2024年5月31日
SBI XDC Network APAC株式会社
SBI R3 Japan 株式会社
SBI XDC Network APAC株式会社 (本社:東京都港区、代表取締役:近藤 智彦)とSBI R3 Japan 株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:藤本 守)は、SBIホールディングス株式会社の2023年12月27日付のプレスリリース「XDC Networkを展開するアラブ首長国連邦TradeFinex Techとの合弁会社「SBI XDC Network APAC株式会社」設立のお知らせ」にてお伝えのとおり、同合弁会社の最初の取り組み案件として、企業間取引におけるFIAT決済をCorda及びCorda Bridgeを介することでXDC Networkネイティブトークンである暗号資産「XDC」で行う実証実験を実施し、これを完了しましたのでお知らせいたします。
なお、SBIグループ内にてXDC NetworkとCordaの連携を今後さらに深め、Corda Bridgeの活用ケース拡大を目指すことを目的として、同実験にて使用されたCorda Bridgeの所有権につきましては、現在のIMPEL GLOBAL(本部:米国、CEO & Founder:Troy S. Wood)から合弁会社であるSBI XDC Network APAC株式会社へ本日付けで移譲することとしております。
2023年5月31日にSBI VCトレード株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:近藤 智彦)における国内初の暗号資産「XDC」取扱い開始を機にスタートした、SBIグループとXDC Networkのパートナーシップは2年目に突入しますが、これらの取り組みにより一層強固なものとし、貿易取引における企業間決済の効率化、円滑化に資する新たな基盤構築の実現を図ってまいります。
1. 実証実験の背景と目的
同実験は、インターオペーラビリティーとスケーラビリティに強みを持ち、企業間取引を想定してプライバシーを最重視したプライベート型ブロックチェーンCordaと、貿易金融の効率化を目的とし、企業間の利用に特化したプライベートチェーンとの高い互換性を持つ、ハイブリッド型レイヤー1パブリックブロックチェーンであるXDC Networkという異なるブロックチェーンをCorda Bridgeを介して連携し、企業間取引において発生するFIAT決済を暗号資産「XDC」を介して行えることを検証すべく実施されました。
これにより、取引情報などプライベートな領域と価値の移転といったパブリックな領域を含む決済をワンストップで行い、貿易取引における海外決済においても通常の銀行間取引と比べ、決済時間やコストの面で効率的かつ円滑な決済手段を提供することを目指しております。
2. 実証実験の評価
同実験では金融取引の必須要件となる「取引情報の承認」と「決済」の同時実行を、輸出者・輸入者に見立てたSBIグループ企業間で実施し、即時送金が可能であることを確認いたしました。また、技術的な観点ではCorDapp※とCorda Bridgeのコンポーネントを独立して実装出来る設計にしたことにより、同実験の決済ユースケース以外の場面においてもCorDapp上で汎用的にXDC決済機能の実装が可能であることを確認いたしました。
XDC Network上で他のブロックチェーンとハイブリッド型の実証実験を行うのは今回が初めてでしたが、上記の結果により、異なるブロックチェーンを跨いでの価値移動が問題なく行えることを実証できたこととなります。
なお、今回の実証実験のデモ画面操作等の内容動画は、下記リンクよりご覧いただけます。
※CorDapp:Corda上で実行する分散型アプリケーション
3. SBI XDC Network APAC株式会社 代表取締役:近藤 智彦のコメント
今回の実証実験において、R3 Corda、Corda Bridge 、XDCブロックチェーンそれぞれが持つ特性が、実際に行われる取引の中で有効に機能することを再確認でき、今後の展開が期待できる結果を得られました。実取引への実装に向けては解決すべき課題はまだあるものの、今回の実証実験で得られた成果をもとに、実際に使用されるお客様に多くのメリットを感じていただけるものを目指し、SBIグループ内での更なる連携、検証を進めていきたいと考えております。
4. SBI R3 Japan 株式会社 代表取締役:藤本 守のコメント
貿易に関連する業務の効率化は従前より大きな課題と認識されており、ブロックチェーン技術を用いて改善を図る取り組みが行われています。Cordaは企業間取引における情報の信頼性や秘匿性を確保するブロックチェーン基盤であり、今回の実証実験ではXDC NetworkとCordaが連携することにより、国際決済と貿易取引の業務効率化の可能性を示せたのではないかと思います。この実証実験をきっかけに、XDC Networkと連携して社会コストの低減を実現するユースケースへと発展させてまいります。
5. 今後の展開
実際の企業間の即時決済を想定した場合、XDCの価格変動や外国為替変動の影響を受けないシステムの追加検証が必要となりますが、この機能の検証では暗号資産交換業者等との連携が必須となります。同実験で示された結果をもとに、今後はSBI VC トレード株式会社、及びSBIグループで外国為替関連事業を統括するSBIリクイディティ・マーケット株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:尾崎 文紀)とも連携の上、暗号資産の価格変動ならびに為替の変動のリスクを抑えた企業間取引決済の更なる円滑化を実現可能とするサービス構築に向けた検証に引き続き取り組んでまいります。
■SBI XDC Network APACについて
SBI XDC Network APACは、SBIグループとTradeFinex Tech社の合弁企業です。
XDC Networkが備える革新的なソリューションをAPAC地域に展開するため、貿易金融ソリューションの提供、サブネット企業とのパートナーシップ拡大、XDCの取扱いを希望する暗号資産取引所のサポートなどを行なっています。
企業HP:https://www.sbixdc.network/
■SBI R3 Japanについて
SBI R3 Japanは、先進的金融サービスを提供するSBIグループとして、ブロックチェーンのグローバルリーディング企業R3の日本法人として、そして日本を代表する金融グループSMBCの支援を受けながら、分散型台帳技術Cordaを活用し社会コストの低減に貢献するエコシステムを構築することをミッションとしています。
企業HP:https://sbir3japan.co.jp/
以上