2010年4月20日
SBIホールディングス株式会社

 当社は、2010年3月期決算において、出資先である韓国のKTIC Holdings Corporation(以下、「KTIC Holdings」)株式に対する投資損失引当金繰入の計上を行うこととなりましたのでお知らせいたします。また、KTIC Holdings傘下であった韓国KOSDAQ上場投資会社2社の株式を計36億円で取得、2社の経営権を取得し、両社の株主総会決議を経て既に過半数の役員を派遣いたしましたので、併せてお知らせいたします。

1. 投資損失引当金繰入の計上について
(1) 投資損失引当金繰入の概要
 当社は2008年6月に、韓国のKTIC Holdingsが実施した第三者割当による新株式発行を引き受け同社に出資しておりましたが、同社の創業者である前会長ならびに前社長の、取締役会に無断で会社資産を担保に供する等の不当行為により同社に損害が発生し、企業価値が著しく毀損していることがこの度判明したため、保有しているKTIC Holdings株式に対して投資損失引当金繰入の計上を行うこととなりました。
(2) 今後の見通し
 本件に関する投資損失引当金繰入26億円を、2010年3月期の連結および単体決算において計上する予定です。なお、同引当金繰入の計上後も、2010年3月期の連結当期純利益は20~25億円程度を確保する見込みです。また、KTIC Holdingsは今後適当なタイミングで清算の予定です。
2. 韓国KOSDAQ上場投資会社2社の株式取得について
 当社は、当社の子会社等を通じて、KTIC Holdings傘下にあったKorea Technology Investment Corporation(以下、KTIC)の発行済株式の約35%を、ならびにKTIC GLOBAL INVESTMENT ADVISORY CO., LTD(以下、KTIC GLOBAL )の発行済株式の約29%を取得いたしました。今後、第三者割当増資(KTICについては、第三者割当増資および市場価格より30%ディスカウントでの株主割当増資)により、2社それぞれへの当社グループ出資比率を40~50%程度へと高める予定です。
 KTICは、1986年に設立された韓国初のベンチャーキャピタルでありますが、3000億ウォンの運用資産規模は韓国最大であり、KOSDAQ上場企業の約10%は同社が育成しております。出資者には、韓国政府の中小企業庁や大手生命保険会社・銀行等も名を連ね、ベンチャーファンドの運用成績は、IRR(投資家利回り)平均で設立来17%と高い実績を有し、現在は11本のファンドを運営しております。また、KTIC GLOBALは、現在韓国金融市場で最も注目を集める金融商品であるSPAC(Special Purpose Acquisition Company)のマーケットリーダーであり、既に同分野で3本のファンド設立を進めております(1本は設立済み)。
 両社は、KTIC Holdingsの前経営者の不当行為に伴う混乱の影響を受け、市場価値が低迷しておりましたが、当社は両社の本来有する企業価値を評価しており、経営管理体制の整備と成長への事業構築を進めつつあります。今後は当社グループがアジア地域で有するネットワークも活用し、SBIインベストメントとの共同投資等により両社のアジアにおける投資事業拡大を支援し、企業価値向上に努めてまいります。また、両社は2010年3月末までの決算において、引当計上等を行い、今後は業績の急回復が見込まれます。当社は、本年4月以降に両社を連結子会社とする予定であり、今後の当社連結業績への寄与を目指してまいります。

【株式を取得する会社の概要】
Korea Technology Investment Corporation(2009年12月末日現在)

(1) 商号Korea Technology Investment Corporation
(2) 所在地943-19 Daechi-dong, Gangnam-gu, Seoul, Korea
(3) 設立年月1986年11月
(4) 主な事業内容ベンチャーキャピタルファンド等の運営
(5) 資本金500億ウォン
(6) 純資産637億ウォン

KTIC GLOBAL INVESTMENT ADVISORY(2009年12月末日現在)

(1) 商号KTIC GLOBAL INVESTMENT ADVISORY CO., LTD
(2) 所在地144-4 Samseong-dong, Gangnam-gu, Seoul, Korea
(3) 設立年月1986年12月
(4) 主な事業内容ベンチャー投資等を含む投資銀行業務
(5) 資本金177億ウォン
(6) 純資産161億ウォン

以上