 同社は、FCA(Financial Conduct Authority)のライセンスを保有しており、スタンダードチャータード、SBIホールディングスおよびノーザン・トラストから支援を受けています。Zodia Custodyの共同創設者、オリヴィエ・ルランドー氏は、次のようにコメントしています。「Zodia Custodyは、機関投資家向けの暗号資産デリバティブの担保管理の実務を改善することができ、非常に重要な役割を果たすことができした。私たちは暗号通貨エコシステムをより安全するという、創立時に掲げた使命を達成しています。」

 世界的なデリバティブ取引会社の創設者およびマーケットメーカーであるQCP Capitalの創業者兼CIOであるダリウス・シット氏は、「今年初めに暗号資産の信用市場が崩壊した中、機関投資家向け暗号資産市場の信頼を再構築することは複雑であり、伝統的な金融取引と暗号資産取引の両者の参加と専門知識が必要となるだろう。暗号資産デリバティブの信用リスク管理に対して慎重に構築された手法は、参加者が伝統的な市場と暗号資産市場の両方からの最善の方法を統合しようとしている中で、時宜を得たものである。シンガポールで暗号資産デリバティブ取引を開始した最初の企業一つとして、当社はこれらの取引においてClear Marketsと協力し、すべての参加者にとってより安全で包括的なエコシステムを構築できたことを誇りに思っています。」とコメントしています。

 SBIアルファの久場健太郎社長は、「カスタムメイドの暗号資産デリバティブは、トレーダーがトークンを保有せずに暗号資産のエクスポージャーを引き受けたり、ヘッジしたりできることで、大きな可能性を秘めた市場分野となり、私たちのチームは暗号通貨デリバティブを活用のためのより安全な方法を開発し、それをこれらの取引に活用しました。」とコメントしています。

 SBIデジタルアセットホールディングス社の最高経営責任者であるフェルナンド・ルイス・バスケス・カオ氏は「(当社の戦略投資先である)Clear Marketsは、当社の戦略に貢献しており、この取引は業界での採用に向けた大きな前進となります。」とコメントしています。

 Clear Marketsの最高経営責任者であるマーク・ブリッケル氏は「Clear Marketsのチームは、デリバティブと担保管理における数十年の経験から学んだ教訓を応用し、規制された取引基盤で、より安全な暗号資産デリバティブ取引を提供している。」とコメントしています。

以上