2012年2月20日
SBIリサーチ株式会社

  中国国内におけるインターネット調査情報をもとに、日本の事業者に向けた情報・サービスを提供するSBIリサーチ株式会社(東京都港区 代表取締役:沖田 貴史、以下「SBIリサーチ」)は、「中国のECアウトソーシングサービス市場に関する報告書(2)(2010~2011年)」の日本語版を発行いたしました。

※本報告書は、「上海艾瑞市场咨询有限公司」(上海アイリサーチコンサルティング有限公司 中国上海市 代表取締役:楊偉慶、以下「中国アイリサーチ社」)協力のもと、同社が中国国内で定期的に発表している中国のインターネット事情に関する報告書を日本語に翻訳したものとなります。
※「ECアウトソーシング」とは・・・ EC事業を展開する企業に対して、EC戦略コンサルティング、ECサイト構築、ECサイトプロモーション、ECマーケティング、EC決済サービスなどECインフラ関連サービスを提供する事業モデル。クライアント企業に、上記で述べたECインフラ関連サービスの一部、あるいは一連のサービスをパッケージとして提供する事業モデル双方を指す。本報告書では、「広義のECアウトソーシング」としている。
中国のECアウトソーシング事業者のトレンド
・中国のECアウトソーシング事業者数は、中国EC市場の拡大にあわせ順調に増加している。
・主な中国のECアウトソーシング事業者には、店舗開設からサプライチェーンの運営サービスを提供する「興長信達(ec3s.com.com)」や「宝尊(baozun.cn.cn)」、倉庫レンタルサービスの「五洲在线(mic.cn)」や物流配達サービスの「顺丰快递(sf-express.com)」、ECソリューションサービスを提供する「商派(shopex.cn)」、データ分析サービスを提供する「小艾(fenxi001.com)」などがある。
・主な中国のECアウトソーシング事業者は、ほとんどが淘宝グループと業務提携をしている。
中国のECアウトソーシングサービス市場における今後の発展トレンド
・中国のECアウトソーシング市場は、まだ初期段階ではあるが今後、急速な成長が見込まれる。
・数年以内に、淘宝グループとは独立した実力のあるECアウトソーシング事業者が出現すると考えられる。
・一部のフルアウトソーシング事業者は、部分アウトソーシング事業者に転換するであろう。

  現段階における中国のECアウトソーシング市場はまだ初期段階にあり、改善すべき課題も多い。しかしすでに一定の成果を納めており、今後、課題を改善することで、急速な発展を遂げると考えている。
  また、B2Cモールである「淘宝商城(tmall.com)」の開設に連動し、数多くのECアウトソーシング事業者が誕生し、淘宝グループとの提携を進めてきた。今後は、そういった事業者の一部が淘宝グループ以外のチャネルを追い求め、淘宝グループから独立し、より実力のあるECアウトソーシングサービス事業者へと成長していく、と考えられる。
  ECアウトソーシング市場において、現在はフルアウトソーシング事業者に対するニーズが高い。しかし、今後一定の経験を蓄積したEC事業者は、一部のコア業務を自社に戻し、ECのチャネル管理を強め、フルアウトソーシング事業者への依存度を減らしていくと考えられる。しかし、アウトソーシング業務に対するニーズが完全になくなるわけではなく、より専門的な指導が求められるため、専門的な部分アウトソーシング事業者が、EC事業者のニーズをより満たせることとなるはずである。

◆その他の主なトピックス
-中国のECアウトソーシング事業者の種類と役割
-主な中国のECアウトソーシング事業者の発展状況
-中国のECアウトソーシングサービス業界における課題
-自社構築とECアウトソーシングの違い

  なお、次回は「中国のネットショッピングユーザにおける研究報告書(1)(2010-2011年)」を発行する予定です。

  今後もSBIリサーチは、日本の事業者を対象に、中国でのEC展開において有益な、最新で正確な現地のインターネット事情を取りまとめた報告書を毎月発行してまいります。

◆研究方法について
  本報告書は、主として中国アイリサーチ社が行った業界へのインタビューやオンライン調査を総合的に分析した上、まとめたものです。
  業界へのインタビューでは業界のスペシャリストおよび関連企業担当者、エージェントに詳細なインタビューを行うことで関連業界の主要情況を把握し、販売や市場等に関するデータを取得しています。
  オンライン調査では、中国アイリサーチ社のインターネットユーザに対する観測・研究システム「iUser Tracker」と、電子商取引領域を総合的に観測・研究するデータプロダクト「Ecommerce Plus」を使用したユーザへの調査データと一部の公開情報(※)を比較し、最終的に業界規模のデータを構築しています。

(※)政府が公布するデータ・業界の公開情報・企業年報や季報・業界専門家の見解

その他のデータ、グラフ、情報などをご希望の方は、お気軽に以下にお問い合わせください。
【SBIリサーチ報告書 お問い合わせ・購入お申込みフォーム】
https://www.veritrans.co.jp/contact/sbiresearch_form.html

◆中国インターネット事情に関する報告書について
  本報告書は、中国アイリサーチ社協力のもと、同社が中国国内で定期的に発表している中国のインターネット事情に関する報告書を日本語に翻訳したものとなります。
  中国アイリサーチ社は、中国全域に様々なリサーチ網を有し、最新かつ正確なデータ分析のもと、報告書を作成しております。SBI リサーチが日本語版を発行することにより、日本の事業者は日本で得ることが難しい現地のインターネット事情をいち早く入手することが可能となります。

【SBI リサーチ株式会社について】
社名: SBI リサーチ株式会社
設立年月日: 2009年11月5日
代表者: 代表取締役 執行役員Co-CEO 沖田 貴史
取締役 執行役員Co-CEO 楊 偉慶
事業内容: ・中国アイリサーチ社が中国国内で発表している各種インターネット白書の翻訳販売
・各企業向けにカスタマイズした個別調査などの中国市場調査事業
・中国へ向けたプロモーション展開を行う事業者の広告業務
・中国での商標権に関するコンサルティング業務
URL: http://www.sbi-research.jp/

以上