2021年10月21日
SBIホールディングス株式会社

 当社及び当社の完全子会社であるSBI地銀ホールディングス株式会社(以下「公開買付者」といい、当社と併せて「当社ら」といいます。)は、公開買付者が実施している株式会社新生銀行(以下「対象者」といいます。)の普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関して、本日、対象者より、「SBI 地銀ホールディングス株式会社による当行株式に対する公開買付けに関する意見表明(反対、但し賛同のための条件を提示)のお知らせ」及び「SBI 地銀ホールディングス株式会社からの当行株式を対象とする公開買付けに関する臨時株主総会の開催に関するお知らせ」(以下「10月21日付け対象者プレス」といいます。)において、本公開買付けについて反対の意見を表明すること、但し、①本公開買付けについて買付予定数の上限のない公開買付けとすること(又は、買付予定数の上限及び下限のない公開買付け(「第 2 回公開買付け」)を 2022 年 6 月 8 日(又は、SBIHD らとの協議の上、2022 年 6 月 8 日以降の日で対象者が指定する日)までに開始すること)及び②本公開買付価格(第 2 回公開買付けが開始する場合には当該公開買付けにおける公開買付価格を含む。)を、対象者取締役会がフィナンシャル・アドバイザーの価値算定結果等に照らし対象者の本源的価値を反映した価格であると評価・判断できる水準まで引き上げること(以下「賛同要件」といいます。)が満たされた場合は、賛同の意見を表明することが公表されています。

 10月21日付け対象者プレスによると、対象者は、本公開買付けは買付数に上限のある部分買付けであるため残存株主が不利益を被る可能性が否定できないこと、及び公開買付価格はプレミアムを加重平均した場合に低水準であり、また対象者の本源的価値を反映した価格とは考えられないことから、本公開買付けは対象者の企業価値ないし株主共同の利益の最大化を妨げると判断したとのことです。
 しかしながら、当社らは、総合金融サービスを営んでいる企業であり、事業上のシナジー効果を発揮することを通じて、対象者株主として対象者の企業価値の回復・向上を図るという正当な目的を有しております。また、当社らは、公開買付届出書や対象者からの質問事項への回答等を通じて、本公開買付け成立後の対象者の具体的な企業価値向上策を示しており、また、当社らが、かかる対象者の企業価値向上策を実際に実現できる能力を十分に有していることは、当社グループが、長年に亘り総合的な金融サービスを手がけ、実績を出している事業会社グループであることや過去の当社グループと金融機関との資本提携の実績に照らしても明らかであると考えております。上記に加え、銀行法上のアームズ・レングス・ルール等の厳格な規制や、公開買付届出書や対質問回答報告書で明示している本公開買付け後の利益相反管理体制を備えることにより、少数株主の皆様の保護を図る予定であり、株主の皆様の利益は十分に確保されると確信しております。したがって、当社らとしては、対象者の主張するような、本公開買付け成立後に残存する少数株主の皆様が不利益を被るおそれはそもそも存在せず、本公開買付けが企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を毀損するものではないことは明白であると考えております。

 そもそも、日本における公開買付制度上、買付後の所有割合に上限を設けることは許容されており、当該上限を付したことのみをもって本公開買付けの正当性を否定することは、日本における公開買付けの制度そのものを否定することになります。本公開買付けにおいて上限設定が必要となる理由は、公開買付届出書に記載のとおり、投資金額の合理性の観点から、当社が採用する国際会計基準に照らし、対象者が連結子会社になりうる水準を超える対象者株式を取得する必要は必ずしもないこと、及び、上限設定をしない場合、当社らが銀行持株会社となることについて銀行法上の許可等が必要となり、対象者株式の所有割合を速やかに高め、経営刷新を図ることが難しくなることにあり、恣意性のない正当なものです。従って、本公開買付けにおける上限設定の撤廃は受け入れることはできません。

 また、対象者株式の過去の推移を踏まえると、本公開買付価格は十分なプレミアム水準を確保しており、当社らとしては本公開買付価格を引き上げるつもりはありません。

 このように、本公開買付けは、公開買付価格に反映されたプレミアムを直ちに享受されたい株主の皆様には本公開買付けに応募することでかかるプレミアムを享受する機会を提供し、当社らと共に本公開買付け成立後の対象者の企業価値の向上による利益を享受されたい株主の皆様には本公開買付けには応募せずかかる利益を享受する機会をご提供するものです。

 以上を踏まえると、対象者が本公開買付けに反対の意見を表明し、買収防衛策に基づく対抗措置の発動を決議する株主意思確認総会を開催することは、株主の皆様に必要のない混乱を招くものと考えます。

 なお、当社らとしては、株主意思確認総会の開催にあたって、対象者の株主の皆様によるご検討・ご判断に資するために必要な情報提供を適時に行うことは対象者経営陣の当然の責務と考えていることから、当社らは2021年9月24日付の「株式会社新生銀行(証券コード:8303)からの「公開買付期間終了日の延長要請」に対する当社の対応について」において示した、対象者の全ての株主の保護と株主利益に資する以下の3つの質問項目について可及的速やかにご回答いただくよう要請してきました。

1. 対象者は巨額の公的資金を注入されてから20年以上を経ても返済出来ていない中、国民財産保全の観点からもかかる状況は大変由々しき事態だと考えておりますが、対象者はこの点何が要因であると分析されているかご教示ください。
2. 公開買付届出書7ページに記載のとおり、対象者においては2016年3月期以降業務粗利益、実質業務純益、親会社株主に帰属する当期純利益いずれにおいてもほとんどの事業年度において対象者公表の計画値が未達となっております。当社らが拝見する限り、これらの業績低迷に対して抜本的な対応策を講じられていないように思われますが、今後業績ならびに企業価値を向上させ、最終的には公的資金の返済を行うために対象者は如何なる施策を講じようとされているのか、当社らが提案している企業価値向上策を上回るような対象者経営陣による具体的な企業価値向上策がもしあればご教示ください。
3. 当社らにおいては、上記2記載の業績低迷が、対象者株価が低位に推移していることの根本的な要因であると考えております。かかる低調な株価水準によって、公的資金返済から遠のいているようにも思えますが、対象者の見解をお聞かせください。

 しかしながら、10月21日付け対象者プレスにおける対象者の回答は具体的な内容となっておりませんでしたので、引き続き対象者に具体的に回答いただくよう強く要請するとともに、2021年9月28日付で公開買付者が提出した対質問回答報告書において既に対象者に質問している、対象者が買収防衛策に係る対抗措置を発動する場合に割り当てられる甲種新株予約権及び乙種新株予約権1個あたりの目的となる株式の数につきましても、対抗措置の発動に伴い当社らに発生する影響の程度を把握するだけでなく、本公開買付けに応じるか及び株主意思確認総会での議決権行使を判断する上で対象者の株主の皆様にとって重要な情報となることから、明確かつ早急にお示しいただくよう引き続き対象者に強く要請してまいります。

以上