2017年2月2日
SBIソーシャルレンディング株式会社

当社は、モビリティIoTベンチャーのGlobal Mobility Service 株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長執行役員/CEO:中島徳至、以下「GMS」)が開発した革新的な車両遠隔制御IoTデバイス「MCCS(Mobility-Cloud Connecting System)」を活用し、車両の割賦購入者に対し、購入代金の支払い状況に応じて車両を始動できないように遠隔制御する等により、割賦債権の債権保全力を強化しつつ、新興国における貧困・環境問題の解決をサポートすることをテーマとするローンファンド「SBISLテレマティクスローンファンド1号」を組成し、運用を開始いたしましたので、お知らせいたします。

本ファンドは、ソーシャルレンディングの仕組みを用いて広く投資家から資金を募り、フィリピン共和国にてMCCSを取り付けたトライシクル(三輪タクシー)の割賦販売事業者の事業資金に対応する融資を行います。

一般的に新興国においては、信用情報機関の仕組み等、先進国のように金融サービスを提供するための環境が整っていないことが多く、借入や割賦購入等の金融サービスを受けられる層が限られています。本ファンドでは、融資先である割賦販売事業者が販売するトライシクルにMCCSを取り付けることにより、トライシクルの遠隔制御や位置情報のリアルタイムでの把握が可能となり、債権保全力を強化することができます。これにより、より多くの人を割賦販売の対象とすることができるほか、車両購入者はトライシクルドライバーとしての職を手にし、家族を養うことが可能となり、生活水準の向上が期待されます。

また、フィリピンは排気ガスの多い車両が走行し続けていることも一因とされる大気環境汚染が深刻な社会問題となっておりますが、本ファンドを通じたトライシクルの割賦販売事業により、BOP(Base of the Pyramid)層の人々が、低排気ガスのクリーンな車へと買い換えることを促進でき、環境面でも現地の人々の生活水準の向上を実現する社会性の高い取り組みであると考えています。

当社は、ソーシャルレンディングとMCCSの組み合わせにより、投資家や割賦販売事業者にとっての債権保全力を強化しつつ、「トライシクルさえあれば生活が豊かになる」というBOP層に対してトライシクルの利用機会を提供し、環境問題を含めた社会的なリターンを創造するべく、本ファンドをシリーズ化して今後も組成してまいります。

【車両遠隔制御IoTデバイス“MCCS”とは】
車両遠隔制御IoTデバイス“MCCS” このデバイスを車両に取り付けることで、遠隔でエンジンの起動制御や位置情報のリアルタイム把握ができるようになります。(外部から車両を一見しただけではわからない箇所に設置されます。)

たとえば、トライシクルを割賦販売で購入したドライバーからの毎月の料金支払いが滞った際には、夜間など安全性に配慮したタイミングでエンジンを始動することができないように遠隔制御でき、ドライバーからの支払いさえあれば直ちに制御を解除し走行可能することができます。延滞が続いた場合や第三者による盗難が発生した場合には、停止車両の位置情報を特定することで車両を確実に回収することができ、MCCSが取り外された場合には、自動で遠隔起動制御が働き、アラート情報と車両の位置情報を把握できます。

※車両の運行状況や位置情報の管理画面 ※車両の運行状況や位置情報の管理画面

【ソーシャルレンディングとは】
 ソーシャルレンディングとは、「お金を投資したい人(投資家)」と「お金を借りたい人(借手)」を、インターネットを通じて結びつける新しい金融サービスの形態であり、FinTechの一つとしても注目されています。このサービスのメリットは、インターネットを活用することで、低コスト経営を行うことが可能となり、そこで生まれるコストメリットを投資家及び借手の双方に還元できる点にあります。これにより、投資家に対しては利回りが高い新たな投資商品を提供し、借手に対してはより低い金利での資金調達機会を創造することが可能となります。

以上