2017年1月27日
SBIホールディングス株式会社
SBIファーマ株式会社
University of Oxford

SBIホールディングス株式会社の子会社で5-アミノレブリン酸(ALA)(※1)を利用した医薬品、健康食品及び化粧品の研究・開発等を行っているSBIファーマ株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:北尾吉孝、以下「SBIファーマ」)と英国University of Oxford(以下「オックスフォード大学」)は、心臓バイパス手術後に起こる心拍出量(※2)の低下に対するALAの予防効果を確認するための第2相臨床試験(以下「臨床試験」)を開始しますので、お知らせいたします。

SBIファーマとオックスフォード大学は、2014年に共同研究契約を締結し、ALAを用いた臨床試験を実施するための準備をしてまいりました。昨年、英国医薬品医療製品規制庁(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency:MHRA)及び、国民医療サービス(National Health Service: NHS)の研究倫理委員会より、臨床試験を英国で実施する許可を得ました。本試験は、オックスフォード及びバーミンガム大学病院においてオックスフォード大学が実施する医師主導試験で、SBIファーマは、本試験を実施するための資金を提供いたします。

人工心肺装置を用いた冠状動脈バイパス術や大動脈弁置換術による手術では、心臓に虚血再還流障害(※3)が起き、術後に、低心拍出量症候群等の後遺症が起こります。非臨床試験で、事前投与したALAの虚血再還流障害の予防効果が確認されています。この知見に基づき、術前にALAを投与することで、心筋細胞の代謝を変え、手術に伴う心筋細胞への虚血再還流障害を予防し、術後の低心拍量症候群の発症率を低下させ、手術の結果が改善されることが期待されます。

オックスフォード大学のHoumanフウマン Ashrafianアシュラフィアン教授は次のように述べております。
「心臓病は、医療上の最大のテーマの1つであり、英国においては年に約36千件の心臓手術が実施される。今や相対的に低リスクで実施されるこれらの手術により患者は実質的、かつ恒久的な恩恵を受けるが、残念ながら、手術による付帯的なダメージが、術後回復やQOL(生活の質)に影響する重篤な症状を併発することがある。ALAによる手術前処置を追加することで手術自体の結果を改善するのみならず、後遺症の発症頻度を抑えるものと考える。」

SBIファーマはアンメットメディカルニーズに応える医薬品を世界中の一人でも多くの方に提供できるよう、今後もALAの様々な可能性を追求し、医薬品等の研究開発に努めてまいります。

(※1)5-アミノレブリン酸(ALA)とは:体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与するタンパク質の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。ALAは、焼酎粕や赤ワイン、高麗人参等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。
(※2)心拍出量とは:一回の拍動で排出される血液量
(※3)虚血再還流障害とは:血液が止まることで起きる酸素不足(虚血)から、血液が再び流れること(再還流)で引き起こされる組織の障害。

以上