2022年1月20日
SBI地方創生サービシーズ株式会社
SBI地方創生サービシーズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:北尾 吉孝)はこのたび、SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:北尾 吉孝)とフューチャーアーキテクト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:神宮 由紀、以下「フューチャーアーキテクト」)との業務提携に関する基本合意に基づき、共同で開発を進めている「地域金融機関向けのクラウドベースの勘定系システム」について、株式会社福島銀行(本店:福島県福島市、取締役社長:加藤 容啓、以下「福島銀行」)が採用を決定いたしましたので、お知らせいたします。
また、当該システムの開発資金を調達し、地域金融機関向けに年間利用料モデルでシステムを提供するストラクチャーとしてSBI地方創生サービシーズを営業者とする匿名組合を新たに組成することを決定し、福島銀行が本匿名組合への出資を決定いたしましたので、併せてお知らせいたします。
SBIグループでは、国家目標である地方創生は、我が国の将来に関わる最重要課題の一つであり、地方創生なくして地域経済、ひいては日本全体の経済成長の実現は不可能と考えています。地域において、少子高齢化や人口流出が進行する中、地域経済の心臓とも言える地域金融機関の果たすべき役割の重要性は益々高まっています。具体的には、地域事業者の事業承継支援や地域における事業立上げ、事業転換、事業提携支援等を通じた新たな資金需要の創出、デジタル技術の進展に伴う銀行業務の抜本的な改革、フィンテック事業者の有する技術・サービスの速やかな活用による顧客利便性の向上などが求められています。一方で、多くの地域金融機関が抱える従来の重厚長大な基幹システムでは、数年に一度の更改において多額の費用が発生するほか、速やかなシステムの拡張や変更が困難であるなど、様々な課題を抱えています。
こうした背景を踏まえ、SBIグループとフューチャーアーキテクトは、2021年1月15日に発表している通り、クラウドベースで運営可能な勘定系を含む次世代バンキングシステム(以下「本システム」)の開発を進めています。本システムは、アマゾンウェブサービス(AWS)上で設計・構築されており、高い拡張性を実現するほか、APIを通じてあらゆるシステムに接続可能、機能の新規・追加開発が低コストかつ短期間で実現可能であるなど、銀行のデジタルトランスフォーメーションと業務改革を実現しつつ、持続的に進化し続けることが可能なシステムを目指しています。なお本システムに関しては、福島銀行をファーストユーザーとして、2024年中のシステム稼働開始を目指し、取り組みを推進しています。
【次世代バンキングシステムの概要】
また、本システムに関しては、広く地域金融機関へ導入いただくことを想定し、システムの共通仕様化を行うとともに、運用・管理体制には年間利用料モデル・匿名組合形式を活用いたします。システムの共通仕様化により、福島銀行に次ぐ2行目以降の導入にかかる初期費用並びに運用・維持費用を削減しつつ、リスクを低減することが可能となります。また、匿名組合を通じた本システムの提供スキームは、利用行において年間利用料モデルによるシステムコスト負担の平準化を実現すると共に、出資者において本システムの利用行増加に伴う匿名組合からの配当による利益還元を享受することが可能となります。更には、クラウド基盤上で銀行ごとのインスタンス設定により利用行のニーズに合わせたカスタマイズも容易に実現可能とすることで、共通化によるコスト削減での利益享受と共通仕様の枠組みに囚われないサービス面での独自性を両立し得るシステムを目指しています。
【匿名組合形式による提供スキーム】
今後は、本システムの開発を加速化するとともに、採用先地域金融機関の更なる拡大を目指し、取組みを推進してまいります。
以上