2024年5月9日
SBIホールディングス株式会社
SBI地域事業承継投資株式会社

 SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役会長兼社長:北尾 吉孝)の連結子会社であるSBI地域事業承継投資株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:今井 章、以下「SBI地域事業承継投資」)は、同社が運営する事業承継ファンド(正式名称:SBI地域事業承継投資2号投資事業有限責任組合、以下「本ファンド」)の投資案件として、株式会社三芳菊酒造(本社:徳島県三好市池田町、代表取締役社長:馬宮和子、以下「新三芳菊酒造」)へ投資を実行したことをお知らせいたします。
 SBI地域事業承継投資は2019年10月(※1)に発表 しているとおり、後継者問題を抱える日本国内の中小企業への投資を目的として本ファンドの前身である1号ファンド(109億円)を設立し、2023年6月には312億円の本ファンドを組成しております。中小企業が経営者の後継者難で経営が行き詰まるケースが相次いでおり、中小企業庁によると、2025年に70歳を超える中小企業の経営者は245万人、そのうち約半数の127万人が後継者未定であり、廃業することで失われる経済的損失はGDP(国内総生産)で22兆円と言われています。(※2)
 和食が世界文化遺産に認定されたこと等から国内外で日本酒の人気は高まっており、輸出は増加傾向にある一方、蔵元(経営者)・杜氏(酒造りの職人の責任者)の高齢化、周辺人口の減少による需要減から、日本酒蔵の減少は止まらず、すでに千社を割っているのではないかとも言われております。
 三芳菊酒造を創業した馬宮家は、もともと赤穂出身の武士で江戸時代初期に蜂須賀一族と共に阿波に入国し、徳島県西部の池田町へ配置され、1903年に酒造事業を開始しました。池田町は日本最後の清流と言われる吉野川、急峻な讃岐山脈及び剣山山系に囲まれた寒冷な酒造りの好適地で、徳島県酵母を活かして醸すフルーティーな日本酒「三芳菊」には根強いファンがついており、日本酒アプリ「さけのわ」、日本酒メディア「SAKE TIME」、「NOMOOO」いずれにおいても徳島県の日本酒人気ランキング1位になっています。また富士通株式会社(本店:神奈川県川崎市、代表取締役社長:時田 隆仁)との協業により、音楽を聴かせ醸造タンクを振動、発酵を促進させた日本酒をネット販売する等新たな取り組みに挑戦しております。以下のURLをご参照ください。
 富士通株式会社が提供するWebアプリケーション「Join & Make」公式サイト
https://joinmake.jp/jp/
 またSBIグループにおいては、SBIトレーサビリティ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:輪島 智仁)が開発したブロックチェーン基盤のトレーサビリティサービス「SHIMENAWA」を数多くの日本酒蔵に提供する等、日本酒蔵の発展に取り組んできております。
 SBI地域事業承継投資は、2019年の会社設立以降、地方の名士が営む日本酒蔵は事業承継問題の原点と考え、日本最高峰の銘酒「飛露喜(ひろき)」を醸す株式会社廣木酒造本店(本社:福島県会津坂下町)廣木健司社長を顧問に迎え、投資対象の選定を進めて参りました。
 新三芳菊酒造の前身である三芳菊酒造株式会社(本社:徳島県三好市池田町、代表取締役社長:馬宮亮一郎、以下「旧三芳菊酒造」)はこれまで重い債務負担に苦しんできましたが、この度中小企業活性化協議会の支援により債務整理が完了し、本ファンドが新規設立する新三芳菊酒造が旧三芳菊酒造から酒造免許を含む酒造事業の事業譲渡を受けてスタートを切ることとなりました。新三芳菊酒造は、株式会社オープンゲート(本社:東京都品川区、以下「オープンゲート」)の中山雄介代表取締役を販売担当取締役に迎え、販売を強化して参ります。中山氏は、アマゾンジャパンの食品飲料事業部長及び酒類事業部初代事業部長となった後、楽天のフード・ドリンクジャンル戦略部長、Inagora株式会社執行役員を経て、2022年に日本酒の輸出事業やEC販売支援等を目的とするオープンゲートを設立しています。富士通株式会社との協業の更なる発展、酒質の向上、EC販売及び輸出拡大、酒蔵観光等インバウンド需要の取り込み、クラウドファンディング、SNS等メディアを通じたマーケティング等様々な手段を通じて、企業価値の最大化及び地域の活性化、並びに円滑な事業承継の支援に取り組んで参ります。
 本ファンドは日本全国を対象とすることで地域を超えた業界再編やバリューチェーン上の垂直統合等による一層の成長をサポートし、さらに当社グループの投資先・取引先企業の先端技術やノウハウ等を活用していくことで、「①地域に必要な中堅・中小企業の存続」を通じて、「②地域の雇用や取引先を守り」、「③地域活性化への貢献と融資機会提供等による地域金融機関の経営環境改善への貢献」という「三方良し」を目指します。

以上

(※1)2019年10月4日の当社プレスリリースをご参照ください。
(※2)出典:中小企業庁「中小企業・小規模事業者政策について」