2022年7月26日
株式会社新生銀行

 当行は、ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人(東京都千代田区、執行役員 川島 哲)に対し、有料老人ホームおよびサービス付き高齢者向け住宅計14物件の受益権取得を資金使途とした既存貸付の借り換え資金11億円について、「新生ソーシャルローン」として個別貸付契約を2022年7月27日に締結します。

 「新生ソーシャルローン」とは、特定の社会課題への対処やその軽減に資する事業や、社会的インパクトをもたらす事業に資金使途を限定したローンであり、2020年5月に当行が策定した、「新生ソーシャルファイナンス・フレームワーク」※1に適合するファイナンスです。

 新生銀行グループは、2022 年 5 月 13 日に公表した中期経営計画「新生銀行グループの中期ビジョン」の実現に向けて「環境・社会課題解決へ向けた金融機能提供」を掲げております。持続可能性や ESG/SDGs の観点に、環境・社会・経済など社会全般に対して正のインパクトをもたらすことを目的とする社会的インパクトの概念を融合させた「サステナブルインパクト」のコンセプトのもと、社会課題に対して正のインパクトをもたらす企業や事業に対し、お客さまとの継続的な対話を通じた投融資を推進しております。本件には以下の通りの意義が認められることから、かかる取り組みの一環として「新生ソーシャルローン」を実行するものです。

借入人 ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人
資金使途 稼働開始済みの介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅計14物件(以下、「対象施設」)の受益権取得費用等に係るリファイナンス資金
本件の社会的意義 「高齢者」を対象とした「必要不可欠なサービスへのアクセス(ヘルスケア)」の提供
・ 施設利用者の観点:「高齢者が安心して日々の生活を送る住まいの確保」
・ 施設利用者の家族の観点:「介護離職の減少」「女性の社会参加の促進」
本件がもたらす社会的インパクトと社会的課題との整合性 SDGsでは主に「目標 3:すべての人に健康と福祉を」、「目標 5:ジェンダー平等を実現しよう」、「目標 8:働きがいも経済成長も」に貢献すると評価した。
また、日本政府が進めてきた介護基盤の整備、介護人材の確保、女性活躍推進等の各施策に加え、対象施設の属する自治体の高齢者保健福祉計画等とも整合すると評価した。
本ローンに関するその他評価のポイント
・ 借入人は、日本社会における高齢者向け施設の需要の増加を認識し、「資本市場のニーズとヘルスケア施設オペレーターとのニーズを結び付けることで、優良なヘルスケア施設の供給促進と、社会性の高い資金の投資を促進する」ことを掲げている。本件は借入人の組織目標と整合していると評価した。
・ 借入人及び資産運用会社のケネディクス不動産投資顧問株式会社では、対象施設を含む投資・保有管理施設の環境・社会的リスクマネジメントのため、オペレーターと綿密なコミュニケーションを行った上で、能動的にマネジメントを行っている。環境面では、オペレーターに対して、温室効果ガス(GHG)削減、照明のLED化といった既存物件の省エネ化や、再生可能エネルギーの導入に向けた意識啓発を行っている。
・ 借入人及び当資産運用会社ではサステナビリティ経営を進めており、2021年度には当資産運用会社においてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同表明や、「サステナビリティ推進委員会」の運営事務局として戦略企画部内にサステナビリティ企画推進室の創設を行っている。
※1 新生ソーシャルファイナンス・フレームワークを含む、「新生グリーン/ソーシャル/サステナビリティファイナンス・フレームワーク」の概要については、別添の参考資料をご参照ください。

【参考資料】

「新生グリーン/ソーシャル/サステナビリティファイナンス・フレームワーク」について

 近年、企業の資金調達手段の一つとして、グリーンローン、ソーシャルローン、サステナビリティローンなど、環境・社会課題の改善に資する事業に資金使途が限定されたファイナンスを活用する例が増えています。当行においても、これらのファイナンスの実施を通じて、お客さまの環境・社会課題の改善に資する取り組みをサポートするために、「新生グリーンファイナンス・フレームワーク」、「新生ソーシャルファイナンス・フレームワーク」、「新生サステナビリティファイナンス・フレームワーク」(以下、総称して「本フレームワーク」)を、2020年5月に策定しました。

 当行が本フレームワークに基づくファイナンスを行うにあたっては、社内で独立性を確保した評価室が、資金使途や資金管理方法、潜在的な環境・社会面への負の影響等を評価し、本フレームワークへの適合性を確認します。

 また、本フレームワークについては、関連原則と整合的であること※2、本フレームワークの社内の実施体制が堅固であることについて、株式会社日本格付研究所(JCR)より、第三者意見を取得しています。

 なお、当行では、本フレームワークの適合性の確認にあたって、以下のロゴマークを使用することにしています。

【環境性】  【社会性】
※2 本フレームワークでは、国内外での指針である以下の関連原則と整合した運営を行います。
・ 国際資本市場協会(ICMA)が公表している「グリーンボンド原則」、「ソーシャルボンド原則」、「サステナビリティボンド・ガイドライン」
・ ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)ならびにアジア太平洋ローン・マーケット・アソシエーションが策定した「グリーンローン原則」

以上