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年頭所感

 新年明けましておめでとう御座います。
皆さんそれぞれの御家庭で家族団欒の楽しい一時を過ごされたことと思います。
また、新年を迎え、それぞれ意気を新たにされたことと思います。

 さて、吉例に従いまして、今年の干支から見た年相について少しお話しましょう。
今年の干支は丁亥、(ひのとい・ていがい)、です。
丁(ひのと)は十干の四番目にあたります。
丁は前年の陽気すなわち活力がまだ続いていることを表しており、中国古典によれば、「万物の丁壮なる意」と説かれています。丁壮とは壮年の男子の意であり、壮年は働き盛りの年を指すので、丁は勢い盛んな状態のことを言います。他方、五行では火性の陰に当ることから、昨年の明るい「丙」の陽に対してかすかに灯って周囲を照らすロウソクの火のように、一時期これまでの進歩、成長のテンポが弱まる年とされています。古典にも「丁は停なり、停はなお止まるが如きなり」と記されています。
  また、安岡正篤先生によれば、丁は―と|からなるが、―は従来の代表的な動きが続いていることを意味し、|は従来の勢力に対抗する新しい動きを意味している。つまり、丁は新旧勢力の衝突を意味しています。

 次に亥ですが、亥は十二支の棹尾(とうび)です。易卦では、坤為地(こんいち)。陽気が全くない純陰です。五行では水気。
  亥は、骸に通じ、全ての動植物が死に絶え、枯れ木や骸骨になった姿を表しています。陽の気が消え陰の気が極まり、万物は土の中に閉ざされた状態を示しています。
  また、亥は該に通じて「陽気下に蔵る(おさまる)」表面には現れないが、中に充分に備えている状態を表しています。

 あるいは、「亥は核なり、百物を収蔵す」や「物皆堅核す」と古言にあるように、万物が滅んでゆく戌を経て、生命の力が木の実の中心の堅い物、すなわち種子の内部に閉蔵されている状態を示しています。もっとも堅い種子に閉ざされてはいるが、かすかに陽気が兆しており、いつまでも衰減した状態が続くわけではありません。
  つまり、生命力は種の内部に閉じ込められ、春の陽気を静かに待っている。安岡先生はこの生命力を起爆性エネルギーと言っています。
  さて、丁亥の年の歴史を振り返ると、古くは1167年には平清盛が武家出身で初めて太政大臣に任ぜられました。また、1467年には戦国時代に突入する契機となった応仁の乱が起きました。いずれも新しい時代を担う新勢力と過去の勢力とが、様々な面でぶつかりあっています。
  前回1947年は教育基本法、労働基準法、独占禁止法等が公布され、日本国憲法が施行されました。敗戦後の混乱、生活の困窮という陰の極に、陽気が兆した年でありました。
  ついでに「亥」の年は1647年江戸の大地震、1707年富士山の大噴火と、南海、東海の大地震、1803年伊豆の大地震、1923年の関東大震災、1983年日本海中部地震、1995年阪神淡路大震災と大きな地震がありました。注意を喚起しておきたいと思います。

 以上のように字義が相反し、陰陽が水剋火と相剋する今年の年相は、翌年から始まる新たな十二年の展開を内包する種子の年と言え、新勢力が台頭し、新旧の衝突や突如として堅い種の内に隠れているエネルギーが外に出て爆発的な力を発揮し、何か世の中を驚かせる出来事が起こる可能性がある波乱万丈の年と言えましょう。
  我々SBIグループは、新勢力であり、特に今年は証券に加えて銀行、生損保の分野に新しく打って出るわけで、旧勢力との激しい戦いに勇気と英知をもって挑まなければなりません。

 世の中が激変すればするほど、我々は自らの信念と志をより強固なものとし、我々を取り巻く経営環境を的確に見極め、亥に内在する起爆性エネルギーを逆に利用し、飛躍の吉年としようではありませんか。

以上、年頭の所感と致します。

SBIホールディングス株式会社
代表取締役 執行役員CEO 北尾 吉孝

年頭のご挨拶を動画でも配信しております。

2007年 年頭所感
2007年1月4日放送(約19分)
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