2016年9月26日
SBIホールディングス株式会社
SBIファーマ株式会社
SBIホールディングス株式会社の子会社で5-アミノレブリン酸(ALA)(※1)を利用した医薬品、健康食品及び化粧品の研究・開発等を行っているSBIファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:北尾吉孝、以下「SBIファーマ」)は、バーレーンの2型糖尿病患者を対象としたALAの安全性と有用性に関する研究論文を9月23日付けで専門誌“Journal of Diabetes Research”に発表しましたのでお知らせいたします。
SBIファーマとバーレーン国防軍病院(Bahrain Defense Force Hospital/Royal Medical Services)は、既にバーレーン国保健監督庁(NHRA)の承認を受けて市販されているALAとクエン酸第一鉄(SFC)(※2)のサプリメントを用いて、バーレーン在住で投薬治療中の2型糖尿病患者に対して、高用量のALA(1日当たり最大200mg)とSFC(1日当たり最大229.42mg)を用いた食品介入試験を実施しました。
被験者として53名が登録され、うち35名が既処方薬の上にALAとSFCを、18名は既処方薬にプラセボ(ALAとSFCを含まない偽似食)を12週にわたり摂取し、血糖およびHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)のほか、肝機能、腎機能、鉄などに関するパラメーターを測定しました。
試験中に確認された有害事象については、ALAとSFCを摂取したグループとプラセボグループとの間では有意差は認められませんでした。また、肝機能、腎機能、鉄などに関する測定値についても有意な変動は見られなかったことから、投薬治療中の2型糖尿病患者が1日当たり200mgのALAを2分割して摂取したときの安全性が確認されました。
糖尿病と密接な関係があるとされるHbA1cについては、ALAとSFCを摂取したグループにおいて、試験期間中徐々に減少し、第12週経過時には平均0.8%の減少となりました。一方、既存の2型糖尿病薬のみを投与されたグループにおいては、第6週まで減少したものの、その後上昇に転じ、第12週経過時には0.5%の減少に留まりました。さらにインスリン分泌を促すスルホニルウレア剤(※3)を投与されているものの血糖値が下がらない患者群では、ALAとSFCの摂取により血糖値が第12週経過時に0.95%減少したことが観察され、インスリン耐性を克服することが示唆されました。以上より、投薬治療中の2型糖尿病患者がALAとSFCを補助的に摂取することの有用性が示されました。
専門誌名 | : | Journal of Diabetes Research |
論文タイトル | : | The safety and tolerability of 5-aminolevulinic acid phosphate with sodium ferrous citrate in patients with type 2 diabetes mellitus in Bahrain |
著者 | : | Feryal Al-Saber, Waleed Aldosari, Mariam Alselaiti, Hesham Khalfan, Ahmed Kaladari, Ghulam Khan, George Harb, Riyadh Rehani, Sizuka Kudo, Aya Koda, Tohru Tanaka, Motowo Nakajima, and Abdulla Darwish |
Vol. no. DOI |
: | Volume 2016 (2016), Article ID 8294805, 10 pages. DOI: 10.1155/2016/8294805 |
アブストラクトURL | : | https://www.hindawi.com/journals/jdr/2016/8294805/abs/ |
体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与する機能分子の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。ALAは、焼酎粕や赤ワイン、高麗人参等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。 また、がん細胞において代謝産物のプロトポルフィリンⅨが特異的に蓄積する性質を利用し、脳腫瘍の術中診断薬としても承認されています。
貧血の治療や予防に有効な化合物で、古くから広く医薬品や健康食品に利用されています。
インスリンの次に開発された経口糖尿病治療薬で、インスリンの分泌を促進し、血糖降下作用を発現する。代表的な薬剤にアマリール錠(一般名:グリメピリド)がある。
以上