2014年6月5日
モーニングスター株式会社
中立的な第三者としての立場からEコマースや各種ウェブサイトの客観的な評価・比較を行うモーニングスター株式会社(以下、当社)は本日、「Gomez IRサイトランキング2014」をGomezのウェブサイト(http://www.gomez.co.jp/)上で発表しました。
この調査は毎年、国内の上場企業が提供する株主・投資家向け広報(IR)サイトの使いやすさや情報の充実度を評価することを目的として行っており、今回で8回目の発表となります。「ウェブサイトの使いやすさ」「財務・決算情報の充実度」「企業・経営情報の充実度」「情報開示の積極性・先進性」の4つの切り口から、主要ユーザーである投資家の視点に基づいて設定した288の調査項目により当社アナリストが評価を行い、総合的に優れたIRサイトのランキングを決定します。
順位 | 得点 | 会社名 | 前回※ |
1位 | 8.82 | ソフトバンク | 1位 |
2位 | 8.76 | カプコン | 1位 |
3位 | 8.67 | KDDI | 6位 |
4位 | 8.44 | NTTドコモ | 3位 |
5位 | 8.41 | TDK | 3位 |
6位 | 8.24 | 東芝 | 5位 |
7位 | 8.21 | コニカミノルタ | 10位 |
8位 | 8.18 | 富士フイルムホールディングス | 8位 |
9位 | 8.09 | ベネッセホールディングス | 9位 |
10位 | 8.02 | ミネベア | 7位 |
※11位以下のサイトについては、Gomezのウェブサイトをご覧ください。
順位 | 得点 | 会社名 | 前回※ |
1位 | 7.00 | フィールズ(JQ) | 1位 |
2位 | 6.26 | エムティーアイ(JQ) | 2位 |
3位 | 6.22 | ハーモニック・ドライブ・システムズ(JQ) | 4位 |
4位 | 6.07 | サイバーエージェント(マザーズ) | 7位 |
5位 | 5.99 | ライフネット生命保険(マザーズ) | 5位 |
ランキング上位企業の評価理由
「IRサイトランキング2014」総合ランキングは、ソフトバンクが第1位となりました。 移動体通信事業などの通信事業を展開するソフトバンクは、豊富かつきめ細かなIR関連情報の掲載、インターネットの特性をフル活用したライブ配信など先進的な取り組みにより、「情報開示の積極性・先進性」で高い評価を獲得した一方で、個人・法人向けサービスサイトも含めた全面リニューアルにより、統合された使い勝手のよさを実現しました。
英語サイトも含め海外投資家を意識した切り口で情報が配置されており、会社の全体像を知りたい投資家から、最新情報や詳細情報を探しに来た人まで、多様なステークホルダーに対応できるようになっています。
総評とIRサイトのトレンド
■121社を2014年「IRサイト優秀企業」に選定
「IRサイトランキング2014」の調査対象サイトのうち総合得点6.00点以上に贈られる「IRサイト優秀企業」に121社が選定されました。これは前回調査よりも11社の減少です。ランキング評価項目の改定により、各種コンテンツの深み、あるいはソーシャルメディアやモバイルへの対応に関する調査項目を強化したことが影響しました。
■進化するIRコミュニケーション手法
インターネットIR先進企業の動向を上位200社の平均スコアから見てみますと、2014年調査では基本的なIRコンテンツを評価する「財務・決算情報」は6.41点(前回6.40)でありほとんど変化がない一方で、企業自体の戦略や取り組みの掲載を評価する「企業・経営情報」は6.44点(前回6.30)と大きく改善しました。決算数値などの定量的データに加えて、企業の魅力を伝える姿勢が重視されてきていることを示しています。
その他、コーポレートサイトをスマートフォン最適化したサイトはノミネートサイト中100社を超え、利用者のアクセス端末に応じたマルチデバイス対応が進みつつあります。これまで部分的なページのスマートフォン対応にとどまっていた企業も、サイトリニューアルを経て、全面的なスマートフォン最適化ページの構築がなされています。
■ウェブサイトを通じた海外投資家対応
今回の調査結果からは、海外投資家に対してウェブサイトを活用して積極的にアプローチしている企業も見受けられました。企業の概要やコーポレート・ガバナンス、経営戦略など英語コンテンツの充実や、サイトのなかで様々な箇所に散らばっている情報を、四半期ごとのトピックスでまとめる使い勝手のよいサイト構造の実現などに取り組んでいます。海外IRサイトでは掲載が多い「オンラインレポート」や「ポッドキャスト」による情報発信も今後の課題でしょう。
トピックス(1) IRサイト優秀企業2014
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■IRサイト優秀企業:銅賞(全86社)
Gomezのウェブサイトをご覧ください。
トピックス(2) ランキングアップ企業
今回もIRサイトのリニューアルや、情報・機能の追加により、ウェブIRを強化する企業が数多くみられました。その中でも、とくに大きくスコアを伸ばした企業(2013年調査時よりスコアを大きく伸ばした企業)は下記の通りです。
前回比 | 得点 | 会社名 |
+0.72 | 6.51 | 第一生命保険 |
+0.69 | 6.82 | テレビ東京ホールディングス |
+0.69 | 5.55 | 大氣社 |
+0.58 | 5.19 | 雪印メグミルク |
+0.52 | 6.69 | 三井住友トラスト・ホールディングス |
+0.51 | 7.35 | 帝人 |
+0.49 | 6.96 | ニチレイ |
+0.47 | 8.67 | KDDI |
+0.43 | 7.64 | アサヒグループホールディングス |
+0.42 | 6.01 | 吉野家ホールディングス |
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・ 調査期間 | : | 2013年12月1日~2014年3月26日まで (※ランキングデータは、2014年3月26日までのものを反映) |
・ 調査対象 | : | 2014年3月時点の国内証券取引所上場企業 |
・ 調査範囲 | : | IR情報、ならびに会社情報やCSR情報が掲載されたページを調査 (※採用サイト、商用サイト、製品・ブランドサイト等は、評価範囲から除外) |
カテゴリ名称 | 評価内容 |
ウェブサイトの 使いやすさ |
IR情報を提供するウェブサイト全体のユーザビリティを評価するカテゴリです。情報の見つけやすさや各コンテンツの見やすさ・使いやすさ、ウェブ・アクセシビリティ基準への対応状況等を総合的に評価します。 |
財務・決算情報 の充実度 |
財務や決算に関する情報量を評価するカテゴリです。ウェブサイト上に掲載されたディスクロージャ資料や説明会情報など、主に業績を中心とする定量的な情報の充実度を総合的に評価します。 |
企業・経営情報 の充実度 |
企業や経営に関する情報量を評価するカテゴリです。事業や経営戦略、コーポレートガバナンスと株主総会、CSRなど、企業に関する定性的な情報の充実度を総合的に評価します。 |
情報開示の 積極性・先進性 |
基本情報の一歩先を進んだ情報開示を評価するカテゴリです。個人投資家向け情報や事業トピックスなどのコンテンツ面、動画・音声配信、ソーシャルメディア、スマートフォン対応などの機能面の両面から評価します。 |
Gomezについて
Gomezは、インターネット上で提供されるサービスを中立的な立場から評価・分析し、
・インターネット利用者の利便性向上とEコマース市場などの拡大に貢献するための情報提供
・企業向けのアドバイス
を目的とし、消費者・企業双方に対して利益となる情報を掲載しています。
Gomezは、モーニングスター株式会社ゴメス・コンサルティング事業部により運営されています。