2016年3月14日
SBIファーマ株式会社

SBIホールディングス株式会社の子会社で5-アミノレブリン酸(ALA)(※1)を利用した医薬品、健康食品及び化粧品の研究・開発等を行っているSBIファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表:北尾 吉孝、以下「SBIファーマ」)は、光線力学的診断及びフォトブリーチング防止剤に関して、このたび日本での特許を取得しましたのでお知らせいたします。
なお、本特許は国立大学法人東京工業大学(所在地:東京都目黒区、学長:三島良直)と共同で出願したものです。

【特許番号】特許第5883889号
【発明の名称】光線力学的診断剤、及び、フォトブリーチング防止剤
【特許権者】SBIファーマ株式会社、国立大学法人東京工業大学
【特許出願日】2013年1月22日

光増感剤として用いられるポルフィリンは、蛍光測定に際し、フォトブリーチング(※2)という現象を生じ、時間の経過とともに蛍光強度の減少が観察され、診断時間が短くなってしまう問題がありました。このため、ポルフィリンのフォトブリーチングを防止すること、及びフォトブリーチング防止剤を用いた診断方法が求められていました。

ALAは、腫瘍細胞に取り込まれて、ポルフィリンの1種であるプロトポルフィリンⅨの状態で蓄積されることが知られており、既に脳腫瘍の術中診断薬として用いられていますが、このたび、没食子酸(※3)にプロトポルフィリンⅨのフォトブリーチングを防止する効果があることを見いだし、さらに、ALAと没食子酸を合わせて投与することによりプロトポルフィリンⅨの蓄積した腫瘍細胞等を診断できる可能性を見いだし、特許を取得いたしました。

SBIファーマはアンメットメディカルニーズに応える医薬品を世界中の一人でも多くの方に提供できるよう、今後もALAの様々な可能性を追求し、医薬品等の研究開発に努めてまいります。

(※1)5-アミノレブリン酸(ALA)とは:体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与する機能分子の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。ALAは、焼酎粕や赤ワイン、高麗人参等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。
(※2)フォトブリーチングとは:蛍光色素が強い励起光を受けることで、その分子に不可逆的な変化が起こり、蛍光が出なくなることです。一例として、プロトポルフィリンⅨにおいては、60秒で蛍光強度が10分の1以下に低下することが知られています。
(※3)没食子酸とは:有機化合物の一種で、茶の葉ほか、多くの植物に含まれています。没食子酸の中には、油脂等の酸化防止剤として食品添加物にも使用されています。

以上