2022年8月31日
株式会社新生銀行

 当行は、いちごECOエナジー株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 五島 英一郎)が建設する太陽光発電所の建設資金39億円を、2022年8月31日に「新生グリーンローン」として実行いたしました。

 「新生グリーンローン」とは、明確な環境改善効果が認められる事業に資金使途を限定したローンであり、2020年5月に当行が策定した、「新生グリーンファイナンス・フレームワーク」※1に適合するファイナンスです。

 いちごECOエナジーが所属するいちごグループは、いちご株式会社を親会社とする独立系の総合不動産会社であり、中核事業として「アセットマネジメント事業」、「心築(しんちく)事業」に加え、遊休地の有効活用により地域および地球に優しい「クリーンエネルギー事業」を展開し、国内エネルギー自給率への貢献を果たしています。また、2020年2月期を初年度とする長期VISION「いちご2030」では、「サステナブルインフラ企業」として、将来を見据えた戦略的な事業展開を行うことを掲げています。この中でサステナブルな社会を実現するため、「不動産」と「クリーンエネルギー」の事業領域においてさらなる進展を図るとしており、同グループの中でクリーンエネルギー事業を推進するいちごECOエナジーは、太陽光発電所を中心に全国で約200MWに相当するクリーンエネルギー発電所を開発・運用しています。いちごECOエナジーは本グリーンローンにより調達した資金を宮崎県えびの市に新設する太陽光発電所建設費用に充当することで、クリーンエネルギー事業をさらに推進していくものです。

 新生銀行グループは、中期経営計画「新生銀行グループの中期ビジョン」の実現に向けて「環境・社会課題解決へ向けた金融機能提供」を掲げております。持続可能性やESG/SDGsの観点に、環境・社会・経済など社会全般に対して正のインパクトをもたらすことを目的とする社会的インパクトの概念を融合させた「サステナブルインパクト」のコンセプトのもと、社会課題に対して正のインパクトをもたらす企業や事業に対し、お客さまとの継続的な対話を通じた投融資を推進しています。本件には以下の意義が認められることから、係る取り組みの一環として「新生グリーンローン」を実行するものです。

借入人 いちごえびの末永ECO発電所合同会社
資金使途 いちごえびの末永ECO発電所(宮崎県えびの市、太陽光発電)の建設資金
事業の意義 再生可能エネルギー発電所の建設
・年間13,987MWh(18年平均値)※2の再生可能エネルギーによる発電電力量を見込む
・CO2排出削減効果は6,056トン/年と算出される
本プロジェクトがもたらす環境改善効果の社会課題への貢献 SDGsでは主に「目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」などに貢献すると考えられる。日本政府は、最終到達点としての「脱炭素社会」を掲げ、再生可能エネルギーの導入促進を優先課題の一つとして定めており、国の課題認識や方針と整合していると評価した。
本ローンに関するその他評価のポイント
✓いちごグループは長期VISION「いちご2030」の中で、「サステナブルインフラ企業」として将来を見据えた戦略的な事業展開を行うことを掲げており、「クリーンエネルギー」領域においてさらなる進展を図ることを掲げている。同グループにおいてクリーンエネルギー事業を担ういちごECOエナジーが推進する本プロジェクトは、組織目標と整合的であると評価した。
✓いちごグループは「遊休不動産を活用したクリーンエネルギー創出、地域への貢献」を掲げており、山林を無駄に切り崩さず、造成による水の被害が想定される土地は使用しないなど、再生可能エネルギー事業における環境への影響を可能な限り小さくする運用を行っている。本プロジェクトでも、環境影響の比較的小さい場所を選定していることや、地元自治体や住民とも開発当初より直接コミュニケーションを図りながらプロジェクトを進めていることを評価した。
※1 新生グリーンファイナンス・フレームワークを含む、「新生グリーン/ソーシャル/サステナビリティファイナンス・フレームワーク」の概要については、別添の参考資料をご参照ください。
※2 出力抑制率の予測値を考慮した発電電力量(いずれも2022年7月時点における想定値)