2025年5月7日
SBIホールディングス株式会社
photonamic GmbH & Co. KG

 SBIホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役会長兼社長:北尾 吉孝)の連結子会社で、5-アミノレブリン酸(5-ALA)(※1)を利用した医薬品開発事業を手掛けるドイツのphotonamic GmbH & Co. KG(本社:ドイツ・ピンネベルク、代表: Ulrich Kosciessa, Ph.D.、以下「フォトナミック社」)は、同社の米国子会社であるNX Development Corporation (本社:米国ケンタッキー州レキシントン市、CEO:Dr. Salvatore DeSena、以下「NXDC 社」)が、髄膜腫の蛍光ガイド下切除術に5-ALA塩酸塩を補助的に使用することを検討した第Ⅲ相試験(※2)において、主要評価項目を達成したことをお知らせいたします。

 なお、本資料は4月23日にフォトナミック社が発表したプレスリリースを日本語に抄訳したもので、参考資料として提供するものです。その内容および解釈については英文プレスリリース(68094fd3918595e1b53570cd_Photonamic Press Release MEN-301 April 23, 2025.pdf)が優先されますのでご参照ください。

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 髄膜腫は最も頻度の高い原発性脳腫瘍です。5-ALAは、米国では「Gleolan™」、欧州では「Gliolan®」(※3)の商品名で、主に悪性神経膠腫(WHOグレードⅢおよびⅣ)の蛍光ガイド下切除術に使用されてきました。一方、髄膜腫も蛍光を発する可能性があることが経験的に示されています。これが、主に米国およびドイツ、オーストリアの試験施設で第Ⅲ相試験を開始する動機となりました。
 このたびNXDC 社は、髄膜腫の蛍光ガイド下切除術に5-ALAを補助的に使用することを検討した第Ⅲ相試験において、主要評価項目を達成しました。
 副次的評価項目のさらなるデータ解析は、治験責任医師との緊密な協力のもとに現在も進行中であり、本年後半に米国と欧州で開催される学会で試験結果の全容を発表・公表する予定です。

■NXDC社 取締役会長、フォトナミック社 CEO ウルリッヒ・コシエッサ博士 コメント
「このたびの試験において主要評価項目が達成されたことは、髄膜腫患者に対してこの種の複雑な手術を行う上で、5-ALAが有用である可能性を示すものであり、非常に心強く思います。副次的評価項目のさらなる解析はまだ進行中ですが、この技術を臨床に導入し、悪性神経膠腫患者のみならず、髄膜腫患者への支援にも役立てることを願っています。」

photonamic GmbH & Co KG について
 フォトナミック社はドイツに本社を置く企業で、ヘルスケア分野のさまざまな用途における 5-ALA の開発に携わっています。親会社であるSBI ALApharma GmbH とともに 、フォトナミック社はSBI グループの一員として、脳腫瘍の蛍光ガイド下切除用の 5-ALA を開発・登録し、米国、ヨーロッパ、カナダ、日本、オーストラリア、韓国において、Gleolan™、Gliolan®、または アラベル®として販売されています。SBIグループ内においては、フォトナミック社と米国、カナダ、日本の関連会社が、感染症における免疫調節、食品サプリメント、化粧品などの分野においても5-ALAの開発を行っています。

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(※1) 5-アミノレブリン酸は体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸のひとつです。5-アミノレブリン酸は、がん細胞に取り込まれると、その主要代謝産物であるプロトポルフィリンIXが蓄積します。このプロトポルフィリンIXに励起光が照射されると蛍光発光する性質を利用し、がんを可視化することで、がんの術中診断薬として実用化されており、さらなる開発が進められています。
(※2)髄膜腫の切除手術中のリアルタイム検出と可視化を目的としたGleolan®/Gliolan®(5-ALA)の安全性、診断性能、臨床的有用性を検討する第III相試験:MEN-301 試験
(※3)Gleolan™(米国)/Gliolan®(欧州)は、悪性神経膠腫の手術中の悪性組織の可視化を可能にします。手術前に患者に経口投与し、専門の手術用顕微鏡および青色光源と併用することで、Gleolan®/Gliolan®は腫瘍の悪性部分を蛍光し、外科医は悪性組織と正常組織を区別することができます。

以上