2014年9月17日
モーニングスター株式会社

 中立的な第三者としての立場からEコマースや各種ウェブサイトの客観的な評価・比較を行うモーニングスター株式会社(以下、当社)は、「Gomez地方銀行サイトランキング2014」をGomezのウェブサイト(http://www.gomez.co.jp/)で発表しました。
 地方でのインターネット利用が広がり、顧客とのコミュニケーションチャネルとして地域金融機関のウェブサイトが持つ重要性は日々増大しています。各種金融商品やサービス、店舗やATMの案内などが掲載されたウェブサイトは、インターネットバンキングを利用しない窓口利用中心の顧客層にとっても、重要な情報収集媒体としての役割を持ちます。
 そこで当社は、地域金融の中核を担う地方銀行・第二地方銀行のウェブサイト、とりわけ顧客とのコミュニケーションの起点となるプロモーションサイト(ログイン前の一般ユーザー向けサイト)のユーザビリティやコンテンツを評価したランキング調査を毎年実施しており、今回で4回目の発表となります。当ランキングでは、「機能性・使いやすさ」と「商品・サービス情報の充実度」の2つの視点から構成される158の調査項目により当社のアナリストが評価を行い、総合的に優れた地方銀行サイトのランキングを決定しています。

「Gomez地方銀行サイトランキング2014」総合得点上位10サイトは、以下のようになりました。

順位得点銀行名前回※
1位8.66横浜銀行1位
2位8.30千葉銀行2位
3位7.95第四銀行26位
4位7.89広島銀行3位
5位7.84京葉銀行7位
6位7.60北洋銀行
7位6.93伊予銀行15位
8位6.90福岡銀行4位
9位6.86常陽銀行8位
9位6.82近畿大阪銀行6位
※2013年9月5日発表「Gomez地方銀行サイトランキング」
【カテゴリ別ランキング】
■ 機能性・使いやすさ
順位得点銀行名
1位8.67横浜銀行
2位8.41千葉銀行
3位7.94北洋銀行
4位7.93第四銀行
5位7.56京葉銀行
 ■ 商品・サービス情報の充実度
順位得点銀行名
1位8.65横浜銀行
2位8.26広島銀行
3位8.18千葉銀行
4位8.11京葉銀行
5位7.97第四銀行

【上位サイトの特徴】
 「Gomez地方銀行サイトランキング2014」の総合1位は、横浜銀行となりました。
総合スコアは8.66点、機能性・使いやすさ・情報量・コンテンツの全評価において高い得点を獲得しています。トップページ、個別商品やサービス紹介ページの全てにおいて大きなメニューボタンを配置し、また視認性の高いイラストを活用することで直感的な操作が可能となり、ユーザーはスムーズに情報を得ることができます。各種金融商品の選択を手助けする外国為替、豊富なマーケット情報やマネーシュミレーションツールが用意され、コンテンツ面においても充実したサイトです。

 総合第2位においても昨年と同様「千葉銀行」となりました。前回から一部リニューアルを経て引き続き上位にランクインしました。際立って評価が高かった項目は「コンテンツの使いやすさ」です。各種金融商品のページでは、Webサイトを表示したときに最初に見える範囲に商品のポイントや特徴などを簡潔に配置し、商品概要などの詳細情報はタブページで表現することで、縦長に陥りがちな商品紹介ページをコンパクトに纏めて見やすくなっています。また銀行の主力商品の1つである住宅ローンにおいては、トップページでユーザータイプ別の動線を配置し、更にシミュレーションにおいては返済、借り入れ、借り換えに加え2つの金利に同時に対応するなど、様々なニーズに対応しています。

 総合第3位は「第四銀行」となりました。ウェブサイトのフルリニューアルにより高い評価を獲得して前回26位から大きく順位を上げました。特に「機能性・使いやすさ」において高い評価を獲得しており、総合順位を押し上げています。ナビゲーションやメニューのデザイン・機能に対して例外的な規則を徹底的に排除しており、ユーザーは豊富な情報量に混乱することなく操作を継続することが可能なサイトです。

【全体的な傾向】
 昨年度に続き、地方銀行におけるウェブサイトの改善の動きは活発です。前回の発表から今回の調査終了までの間、ログイン前の一般向けサイトをリニューアル(一部リニューアルも含む)した銀行は22サイトとなりました。今回ノミネートされた64行のうち、実に34%もの地方銀行サイトがこの一年の間に何らかのリニューアルを行っており、ウェブサイトのユーザビリティに対する改善意欲の高さがうかがえます。
 一方、スマートフォンに関しては今回ノミネートされた64サイトのうち59サイトがトップページを最適化しているものの、インターネットバンキングログインページ、店舗・ATM検索や商品紹介ページなどの下層ページまで最適化されたサイトは7サイトのみでした。コンテンツ戦略においてはWebのみならず、今後も急速な普及が予想されるスマートフォンやタブレット端末への対応も急務といえます。

【調査概要】

調査期間 ◆ 2014年8月25日~9月5日
 ◆ ランキング結果は9月5日までの各社サイトに基づいています。
調査対象 ◆ 地域金融の中核を担う地方銀行と第二地銀(協会会員行)を予選調査の対象とします。
 ◆ 上記を対象として予選調査を行い、そのうち一定水準以上のクオリティを持つ64サイト
をランキングにノミネートし、スコアリングの対象とします。
調査範囲 ◆ ログイン前の一般ユーザー向けプロモーションサイトを評価対象とします。
 ◆ ログイン後のインターネットバンキングサービスは評価対象外となっています。

【評価方法】
 本調査では、「機能性・使いやすさ」「商品・サービス情報の充実度」の2つの切り口から設定された158の調査項目に基づいてモーニングスターのアナリストが調査を行います。主な評価内容は以下のとおりです。
カテゴリ名称評価内容
機能性・
使いやすさ
ウェブサイトの使いやすさを評価するカテゴリです。(1)メニューとナビゲーション、(2)コンテンツの使いやすさ、(3)デザインとアクセシビリティ、(4)安定性と信頼感、(5)情報検索とユーティリティ機能などが評価のポイントとなります。
商品・サービス
情報の充実度
ウェブサイトの情報量を評価するカテゴリです。(1)インターネットサービス情報、(2)貯蓄性商品に関する情報、(3)投資性商品に関する情報、(4)ローン商品に関する情報、(5)会社・店舗・ATM情報などが評価のポイントとなります。

以上